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プチヒーラー  作者: テクマ
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良い魔族

サキュバス達は王城の地下牢にある鎖に繋がれていた。

男の獄卒は立ち入りを禁止され、女性神官に食事等の世話を任せられていた。


「さあ、朝の食事ですよ」

「毎日悪いな、この献身的な世話、感動する。

何かしてほしいことがあったら言ってくれ、ほぼなんでもしてやれるぞ」

「必要ありませんよ」

「そうか。

神官は男性経験が無いんだったか、ようは何をしてもらいたいか分からないのかな?それならあたしに身を委ねてくれたら良い、これが正統派だ、という快楽を与えてやろう」

「黙ってくださいね」

「いつでもいいぜ、ここには男の獄卒やら誰も来ないから。なんならインキュバスを紹介してやろうか、腰が抜けるほど・・・」

「そのようなかたは間に合ってますから」


神官はにこやかに対応していた。それと言うのも一般市民相手のボランティア活動を行っているのでワイセツな会話にもなれていた。だがサキュバスがワイセツな会話を仕掛けてくるので未成年のアンは地下牢に立ち入ることを許されなかった。


神官が食事の世話を終えて二人きりになったサキュバスは横になりながら小声で話し出した。


「あの神官達は違うな」

「ああ、ヒールの力は普通の神官よりもあるかもしれないが、あの馬鹿げた力は無い」

「さて、どうする・・・」

「魔王さまからの魔力の供給も途絶えたし、そこに聖なる力のくさびが入っている。つまりあたしらは神の僕だ、この馬鹿げた状態をどうにかしないと、神を感じるなど吐きそうだ」

「あそこにいたのは神官とそれ以外はチビだけだな」


夕刻の食事の世話にきた神官に聞いた。


「私らが捕らえられたときにいただろほら、ほら、ちっさい見習い」

「見習い?

アン様ですよ」

「見習いじゃねえのか、すげえ力だ」

「ドラゴニアでも一二を争う実力ですから」

「そら私らも1発で眠らされるわ」


二人は目を見合わせて神官が帰るのを待った。


「よく話してくれるよ、あの神官は。

アンとかいう子供を殺せば神の野郎の呪縛から解放されるってことか」

「ああ、そう言うことだ。あいつをここに来させるか、あたしらがあっちに近づくか」

「魔力などいらない、あいつのクビをつかめば簡単だ。

だがここはダメだ。ここは人に擬態したドラゴンもいる、逃げ切れない」


サキュバスは神官を挑発するのをやめて普通の会話を続けると、しばらくするとアンが食事の世話にくると神官から聞いた。

ただアンは出来ることならこのまま会いたくはなかった。と言うのも・・・


『どうするかな、処刑か奴隷かの判断をしないといけない。とりあえず会って話をするか』


神官達と一緒にサキュバスに食事の提供をするため牢屋に入った。


「やあ、牢屋生活は快適かな」

「快適なはずないだろ、鎖に繋がれてるんだぞ。

そこは、反省してるか?

って聞くんだ」

「そうでした、もしかして牢屋経験者?」

「はじめてだ」

「牢屋処女なんだ」


挑発的なアンにのってはいけないとサキュバスは考えて、なんとかアンに取り入ろうと話をかえようとしたが噛み合わない状態が続いた。

するとアンは唐突に言った。


「処刑と奴隷、どっちが良い」


サキュバスは『とりあえず生きるために奴隷をするしか無いのか』と落胆しながらもお互いに顔を見合わせた。そして・・・


「奴隷」


と言った。

アンは目を細めながら『その選択しかないよな』と思い、サキュバスに刺さっている聖なるくさびを見た。

『しっかり刺さっているから鎖をはずしていいかな』

だが、心配なので少しくさびを大きくした。


「オオオオオッ」


サキュバスはのけぞって声をあげた。


「なんだ、まるで神の野郎にやられているみたいだ」


アンは一瞬何をどう”やられている”か聞かずに『とりあえずしっかりハマっている』ことを確認出来たと確信して気が楽になって、やられている、ことについて会話をはじめた。


「快楽をえられたみたいだね、私達の言うことを聞けばこれからいくらでも大きくしてあげる」


それを見ていた神官達は小声で・・・


「わたしたちは大きくするこは出来ません」

「そんなことは練習しないと分からないから」


と言った。


牢屋から帰るとき神官達は当惑しながらアンに聞いた。


「良いのでしょうか、経典にはこのようなことが良いのか悪いのか書いてないので判断できません」

「いいに決まってますよ、悔い改めた魔族が神の力の大きさに身をふるわせているのですから」


アンは大股で歩きながら目は一点を見つめて心はどこかにいったようであった。そして『あの本にそう書いていたから、何かあったとしても私の責任ではない』と考えていた。


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