ドラゴン達
普通のネコ族の少女、英雄ふにゃは例の王様からのお願いで山岳地帯に出かけていた。そこにいる子供とタイマンをはって仲間に引き入れよ、との指令である。ちなみに、ふにゃは王様の家来である。しかしそこはネコ族なのであまり縛られていない。
タイマンをはるため二人乗りの飛行機に乗せられたふにゃは・・・
「飛行機ははじめて乗るんだにゃ。椅子がついているし、ドラゴンの背中よりも快適なんだにゃ。こん棒様はどうなんだにゃ」
「・・・」
「修学旅行で乗ったことがある?」
こん棒様は日本からの転生者であるが神様の意向で、物、に憑依した。転生前は暴走族の総長でイケイケである。ふにゃの戦闘力における99%がこん棒である。
操縦をしていた転移者のたかしは「ネコだから高いところが好きなんだな」と言ったが、声が小さいのでふにゃほとんど聞こえていなかった。たかしはふにゃにお構いなしに飛行機の説明をはじめた。
「これはアシャのところでもらった鉄パイプから発せられる聖なる力を動力にしてプロペラを回しているんだ、しかもその動力をこの筒を通して飛ばすと魔物をたたき落とすことが出来るんだよ。これをあと3台作っているんだ、もっと作りたいからこんどパイプをひらいに行かないとなあ、なんてことを計画しているんだよね」
「そうですかにゃ」
頼りない返事を返したふにゃはだんだん飛行機によってきて今にも吐きそうだがなんとか飲み込んで耐えていた。
タイマンをはる相手は山岳の洞穴にいる、らしい。その子供は普通の見た目であるが、毎週のように狂暴な魔物を狩って町に売りに来ていたので王様のところに報告があがっていた。
「子供に化けた魔物か何かだろうか、魔物なら仲間にはできないが」
そうこうしていると山岳部のなかの平坦な部分に着陸した。
「飛行機を隠してここから歩こう」
たかしは飛行機から機関銃を取り外して肩にかついで山道を歩いて行った。
ふにゃもこん棒をかついで歩いて行った。しばらく歩くと20人ほどの人の集団に出会った。
「お前達はどこから来た?」
「えー、山の向こう側です」
「ここにいろ、後で身ぐるみはいでやる」
山賊だった。
山賊達は皆真面目な顔をして洞穴の前で剣を抜いて目で合図した後、いっせいになかに入っていった。
「ここが子供がいる洞穴だにゃ、先にはいられたにゃ」
「子供も山賊なのかな、助けに行かなくていいのか」
ふにゃは洞穴の入り口までゆっくり歩いていくと顔を半分出して中を覗いた。
「このやろー山賊をなめるな!殺してやる」
「うるさいな、今忙しいのだよ、出て行ってくれ」
それを聞くとふにゃは
「山賊の敵なら味方だにゃ」
と言った瞬間、ふにゃは頭を引っ込めた。
ドッカーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!
すさまじい音と共に業火がトンネルから吹き出した。
山賊達は炎と一緒に洞穴から飛び出ると燃えた髪の毛や服を手で叩きながら転げまわった。そして・・・
「おっ、覚えてろ!」
と言って逃げていった。
「身ぐるみはがさなくていいのかにゃ」
「いいようだね。
とは言え、洞窟の中の子供はご機嫌斜めだな」
だがどうせ喧嘩になるんだ、ということで中にはいった。
そこでは石の台座の上で子供がゴロゴロとねっころがりながら本を読んでいた。
「お控えなすって!
あっし、ふにゃと申すケチな猫族でやんす、だにゃ」
「あ、そういうのいいから」
子供は本から目をはなさずに言った。
たかしは恐る恐る聞いた。
「あの・・・町に凶悪な魔物を売りに行ってる方ですよね?」
「そうだよ、あれがここら辺で狩れる1番高く売れる魔物だ」
「で、君は、その、何の魔物なのかな?」
「失礼な僕はドラゴンだ」
この世界の頂点に君臨する生物のドラゴンと聞いてふにゃは・・・
「用事を思い出したにゃ」
生物としての格が違いすぎるので、ふにゃ、は帰ろうとしたがこん棒が
「・・・・!」
「帰るなこのいくじなし、ですかにゃ、そのとおりいくじなしなので帰りますにゃ」
だが、こん棒に引き留められてなんとか気持ちを持ち直したふにゃは
「勝負しゃがれ、このベビードラゴンが!引きこもり野郎、、、男だよね?
と、こん棒様がおっしゃっているにゃ」
「女だが、そういうノリが嫌で洞穴に住んでるんだ。僕は大好きな本を読むために魔物を狩って本を買うだけの生き物だからほうっておいてくれ」
「なるほど、これは筋が通ってますにゃ。
え?
だがそうはいかん、お前は最強の生物としてこの勇者の糧となるんだ、、と、こん棒様がおっしゃっているにゃ」
ドラゴンはめんどくさそうに起き上がると
「黒こげにして食ってやる」と言った。
だがたかしが
「その本は王様が転移前に読んだのを財政の足しにすると言って無断で複製しているものだな」
ドラゴンは顔色が変わった。
「作者を知っているのか、そこの・・・ひょろひょろ」
「作者というか(盗作だが)、まあそんなところだ」
ドラゴンは少し考えると
「捕まえに来たのか、じゃあ捕まえられてやろう。王の前に連れて行くといい」
と言って自らを縄でぐるぐる巻きに適当に巻いて結んでその先をふにゃに渡した。
「こん棒様は、そうじゃない、戦え、と、言っているにゃ」
「でもこれでも良いだろう」
縄を打たれたドラゴンが洞穴から出ると、心配して山の民が集まってきた。
「ドラ様の化身様、捕まったのですか?
勇者様、このドラゴンは私たちを守ってくれる良いドラゴンです、解放してあげてください」
皆、ドラゴンの比護を得るため洞窟の近くに集まってきたもの達であった。
「いやまあ、ちょっと作者に会ってくるだけだよ、山賊は二度と来ないから、じゃあ行ってくるね」




