ハーレム
帝国ではサタニストが現れたことで大騒ぎになっていた。
だが事前に予想していた皇帝と一部の兵士は寝ずにおきていたので冷静であった。
「終わったのか?」
「は、サタニストを数匹捕まえまして、公募は終了しました」
「では、この眠れなくなる苦い泥水は飲まなくていいな」
「は、大丈夫です」
「あの、なんだ、ジークフリート王、だったか、彼の見つけた豆の煮汁はすごい効き目だ。眠れんな、まったく眠れん、だんだん慣れてきたがまだ眠れん、この飲み物の魔力で旨いとすら思えてきたがもうしばらくはいらん。
ところで、サタニストのホストは分かりそうか?」
「これからです、サタニストは神殿の地下に閉じ込めたのでホストからの魔力をたちましたのでしばらくすると喋りだすでしょう」
「よしいいだろう、それ以外の安全が確認できた女はビンセントに与えてやれ」
皇帝はやつれた感じで奥に引き下がった。りょうは神殿の地下に行くと牢屋の中の女達に話しかけた。
「もうお前達のホストとは連絡はとれない、指令は来ない。
かわりに神の愛を受け入れたなら釈放してもいい」
「あああ、何を言ってるんだ、私は選ばれたのだ、あのお方に。
聖殿に押し込んでも私の信仰心は変わらない、殺すなら殺すといい」
「顔がわれているからもう使われることはない、助けは来ないぞ諦めろ」
「あの方が、あの方だけが私の荒んだ心を救ってくれたのだ、神なぞに何ができるのだ」
「神は気まぐれだがいいところもあるぞ、じっくりと考えろ。
神官達に助けを求めるのもいいだろう、ではまた明日会いに来るからまっていろ」
「来るな、来ても何も変わらん」
りょうは神官と女達を連れてビンセントのもとを訪れた。
「やあ、りょう、私はこの歳になってこんな事態になるとは思わなかったよ。
だが君も志願してくれてよかった」
「私はヒール能力が皆無なので志願していません。
・・・ドラゴニアでもあてがわれたのでしょう?」
「あそこでは 力のある聖職者をあてがおうとしていたが、途中でヒーラーを得るあてが出来たそうで無理にすすめられなくなった、王子はおそらくその頃にアシャに出会ったのだろう」
「今、アシャの娘がドラゴニアにいるそうです」
「そうか、アシャが志願したのではないのか、アンがあれの娘だとはな、息子ではなく私がもらっていれば良かったのか。
だが・・・」
「あまり気になさるな、それよりヒール能力で選抜したが皆器量よし、国のためです亡くなった奥方も許してくれるでしょう」
「そう願うよ」
そう言うとビンセントは深く息をして自分にヒールをかけた。
りょうはサタニストとの約束を反故にして会いにいかず、王女ヒイラギに会うために王国に出立することにしたが、城を出るときに呼び止められた。
「おい、りょう、あたしはどうだい、まだ間に合うだろ?
血筋はいいぞ」
王国の娼館の女将であった。
「なんだ女将、こんなところまでわざわざ来たのか、で、なんだ・・・あれをしに来たのか。
いや、あぁ、娘か?娘の方だな、そうだよな?」
「私だよ」
「お前はアシャの妹だが・・・なぜかヒール能力が出なかったとか言ってたな」
「分かっている、なぜでなかったのか。娘が出なかったのではっきりしている。
今度は大丈夫だ、しっかり仕込むぞ」
「そうだったな娘も出なかったのか、それでアンに治療を受けたんだったな。
それならもう無いんだろう、違うか?
生活は安定しているだろ、のんびり宿屋を営んでいろ、というか今から王国に行くところだ、宿は開いているのか?」
「宿なら私が帰れば開ける、旅立つまでにビンセントのところに案内しな!」
「まったくお前ら姉妹は・・・」
りょうはビンセントのハーレムを運営する神官に女将を会わせた。
「この女は、ちょっとおばさんだが、血筋は良いので順番を繰り上げて種をつけさせてくれ」
神官は無表情でうなずくと、部屋に入ってすぐ出てきた。
「すぐ来てくれとのことです」
女将はよろこんで部屋に入って行った。りょうは・・・
「頑張っておられるな」
と言ったが、神官はクビを振りながら。
「ご自分のヒールが効いている間にすましておきたいようです」
「そうか、たいへんだな。
ではすまんがすんだら誰か呼びに来てくれないか、あの女を連れてすぐ旅立ちたいのだ」
神官がうなづいて、りょうが自室に帰ろうとしたとき女将が部屋から出てきた。
「またせたなりょう、さあ終わったぞ家に帰ろう。
何か乗り物で行くんだろ、私も乗せてくれ」
「・・・はやいんだな」
「こんなもんだ」
「こんなもんか・・・こんなもんなのか」
「りょう・・・もしかして、おまえ、まだ・・・」
「そうだなこんなもんだった、ハハハ。
ハハハハハハハ。
今回は皇帝陛下の許可がある、インペリアルエアラインのグリフィンが使えるぞ」




