ハーレム
「ドラゴニア側からの飛行体が通過します!」
国境のドラゴニア軍は100ほどの兵力だが王子の直属で猛者がそろっていた。隊長は望遠鏡で飛行体を眺めながらその影を追った。
「三体か、おそらく王宮のドラゴンなんだろうが、普段はあんなに高く飛ぶことはない。何を警戒しているんだ。
昨日は一体、ドラゴニアに向かったが、あれもあの中にいるのか」
さらに伝令が来た。
「ドラゴニアの本隊から連絡、数刻後にみかたのドラゴンが三体通過する、とのことです」
隊長は飛行体を見送りながらつぶやくように『今飛んで行ったのがそうだろうな』と言った。
上空では・・・
「俺の方が高く飛べるぞ!」
「なんだと、私の方が高く飛べる!」
リュウと兄弟のサイラが競い合っていた。アシャはリュウにしがみつきながら。
「やめてくれ私が振り落とされてしまう」
リュウは負けたくないので手をゆるめたくなかった。
「お母さんはもっと高く速く飛べるのにふるい落とされないじゃないか、ちゃんとしがみついて!」
「あれは風を流してるからだよ。それをしなかったらもっと速く飛べるんだよ」
それを聞いたサイラは目を輝かせながら言った。
「おほーー!お母さんはすごいんだ。
はやく会いたいぞ」
そう言うとまたスピードをあげた。リュウもまたスピードをあげた。もう一人の兄弟、ライザはあきれながら後から飛んでいたが。
「アシャさん、私に乗ってください、ゆっくり行きましょう」
リュウを無理矢理地上におろしてアシャはライザに乗り換えた。リュウはサイラとまた競争をはじめたが方向が定まらないのでライザは余裕でついて行くことができて、ついには追い越して先に診療所に入った。アシャは診療所に入るとドラを見つけてライザを前に押し出して言った。
「帰ったよ、ほらあれがドラだよ」
ライザは固くなりながら挨拶をした。
「お初にお目にかかります、私はライザと名乗っております、あなた様の娘です」
ドラは困り顔だが自分の娘を手招きして持ち上げて抱きしめた。
そこに遅れてサイラも入ってきてなにも言わずにドラに抱きついた。
リュウはアシャの隣で見ていたのでアシャが・・・
「リュウは私が抱き締めてやろう」
そう言って抱きしめた。
ドラは二人をしばらく抱き締めたあとリュウも連れて奥の部屋に入った。アシャはその光景を眺めながら言った。
「親子水入らずか、いいね」
診察をしていたレイラは区切りをつけてアシャにたずねた。
「置いてきた?」
「置いてきたよ、二人とも、置き去りにするのはこれで2回目だ」
「状況は前とは違うだろ、前とは。
前のはアシャにもいいわけがあるだろうが親として失格だ、、、私も失格だが。
私は、はじめから実家にしとけば良かったと思っているよ」
「私のはヒーラーとしては最良のさくだ、ヒーラーとしては。お前も道端に捨てたらレイの癒しの力がもっと延びたのに、中途半端だった」
「レイには魔力があるからお前が考えてるほど伸びなかっただろう。
しかし、二人置いてきたが・・・二人連れてきたのか」
奥の部屋ではドラの子供達、サイラとライザがドラの回りを嬉しそうにぐるぐる回りながら甘えていた。リュウは少し離れて静観していた。二人に母親がとられたように感じて心は穏やかではなかった。卵から生まれた二人の名を知らなかったドラは二人の名前を呼んで何度も抱きしめた。
そして最後にリュウのなを呼んで三人を抱きしめた。
「ところで、入れ違いに賢者たかしが来てあまってた聖剣を持っていったよ。
ついでにあの肉団子も持っていくとか言うのでドラについて行ってもらった」
「りょうが言ってたな、なんに使うのかな。あいつの言う近代兵器にでも加工するのか」
「知らんが嬉しそうだったな」
「嫁ももらわんで鍛冶屋ごっこか、転移者はほんと変わり者が多いな」
「メイドとかを内縁の妻ぐらいにしているんだろう・・・執事かもしれんが」
帝国では
「りょう様、皇帝様がお呼びです」
「うむ、今いく。
さてと、魔王対策はおおよそ練ることが出来た、進捗状況をご報告だ」
りょうは皇帝の部屋に入ると平伏した。
「まずは・・りょう、私宛に手紙が来ている。ほら、あの、オーディン王、だったか、その娘からだ」
そう言うと行政官に手紙を読ませた。
「りょう様にはお世話になってます。さて、先日の宿題ですが完璧に出来るようになりました。次は何をすればよろしいですか?おとり継ぎ願えませんか、よろしくお願いします」
「あの国とは魔王関連で共闘する予定なので、かまわんから直接やり取りするように娘に言ってくれ。
それで、対策の方は出来たか?」
りょうは顔をあげて報告書をかかげた。
皇帝は一読すると・・・
「やはりヒーラーを中心にして魔法使いと剣士によって魔王までの道を切り開くことになるか」
「は、それが常法であるかと」
「ビンセントで魔王を倒せるのか?」
「はっ、十分に力があるかと」
「追放されたアンは帰って来るのか?」
「すでにアシャの弟子です」
「これはまいったな、男からは強いヒーラーは出来づらいとは言うが。
・・・だがまだ時間があるな、、、あいつもまだいけるだろう」
「それがよいかと存じます」
「ビンセントにハーレムを用意しろ、女はヒーラーかその素養の有るものを国中から集めろ、りょうも知人で誰か適任者がいたら紹介してくれ」




