王城
「私は行かない」
「左様でございますか」
「私も行きません」
レイラとドラは行きたくないようだ。
「じゃあ、私とアンとレイで行こうかな」
それがいいとレイラとドラは言った。そしてドラは「リュウに乗って行くといい」と言った。
「ではセバスさんお先にどうぞ、私達は後から追い付きますから」
アシャはセバスを追い返すと、ドラに言った。
「駆け落ちしたレイラが帰りたくないのは分かるけどドラはなぜ行きたくないの?」
「私の時間感覚だと城を出てまだまだ時間がたってないのですよ。目的もまだ達していないし」
「確かに目的はもうちょっと先かもしれないけど。
じゃあ城の中はどうなってるの?
人とドラゴンが入り乱れているのかな」
「人の住む所では人の形をしてますから安心してください。いきなり食べられることはありません。
リュウは行ったことがないでしょうから挨拶ぐらいしておけばいいでしょう、と言ったところですか」
リュウは目を細めてうなずいたが、アンとレイが顔を見合わせて言った。
「え?私達もいくの、って感じなんですけど」
二人は突然のことなので驚いていたがそんなことは気にとめないアシャは・・・
「気乗りがしないみたいだけどアンとレイを連れて行ってくるよ、じゃあリュウ頼む」
「分かった、、、、じゃあ行こうか」
「・・・今?来週でいいんじゃないか、セバスさんは今帰ったばかりだよ」
「あの人は飛んできているからすぐ帰り着くよ」
「ドラゴンなんだ」
「いや、魔法使いだよ」
レイラが補足した。
「高位の魔法使いは飛べるんだよね、もうすぐ高位の私には無理だけど」
「聞いてはいたけどそうなんだ、レイラは少しダイエットした方がいいんじゃないか?」
「体重はあまり関係ない」
アシャとレイラは二人に一番良い服を着せて早速城に向かった。アシャはいつもの薄汚れた服だった。
「なんで私達が?」
二人は不満そうに何度も言った。
「王宮で雇ってくれるかもしれないぞ、だからいつもよりもお行儀よくしろよ。
リュウもドラの親戚、つまりお前の親戚に会うんだから綺麗な服を着ておけよ」
「そうするよ、でも綺麗な服ってどんなだろう、相手の着ているものを見てきめないと分からないよ」
ぶつぶつ言っていた二人もドラゴニアの領土にはいると少し緊張してきたようだ。アシャは以前来たことがあるようで上機嫌であった。
「牧畜が盛んなんだよね、広い牧草地帯が続くから領地に入ったことが分かるよ。
ドラゴンがいるから魔物が寄り付かないから放牧も出来るんだよな」
アシャが景色を楽しんでいるのに反して二人はさらに落ち着きが無くなって来た。
「あーダメだ、緊張してきた。国王とかに会うんでしょ?少なくとも王子か・・・
ひっ、膝の震えが止まらん」
「もし粗相して首を跳ねられたらどうすれば?
首が無くなっても自己修復出来たっけ?
この場合どっちに生えてくるの?首の下に首が生えたら・・・」
「癒しの鎧は利かないんだよね、相手は魔族じゃないから」
「国王、魔族だと良いな、せっかく練習したんだし」
アシャは呆れて何も言わなかった。だが二人の話はエスカレートしていき・・・
「エンハンスアーマメントかけとく?」
「うん、頼むよ。強めにお願い」
「じゃあ次、私も」
「OK」
二人はアシャを見て・・・
「あの、アシャもエンハンスアーマメントかける?」
「私はいいよ、使いのセバスさんは友好的だっただろ。
でもどうなるか分からないから。
アン、眠らせる用意はしておけ」
アンはアシャの目を見て大きくうなずいた。
そしてアシャは人差し指と中指にはさんだ聖剣を見せてニヤリと笑った。
「さすがアシャ」
レイも聖剣を出してアンに見せた。
アンは・・・
「でもそれ捕獲専用でしょ?」
「それが少し進化したんだな、細くした糸を飛ばすと切れるんだよね、真っ二つに」
「それ良いね、私もなにか無いかな、握って暴れられるような道具がさ。
まさかはじめてのカチコミが王城とは」
広い平地から高原に差し掛かると遠くのほうに岩山に建てられた城が見えた。リュウは
「あそこみたいだね、沢山のドラゴンがいるのが分かるよ」
アシャも緊張してきたようで正座をした。
「お嬢さんがた、私は万が一の話をしただけだからね。
暴れないように、それにドラが何体もいるような状態なんだから勝てないから」
城の下部に空からの入り口になっている庭がありそこでセバスと数人の人が手を降っていた。
「ほら友好的だ。
カチコミじゃない、だが眠らせる用意はしておけ」




