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プチヒーラー  作者: テクマ
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癒しの力で乗り越える

行く村、行く村で治療をして作物や少額だがお金をもらえたので食べるのには困らなかった。レイは料理も上手でヒーラー助手として働いてくれた。私達は美人なので人がいっぱい集まったのが幸いしたのもあった。


だが大きな街では回状が回っており治療が出来なかったし、宿に泊まることも出来なかった。だいたい農家に泊めてもらうか野宿だが、森には魔物がいた。


レイはメイドの護身術として短剣が使えたが強い魔物相手ではどうなるかわからない。私達は強力な麻酔効果のある癒しを付与した結界を張ってその中で寝ることにした。すると朝になるといろんな魔物がとれた。


「アン、今日はオークがとれてますよ目覚める前にさばいてしまいましょう」


恐ろしい森だがいつしか朝が楽しみになっていた。


「うーん、美味だ、こくがあるね」


残りは猟師に引き取ってもらった。


お金も少しづつだが貯まっていくし、ずっとこんな生活でもいいかと思っていたある日、国境にたどり着いた。


「国境から隣国に出られない.

私のことが嫌いなら出してくれたらいいじゃないか]


まあ、お金が無いからなのだが。しょうがないので国境近くで野宿をしてとれた魔物やらを売ってお金を稼ぐことにした。朝になると沢山獲物がとれたので近くの猟師に売っていたが、ある日パタッととれなくなった。猟師は


「近くに大物がいるに違いない、小物が遠くに逃げたんだ」


とはいえ順調にお金がたまっていたので大物がいなくなるまでしばらく様子を見ることにした。すると、


ある朝、大きなドラゴンが結界にかかっていた。


「この子が不漁の原因か、食べられるのかな?」

「肉は不老長寿の薬になると聞いたことがありますから食べられるのでしょうけど、実際に食べたことのある人を見たことがありません」


猟師たちも集まり物珍しそうに見ているので買ってもらうよう頼んだが、鱗が固くてとどめをさせないから買えない、と言われた。麻酔が覚めて暴れだすと手に負えないからだろう。


「このまま昏睡状態を長くすると死ぬけど、肉質は落ちそうだし、そもそも皮が硬くてさばけない、どうしたものか」


レイと相談して解放することにした。いかにドラゴンと言えども捕まった記憶のある嫌な場所はすぐ離れるだろう。


麻酔をといて遠くに隠れて見ているとふらふらしながらどこかに飛んで行った。


「あの子に頼んで国境越えさせてもらえなかったかな」

「こっちが食べられますよ」


次の日からまた魔物がとれだしてお金が貯まっていった。それと同時に罠にドラゴンがかかったと言う噂が広がり、腕に覚えのある剣士達が集まってきた。


「おい、ドラゴンはどこだ、俺ならクビをちょん切れる、と思う。やってみなきゃ分からないだろ」


だいたいこういう剣士は傷があるので治してあげるとさらに噂が広がり人が集まりお金が貯まった。


そろそろお金がたまって来たので国境を越えるか、と思っていたら杖をついた1人の女剣士が来た。


「君はドラゴンをとらえた凄腕ヒーラーか。私の怪我を治してくれないか」


女剣士はヒョウと名乗った。脚には黒く変色した部分がまばらにあったのだが、これは学校で教わったことがある。


「呪い、です。高位の悪魔の仕業だと思います」

「あぁ、覚えがあるよ。それで治せるか?」

「私の力が勝れば治せます」

「是非お願いします。お金は必要なだけ用意しよう。

ビンセント殿が捕らえられ、そのお弟子も力が強いということだが行方不明だから隣国のヒーラーのもとに行く途中だったが助かった」


身バレしたくないので聞こえないふりをした。

とにかく呪いを解くには呪いをかけた者を殺すか、呪いをかけた者よりも強い癒しを上書きするしかない。

アンは最大級のヒールを脚に放った。回りが眩しいほどの輝きに満ちるほどに。


「打ち消したはずです、様子をみてダメならまた明日」


そう言って倒れ込んだ。レイはアンを木陰に運んで口に食べ物をおし込んだ。


「早く回復してくださいアン、あなたを回復させることの出来る者はここにはいません」


女剣士も看病して食べ物を口に押し込んだ。その夜は女剣士が寝ずのばんをした。


夜中になってリョウはまだおきていたレイに話しかけた。


「ヒールの効果がまだ残っている、魔物は当分ここには近づけないだろう。だが動物は癒しを求めて集まってきているな。だが攻撃はしてこない、不思議な現象だ」

「近くにいた私も眠気が来ないくらい元気いっぱいです、リョウ様の脚の方はどうですか」

「まったく問題ない、昔のように立って普通に歩くことが出来る。


・・・国境を越えてしばらく行くと魔女と呼ばれるヒーラーがいる、私が頼ろうとした人間なんだが魔術のような癒しを与えることが出来る。そのものは変わっているから頼るといい、何かに追われていようが関係無く保護してくれるだろう。見えているのはヒールの光だけだからアンは歓待してもらえるよ。

魔女は何物にも組しないので扱いづらく王国からは遠ざけられてはいるが、その力があまりにも強大だから保護されてもいる、つまり独立国のようなものだよ」



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