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プチヒーラー  作者: テクマ
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リョウ

「おーい、レイ、リュウはどこー?」


アンはみなが魔物を駆除しているあたりに来て名前を呼んで探し回った。


「しっ!しずかに」


繁みからレイが圧し殺した声で話しかけた。

アンもしげみのなかに入ってしゃがんだ。


「どうしたのレイ、大物でもいるの?」


低いが普通のしゃべり方のアンの口を後ろからリュウがおさえた。


「もがもが、リュウもいるのに、どうしたの?もがもが」


向こうの方には同じように身を隠したミュー達がいた。


レイが遠くの方を指差した。その先には人がいた。正確には魔族に首輪をされた人、おそらく奴隷にされているのだろうか、汚いボロボロの服を着て痩せ細って目がうつろになっていて、何人も連なって歩いている。レイが声を圧し殺して言った。


「ここら辺の人ではないよ、見たことが無い、おそらく遠くの村から拐われてきたのかな?」

「どうするの?解放するの」

「鎖を持っている魔族の騎士の実力がわからないから様子見」

「全員眠らせようか、魔族も寝るんでしょ?リュウは知らないの?」


リュウはアンの口を塞いでいた手をゆるめて手をミュー達の方を指差して言った。


「シャーは実際に魔族と戦ってるから殺そうとはしてるけど。

じゃあ、

眠らなかったときに殺るってことで」


リュウはシャーにアンを指差して寝るポーズをとると、シャー達もわかった感じではあったのでアンは催眠系の癒しをかけた。

次々に人と魔族が倒れていき身動きしなくなった。


「ふう、魔族ははじめてだ、意外ときくもんだね」

「魔族の騎士を捕縛の魔法で拘束しておくとして、この人達はどうする?

この前覚えた電気魔法で起こしていいかな」

「どうぞ、どうぞ」


レイはリリアンを取り出し軽く触れると、囚われた人はピクピクしながら飛び起きた。


「あ、あんたらは?」

「私達は正義のヒーラーと王国連合です。魔族にとらえられていたあなた達を解放するために全員眠らせました、そしてとりあえずあなただけおこしました」

「それは有り難いが、ヒーラーのお嬢ちゃん達のところに今から行くところだった」

「診療所に?病気なの」

「違う、魔族は結界を通り抜けることが出来ないから、俺らにあんたらの寝込みを襲わせようって思い付いたらしい」

「えー私達を殺しに?

でも王国連合は夜行性だから失敗しただろうけど。

でも、ちょうどいいから逃げたらいいんじゃない?」

「人質をとられているんだ、村ごと占領されているから」


ミューは話を聞き終わると・・・。


「うちらがちょこっと行って解放してきますよへへへっ」


そう言うとリュウはミューにタマとシャーにクロを乗せてものすごいスピードで飛び去った。


「大丈夫なのかな」

「聖剣4本あるしリュウもいるから大丈夫なんじゃないかな。

さてこっちはどうする」


リュウは、魔族を食べようか、とも言っていたが、どうしたものか迷っていたところ、さらに一人の魔族が歩いて来た。


「あれ、やられたか。君たちがやったのかい」


優しい雰囲気の魔族だが、アンとレイは目を見合わせて眠らせようとしたとき、二人は後ろから頭をつかまれて地面に叩きつけられた。アンはまともにくらって意識が飛んだが、かろうじてレイは意識を保っていた。


「アン!」


後ろから襲った魔族はレイを何回も地面に叩きつけて気を失わせた。


「寝込みを襲うのは失敗したが、ちっさいのを仕留めたぞ、ベルセ」

「王子、この者たちは魔法使いとヒーラーです、魔法使いはともかくヒーラーはすぐに殺さないと何をするかもわかりません」

「ああ、首を落として持って帰るぞ。我が父、魔王に見せてやろう。

『あなたが恐れていたヒーラーの首です』

ってね」


兵士の剣をひらうと王子はアンの首を落とすべく剣を振り上げた。


「ははは、これは愉快だ。こんなにもたわいの無いものだとはな」


剣を振り下ろす瞬間に王子の手から剣が腕ごとなくなった。


「ドラゴン?しかもこのサイズは見たことがない」

「さっき飛んで行った個体とは違います」





「まったく、帰りが遅いと思って見に来たらこれか。

うちの若いのが世話になってるようだな。王子様よぉ」


暗闇から光をまとったアシャが歩みよってきた。王子は腕を再生するとアシャの方をむいた。


「保護者の登場か、少しは楽しませてくれそうだな」

「安く見るなよ、お子様は相手にしないんだ。

城のサキュバスにでも慰めてもらうんだな、王子様」


ドラがベルセと王子の頭を後ろからわしづかみにすると持ち上げた。


「カッコ悪いな王子様、お友達のベルセ君もこんなののおもりは大変だろう」


アシャが王子の顔をのぞきこむと王子はアシャにケリを入れた。しかしなんの手ごたえもなく王子の脚は灰になった。


「聖なる光をおびてるんだ、お前らには手出しは出来ないよ。しかし灰になるとは王子というのはまんざらウソでも無いようだ」


アシャは光る指を王子の顔に近づけて両目を潰した。


「腕のように再生できないだろ。聖なる光で潰されたらとうぶんそのままだ。

さて、お前が私達に敬意をはらえるように恐怖を植え付けてやろう。

殺しはしないよ、ひととおりすんだらお前のお父様に送り返してやるよ」


アシャは耳と口を残して、鼻と両腕そして残った足を聖なる光で焼いた。

王子は苦痛に絶叫した。それを絶望の表情で見ていたベルセは・・・。


「お前たちは、文献にあったアシャ・ハルフォード、もっとも邪悪なヒーラー、それと

ドラ・ザ・ドラゴニア、王国を守護する現龍神、前の魔王様との戦いには出てこなかったはず、なぜ関わって来る」


「ボクは詳しいね、ただ私が少し大人になっただけだよ。

だがお利口さんなのは面倒だな、私達が天命をまっとうするまで復活できないようにしてやるよ、それから魔界で自伝にでも書くんだな」


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