シャー
「バーン バーン バーーン」
果てしなく続く草原の中、アンとレイは目を細めて遠くを見て言った。
「さすがリュウ、仕留めたね」
草原でショットガン状の杖を使って魔物狩りをしていた。
ミューも遠くを見ながら・・・
「姉さん達、うちらが見てきますヘヘヘッ」
ミューはタマを従えて走って行った。その後をアン達も走ってついていった。
「早いなぁ、さすが獣人系」
ミュー達の食糧にする肉を捕る狩りについてきたのだが、獲物の場所までたどり着くと、ぐったりした魔物はまだピクピクしていた。
「ゼエゼエ、まだ生きてるね、ゼエゼエ」
「ハアハア、癒しのエネルギー弾は魔力が弱い低位の魔物にはダメージも小さいのかな、ハアハア」
「ゼエゼエ、アンデッドとか幽体だと良いのかな、食べられないけど、ゼエゼエ」
遅れて追いついたクロがとどめをさして獲物を猫車に乗せた。
猟を終えて皆で帰る途中、猟師が近づいてきた。
「おお、いっぱい仕留めているな。
草原ウサギとなにか交換してくれないか?」
「草原ウサギ二匹と魔鹿一匹でどうです」
「おお良いぞ、ありがたい」
とれすぎた獲物を交換した。
「ありがとよ、最近悪い魔物が多いから気をつけろ」
「はい気を付けます」
と言って別れた。
「悪い魔物多いの?」
「魔物じたいが多いでんな、狩りに来るとすぐ捕まえられますわ」
「なんでだろうね、近くに強い魔物がいてこっちに逃げてきてるとか、かな」
「どないでっしゃろな、リュウはんは気配消えてるからよってきてるのか、ワイがなめられてるのかもしれまへん」
タマは上空を指差して言った。
「あそこにもおりますやん。
ほら、アシャはんが作った結界にそって飛んでるのが、あんなん初めて見ますわ」
「結界から中に入れないんだ、あれも魔物に違いない。
リュウ、撃っちゃって」
リュウは杖を構えると、バーン、と言った。
「バーンで言わないとダメなの?」
「雰囲気だけ」
少しすると鳥?はゆらゆらと降りてきた。
ミューとタマがダッシュで近づいていくと鳥?とケンカしているようだった。
「なんや、おまえか。
コイツ、ふにゃ総長の伝令ですわ。
ほんまなんで聖なる癒しで打ち落とされるんや」
「なんだ、なんだ、遠くから飛んで来てるんだ、ねぎらいの言葉も無いのか。
体の疲れがとれて、ふっ、て力が抜けたんだよ、カスが!」
「それで、ふにゃ総長はなんて?ヘヘヘッ」
「そのうち行くからニャ、です。
姉さん達には、養ってあげて欲しいんだニャ。
です」
そう言うと帰っていった。
診療所に帰ると、アシャにこのことを話した。
「ふにゃ、そのうち来るのか、やっぱ、また戦争かね。
人鳥さんは家で飯食ってけばいいのに。主食が何か知らないけど」
「石の鳥人で主食は穀物ですわ、
まだ旗持ちも行方不明なんで探しにいきましたわ」
「石にまで聖剣ってほぼ無限大に聖剣だね、これは心強い」
「アイツがつかんだ石が聖剣になるらしいですわ。攻撃は主に石をぶつけるんですけど」
「へーっ、この場合は人鳥が聖剣なのか?」
「そんなたいそうなもんではありまへん、ですが、そこが鳥人の不思議なとこでんな」
「こんだけ戦力があれば魔王に勝てるんじゃないの?どうなんだろう」
「前の魔王戦では聖剣は王様しか持ってなかったそうやから、まあ、楽勝かもしれまへんな」
「だが、魔王は実態があるようで無い零体に近いからな、より零体に近い魔物にも試していかないと・・・
と言うことで洞窟に行ってみるか。あそこは魔物が集まりやすいから定期的に癒しで洗浄してるけど、そろそろ満杯だろう」
次の日、洞窟に向かった。
「誰か来てますね」
「洞窟の奥から『ひゅん、ひゅん、シャー!』と聞こえるね。蛇かな?」
「あいたあ、これはもしかするともしかしまっせ・・・」
チェーンを振るって魔物を狩っている猫族がいた。
「フッフッフ、私のチェーンに八つ裂きにされたい奴はそこにおなおり!ハアーーーハハハッ」
「うちの旗持のシャーですわ」
「おお、特攻隊長に親衛隊長、また奇遇ですな」
「こちらの姉さん方の家でお世話になってますねん」
「そうですか、それは失礼した・・・
ではご挨拶を。
おひかえなすって」
シャーが腰を落として片手を突き出した。
皆があっけにとられていると、アンも同じように片手を前に突き出した。
こういうものかと皆も片手を前に突き出した。
「早速のおひかえ有難うござんす。
てまえ生国は帝国でござんす。
聖殿の聖水を産湯に使い、お供え物を頂戴し、
何不自由なくそだちやした。
姓はシャー、人呼んで、『チェーンのシャー』ともうします、
渡世修行中のしがなき女にござんす。
以後お見知りおかれまして、よろしくお引き回しのほど、お願いいたします」
「ご丁寧な口上有り難うござんす、こちらこそ以後よろしゅうお願い申しあげます」
アンが答えるとレイが・・・
「この子も女の子なんだ・・・でも、アンどうしたの、その口上とやらをスラスラと・・・」
「いや、なんか降りてきたわ、ハハハッ」
アシャは「もういいだろ」と言ってアンが持って来たヨーヨーと紙と錆びた剣で出来た杖を持って。
「悪しきものどもを払いたまえ、清めたまえ」
と言うと強烈な光を発し、洞穴を浄化した。




