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二度目のプロポーズ  作者: ハリー
3/8

3

学園祭の時、ギターを持ってくることが多々あった。

クラスのステージ発表で僕はギターで伴奏をする事になっていたからだ。

そんな僕を見て家庭科のその教師は

「学校はギターを持ってくる場所じゃない、お前はアーティスト気取りか、そんなんだから成績も良くないんだ」と罵った。


なぜ、僕は攻撃されているのだろう?

そんな疑問とは裏腹に「ごめんなさーい笑、気をつけまーす」と口答えをすることもなく、受け答える。

社会の歩き方を知っているからだ。


しかし、わからない。僕は悪いことをしたのだろうか?

疑問はつきないが、仕方のないことだ。

そう処理した。


そして、蜂事件。

「調子に乗って、学校の風紀を見出していることに気付かないのか!!!!」


僕と家庭科の教師

ほかに誰もいない家庭科室

竹刀をバシバシと叩きつけ、僕を罵る


僕は何故怒られているんだろう

みんなのヒーローだったはずだ

疑問は尽きないが、やはり

「ごめんなさい、調子に乗ってみんなに迷惑をかけてしまいました」と謝る


しかしその、教師は止まらない

「ギターも二度と持ってくるな、お前が風紀を乱してる、制服も着崩すな、なんだその髪は明日切ってこい、眉毛も細すぎだ、今すぐ眉毛を描け」


もう既に、蜂のことは関係なかった。


担任の教師が慌てて入ってくる。

「この子にお願いした、私の責任です、申し訳ありません」

担任は僕の代わりに謝ってくれた。


そして家庭科の教師は「あなたがそんなんだから、こういうバカがつけあがるんですよ」


すみません、すみません、すみません。

担任の教師と僕はただひたすら、謝った。

謝ることで、終わるからだ。

社会の渡り方を知っていた。

知りすぎていた。


もう


無理だったんだよ。


知りすぎてる。

ウチは貧乏だから、親が共働きだったから、ゴミ屋敷だったから、母がうつ病だから、親父が才能を認めてくれない小言親父だから、三男と毎日喧嘩するから、俺はダメなんだ。


俺は、ダメな人間なんだ。





「君にはグループのリーダーとして引っ張ってもらいたいんだ」




「…ふざけるな!!!!!」




もう、いい、もうたくさんだ。




僕は壊れた。


家を出て


学校も辞めた。


やりたいことだけやって


やりたくないことからは逃げた。


音楽も、ほとんどやらなくなった。


生活は一変していった。


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