本来の目的は本人にしかわからない
はい、ついにやってまいりました、“日常編”です。
これから段々都合上更新が遅くなってしまいますが、漫才は入れますので!(おい
日常編になり、表記が変わります。
日常編は基本、入学編や旅院編のように位置が決まっているわけではありません。
その上、S組などとの交流を交えるモノです。
なので、次回からはそのまま題が入ります!
「あ、そうそう。“橘マコト”さんってだれ?」
旅院と仲が良くなった次の日。
思い出したかのように言った紫に、岬と翠は首をかしげた。
知らないということなのだろう。
しばらく考えてから、頭を上げた紫は二人を後に残し、歩き出す。
その、S組の教室の一番前。そして、出入り口に近い席。
そこには三人の少年が座っていた。
まず、眠そうにしている少年は少しクセの入った黒茶髪に茶色の目。
メガネをかけてガり勉っぽい、茶髪に黒目の少年。
とっつきにくそうな雰囲気を漂わせる、髪はストレートで肩より短めな少年。
全員が同じくらいの身長であり、紫はその三人の前に立つ。
「ハジメマシテ、橘マコトクラス代表! 僕は紫、よろしくね!」
にっこりと持ち前の営業スマイルをかまし、紫はとっつきにくそうな少年の手を取った。
ん? と顔を紫に向けていた三人はその行動に目を見開く。
「ふふふ、橘マコトさんでしょ?」
わらって尋ねる紫に、そうだけど、という少年。
ストレートでやや長い髪を揺らして、紫を真っ直ぐに見る。
「ああ、お前もクラス代表だったんだっけ」
うん、と笑って答える紫に、眠そうな顔をしていた少年がへぇ、と呟いた。
「はじめまして、紫さん。僕は山本雪人だよ」
よろしく、と眠そうな目のまま微笑む。
「うん、よろしくー」
にこりとわらって、握手をかます。
遠くでは岬と翠が意外に普通の対応だ、と失礼なことを言っているが気にしない。
「あー、俺は谷口渉だ。シクヨロ!!」
ぐっと親指を突き出して言う彼に、紫が驚いた表情を見せた。
「? どうした?」
不思議そうに首をかしげるガリ勉そうな彼に、紫が笑って答える。
「なんでもー! ちょっと意外だっただけだよ」
ガリ勉さんかと思った、と笑う彼女に渉も笑う。
「良く言われる。ガリ勉っぽいのに変人だってさ」
ニヤニヤと笑って言う彼は、どこか変態っぽい。
けれどそれを言わないのが大人である。
「ハハッ、変態じゃなくて?」
ぶふっ、と雪人にマコトが噴出した。
あまりに素直すぎる紫は、大人の対応をしない。
「それははじめて言われたな」
ニヤニヤとしたまま、特に気にした様子もない渉。
「ワオ、それじゃあ僕が一番乗りだ」
ふわりと笑う彼女はかわいらしくて、不本意ながらもときめいた。
そうだね、と少し送れていう渉。
「アレ、今の間は何? なんか空白の間だったんですけど」
からからと笑う紫に、さぁとしらばっくれる三人。
「っていうか、僕!! ツッコミ専門じゃないからボケる! 天才的にボケるから!」
よろしくね、と爽やかに笑う紫に苦笑を三つ。
「っていうか、紫さんはマコトに話をしに来たの?」
眠そうな目をして、クセのある髪を触っている雪人が言う。
紫はん? と首をかしげて、やっぱり笑った。
「ふふ、それだけじゃないよ。雪人と渉にも、話をしにきたのさ」
ふわりとキレイに笑って、紫はその雪人の髪をなでた。
優しげな体温を持つその手のひらに、雪人は嬉しそうに目を細めた。
「ハハ、気持ちいいー?」
くすくすとわらう紫は、彼を置いていった母親の温かみを感じて。
教室では寝たことがないのに、寝息を立てて雪人は夢へと落ちていった。
「ありま、寝ちゃったよ?」
くすくすと笑って、でもそのなでている手は止めない。
渉は小さく溜息をつき、マコトは苦笑。
「んん、可愛いなぁ」
くすくすと笑って、紫は優しくその髪をなでた。
(そういえばさ、本当に何しに来たんだよ?)
(ん? いやあ、ただ交流を、と思ってね)
(流石クラス代表。そのまま全員と交流を取れよ)
(はは、君も代表じゃない?)
―――(このヒトが、紫さん……)―――
ラベンダー色の髪を持った彼女が目の前にきて最初に思ったのは、それだった。
―――(強い、ひと……だなあ)―――
冥沙さま、改めて評価・感想ありがとうございます。
ネガティブなまま家へ帰った私に、一筋の光が……! みたいな感じで感激しております。
紫「それでは皆さーん、次回に続きまーす!」




