学園の日々
僕は様々な国を回り学んで来た、その全ての事柄を臨機応変に使っていく事をしなければならないのだが、ボーディングスクールの生徒に占い師目指してるんだけど、実験台になってくれないか?なんて言えない……困ったな……
僕は中庭のベンチで寝っ転がり目をつぶって考えていた。
「おい舜!こんな所で無防備に寝るなよ!襲われても文句言えないぞ!」
「起きてるよ…考え事してたんだよ」
「おっ!東洋の姫がお目覚めか?」
五月蝿い友人の声で仕方なく起き上がり、ベンチに座り直した。
「やめろよ。その呼び名嫌なんだけど、ウィリアムの事も王子って呼ぶぞ」
「うーーそれは勘弁だが、俺たちも後一年で卒業だろ、お前のファン達は卒業前にって、危険な奴も出てくる時期なんだよ!マジで注意してくれよ。最近ミステリアスな雰囲気が、舜から漂って来るって噂になってんだよ。友人としての心配だから聞けよな」
「うん。わかったよ気をつける…けど、ウィリアムも昨日誘われてた男の子に、手は出さないでね!」
僕の能力や将来の夢を知ってるウィリアムに、彼の守護霊からの忠告を伝える事にした。
「な、なんで知ってんだよ。又見たな舜!俺の守護霊達よ~チクらないでくれよ~」
ウィリアムは空に手を振って回りをキョロキョロ見渡している……が、残念ながらそんなところには居ないよ。
「まあ良いじゃない!将来ウィリアムの運命の相手に初めては取っておきなよ。女の子はちゃんと気を付けて相手してもいいけど、男の子は駄目だよ。運命の相手の子は繊細な子なんだよ。モテモテの君を知って離れて行かれるのは嫌だろう?今我慢して、女の子だけにしておくと、どうにか繋ぎ止めておけるよ……まあ、選ぶのはウィリアムだからね。忠告だけはしておくよ」
「うーーーそんなの聞いて手を出せる訳ないだろう、可愛い子から誘われたから、あの子なら男の子でも良いかなって思ったんだよ」
「あの子はそんな可愛らしい子じゃないよ。やってる最中を隠し撮りして、アルバムに纏めてるみたいだよ。被害者多数だね……あの子も未来で考え直さないと碌な最期にはならないけどね。まあ自業自得かなっ」
「ど、どんな事が起こるんだよ!?わかるのか……でもよ、他の奴らは…大丈夫なのか?将来って言うか今、既に有名な奴なんてゴロゴロいんぞ!」
「あの子は今は平気…写真も只の記念みたいなもので、趣味で集めてるだけだよ。将来モデルやタレントになるんだけどね、付き合った相手が悪くてその相手にのめり込んで、写真渡しちゃうんだよ。で、ズルズルと悪の道へ…いってらっしゃいーだよ」
「楽しそうな話してるじゃないか?私も混ぜてくれないかな?愛しの舜」
「サミュエル……お前いつもの取り巻き達はどうした?」
「舜の所に来る為に、まくに決まってるだろウィリアム」
2人並ぶと神々しいね。ウィリアムは金髪碧眼のまさしく王子。すらっとしてる様に見えて色々鍛えてるから、筋肉モリモリで強いらしい。実家もイングランドのブライトンでも有名なホテル王の息子らしい。
サミュエルは本物のアラブの王子だって。見た目もほんのり茶髪に透き通ったグリーンの瞳、身体はガッチリ色気を垂れ流してる。見つめられたら妊娠するなんて、噂が一時的に流れてたな。いつも女も男も群がってる奴。
何故、こんなに目立つ奴等が僕の所に来るんだろう?僕は将来、正体不明の占い師になるんだよ。
楽しそうだよね。