3 unknown とスライム
二話連続投稿です!b≧∇≦)b
爆音が鳴り響く中、翔は目を覚ました。
まだ冴えない目で爆音が鳴る方を見ると、窓の外に広がった光景に驚き、唾液を飲み込んだ。黒炎が森を焼き、時々現れる黒い光線が地面を抉り、山を切り裂き、爆発する。数秒の内に繰り返されるその光景の中に激しくヒットアンドアウェイを繰り返すスライムがいた。その先にいるのはおそらく敵であろう黒が主体のドラゴンらしきものがいた。
そのドラゴンの周りには黒い光が散っていた。地面には収束された黒い光があり、爆発した。様々な場所で爆発していた。どうやら落ちた黒い光が収束して一定以上になると爆発する仕組みのようだ。
スライムは収束された黒い光を避けて体当たりをした。ドラゴンは後ろに吹き飛ばされそうになるが力の流れを変えて、半回転して尻尾でカウンターを繰り出した。スライムが吹き飛ばされた。運悪く、吹き飛ばされた先に収束された黒い光の密集地帯に落ち爆発を食らった。
「スライム!」
翔はいつの間にか駆け出していた。やがて巻き起こっていた砂煙は晴れ、動こうとして動けないスライムが見える。駆け寄ってくる翔を見てスライムは叫んだ。
「よせ!こっちに来るな!」
その言葉は既に遅かった。翔は後ろからの黒い光線に貫かれていた。だが、そこには無くてはならない穴は無かった。ハッタリかと疑ったが、そんな考えは甘かった。体内で起爆したのだ。口から血反吐を吐き出す。
あまりの出来事だったので翔は思考を止める。
ドラゴンの前に立ち、あまつさえ生きていることすら許されるはずも無い。下等生物如きがと言わんばかりに翔の両腕を吹き飛ばした。その反動で翔も吹き飛ばされる。地面に這い蹲りこれ以上何もできない。ようやく意識が戻り再び思考する。
(俺は死ぬのか?)
視線の先では動けなかった筈のスライムが戦っている。
(嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない)
そう考えると体に激痛が走る。痛すぎて意識が飛びそうになる中、視界に日本語の文字列が見える。
『安全装置を起動しますか』
掠れた声で答えを返す。
「.......は.............い......」
『一度しか行えませんが宜しいでしょうか?』
生き残れるなら何でもいいと強く願った。
青い光が目を覆った。あまりのまぶしさに目を瞑ることしか出来なっかた。
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目を開ける。初めは良く見えなかったが段々見えるようになる。
そこに会ったのは先ほどとは変わらぬ光景があった。爆発が起こり、光線を乱射しているドラゴンがあった。
否。一つだけ違うものがあった。ドラゴンの上に〈unknown〉と書かれた文字と緑のバーが表示されていた。緑のバーが4/1減っていた。普通に考えれば取り乱してもいいのに冷静だった。いや、冷静だったことに驚いてはいたが。
さてどうしたものかと考える。
結果、何も分からなかった。
けれど、何をすればいいか頭では分からなかったが体が知っている。
翔はドラゴン向かって走り出した。光の塊を避け、迫る光線を避け、ドラゴンの近くまで走った。あの黒い何かをどうすればいいかはもう検討はついている。後は実行するだけ。
ドラゴンが尻尾を使って攻撃を仕掛けてきた。
跳躍し、尻尾を足場として蹴ることでさらに加速する。ドラゴンの心臓部辺りに触れ告げる。
「命名【邪の衣】俺の力となれ」
【邪の衣】は消え、残ったのは俺と白いドラゴンだけ。
力が湧いてくるようだ............と言うよりも睡魔の方が強かった。翔は木にもたれかかりそのまま眠った。
「おやすみ」
どうやらMP切れのようだ。
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