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スライム使いの異世界攻略   作者: 比瀬《ひせ》雄《ゆう》
2/3

2 転移のちスライム

「・・・・・お・・・おい・・・・・おき・・・・・・起きろ、起きろ」

「んぁ?」


 あくびをし、目を擦った。洗面所に行こうと机に手を伸ばす。が、そこにはいつも感じる木の硬い感触ではなく、ぷにゅっと生暖かいものを触った。その感触に覚えが無くて何回も揉んだ。揉んでいたものがプルプルと震えだしたと思うと、硬いものが飛んできた。忘れる筈もない、いじめられた時に何度も食らった拳だ。すぐさま声をあげ反抗する。


「いってーな!」

「人の体揉んどいてそれはないだろう」


 声のする方を見るとそこには青い液体…というよりも物体がいた。翔はそのまま見たままのことを口にした。


「小さいな」

「うるせぇ」


 青い物体の拳が翔の腹ににクリティカルヒットした。苦悶の声を上げる。腹を押さえたまま座り込む。しかし、これで終わらない。もう3発殴られた。


「なんで殴るんだよ!」

「これからなんか言われるたびに殴るのがめんどくさくなったから」

「なんて横暴な!」

「子供がギャーギャーうるせぇんだよ」


 子供と言われ自分はそんなに小さくはないと思った。しかしさっきからいつもと見る景色がいつもよりも低いと思っていた。疑問を浮かべる。まさかなと思いつつ自分の手を見た。とても小さい物だった。少しむっくりとした手から察するに5から7歳ほどだろう。

 正直な感想としてはラッキーだ。生きる時が長くなったのだから。


「それはそうとここは何処だ」


 青い物体は呆れたように溜息を吐た。


「それが恩人にする態度かよ」


 間を空けず言い返す。


「お前、人じゃないだろ」


 そうだっと言わんばかりにうっと唸る。


「そ、そんなこたぁ、どうでもいいんだよ。それにしてもびっくりしたぜ。ふらふら歩いてきたと思ったらぶっ倒れて。慌てて近寄ったら子供で。しかも第一声が「食べ物を食わしてくれ」だぞ。さすがに驚くわ」

「それで?どうしたらそれが恩人になるんだ?」

「希望通りに飯持ってきたら一心不乱に食べ出して3日分の食料その腹に収めちまった」

「そうか。ありがとう」


 素直に感謝の言葉を並べた。青い物体は少し頬を赤らめた。……いや、青いから赤らめたのかどうか定かではない。


「聞き忘れていたんだが。お前、名前は?」

「名前は無い。いや、人間たちからは最弱のスライムや、経験値の塊などと呼ばれていたが」


 スライム信者としてここは喜ぶべきなのだろうが素直に喜べない。暗い雰囲気を出していたがスライムが表情?を変えた。


「こっちが名乗ったんだからそっちも名乗れ」

「音羽翔」

「翔、宜しくな」

 

  お互いに挨拶を済ましたところで先ほどから気になっていたこと口にする。


「にしてもここほんとゴミ屋敷だな」


 常に埃が舞っていて、ガラスが埃で黒くなりろくに日もささない。皮が散乱していて、腐臭が漂う。今にもあの忌々しいカサカサ動く黒い物体(ゴキブリ)が出てきそうだ。

  翔が引きこもり始めた頃。寝ている時に顔面に黒い物体(ゴキブリ)が落ちてきたことがあった。あれはトラウマと化してしまった。それ以来、部屋は常に綺麗にしている。

 特に気にした様子もないスライムは。


「そういえばここ三年くらい掃除してなかったな」


 そんなスライムだったが翔は腹をたてることも無く長袖の裾を捲り上げて。


「いっちょやるか」


 掃除を開始する。

 数時間後。

 すでに外は茜色に染まっていた。一通り終えた翔は大きく息を吐き額の汗を拭う。


(とりあえず掃除をしてみたけれど、この世界について何も知らないんだな。分かっていることなんて精々、スライムが居て、ここは日本じゃないことぐらいしかない。スライムがいるって時点でおかしいと思うのだけれど、やはり、何も知らない。何もわからない)


 と言うわけで


「ここは何処なんだ?」

「家だけどそれがどうした」


 翔は怒りで肩を震わせ天に向かって叫ぶ。


「俺が聞きたいのはそうゆう事じゃねー!」

「うるせぇ」

「ぐはっ」


 間髪入れずに殴られた。そして翔はノックダウン。痛みに耐えながら立ち上がった翔に向かってスライムが告げる。


「もう遅いから寝ろ」


 やはりスライム(こいつ)は横暴だ。しかし、外を見ると先程までは暖かな明るさを放っていた空が静寂に包まれ、星の輝く夜空へと変わっていた。

 自分が寝ていたベットに行き目を瞑る。

 少し間が空き夢の世界に旅立とうとしていた翔に衝撃が走った。


「ぐっ」


 思わぬ出来事に苦しみに満ちた声を漏らす。視線を向けるとスライムが居た。


「そこはお前の寝床じゃねー!」


 強烈な痛みによりしばらく眠れそうにない。

 痛みが消える頃に大きな寝息を立てたスライムがいたそうで。


 それからというもの毎日掃除をして、洗濯(主に自分の)をして、料理をして、時に木を切りに行って薪の補充をした。正直なところめんどくさくはあった。が、こなしている内に慣れてしまった。暇してもゲームは無い、インターネットも繋がらない、ましてや本なんて数冊、3日で読み終えてしまった。元々好奇心旺盛な子供であった翔はいろんな事に挑戦(チャレンジ)し始めた。釣りに、弓に、剣に、槍に、鎌に、斧に、短剣に、農作業に、彫刻に、裁縫に、文字の習得に、山で兎と鬼ごっこに、動物とに会話(なんか出来た)、乗馬、調合、鍛冶、したい事の箇条書きその他諸々出来るようになっていた(ほとんど見様見真似であったが)。さすがにの自分も驚いた。


 元の世界よりも楽しくて楽しくて楽しくて楽しくて仕方がなかった。


 スライムと楽しく過ごししている日々が続いて、これからもずっとこうなんだと思っていた。



 そう思った翌日にはぶち壊された。


読んでいただきありがとうございます。

あまり沢山投稿できるかはわかりませんが精一杯させていただきます。

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