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3.プレイ時間10000という壁


この章ではゲームとプレイ時間についての簡単な紹介をしたい。


オンラインゲームがまだなかった時代、ファミコン・スーパーファミコンのRPGのクリアまでに必要な時間はだいたい20~40時間程度だった。

これは当時のゲームには常に付きまとった容量との戦いも関係している。ゲームを決められたサイズに収めなければならないため、やりこみ要素やサブイベントのあるゲームはなかなか作りにくかった。開発中に泣く泣く削られたシナリオや町・村などは枚挙にいとまがない。

ドラクエ3でもスイス風の村が登場する予定だったが、容量の都合でまるまる削られてしまった。(専用のBGMも用意されていた。)

堀井雄二さんが過去の作品ついて語ったところによると、ドラクエ2は30時間強でだいたいクリアできるボリュームだと想定していた。

そのため、ドラクエの発売日に購入、それから寝ずに数日プレイして一気にクリアという熱心なプレイヤーも多かった。

逆に言うと数日休みを取って頑張ればクリアできてしまう分量だともいえた。


容量との戦いから解放されたプレイステーション以降は、ゲームに入る情報量に比例してプレイ時間が伸びる傾向にある。

有名なのがプレステ版のドラクエ7だろう。攻略情報を見ずにクリアすると100時間を超えることもざらだった。

最近では、ゲームのメインストーリーに加えてサブクエストやアイテムコンプリートなどのやり込み要素を増やしたRPGも多い。

しかしそれでも100時間もプレイすれば、ほぼ全ての要素がクリアできるように作られている。


しかしながら、ゲームのプレイ時間という概念はオンラインゲームの登場で劇的に変化した。

オンラインゲームの特性として


・なかなかレベルが上がりにくい

・ゲーム内のお金が貯まりにくい

・強い武器防具を手に入れるための難易度が桁違い

・他人とのコミュニケーションが必要になることがある

・強敵を一人で倒すことが難しい

・ゲーム内での待ち合わせや他人の協力を得るための準備時間が必要

・1日1回、1月1回美味しい報酬がもらえる日課、月課クエストで定期的なログインが必要


そして何より

・ストーリーが定期的に追加されるので本当の意味でのエンディングがない


といった様々な要素が絡み合い、プレイ時間は膨れ上がっていく。

そのため1つのオンラインゲームを何年もプレイしている人は大変多い。

ドラクエ10も発売からそろそろ丸4年になろうとしているが、発売当時から継続的にプレイしている人もかなりの割合で存在する。

また、ネットゲームの先輩ともいえるFF11に至っては、来年(2017年)に発売15周年を迎える。中学生の頃に始めた現役FF11プレイヤーは、人生の半分以上の期間を同じゲームで遊んでいるということになるわけだ。






話をリオさんに戻すが、彼女がドラクエ10を始めた2012年クリスマスから取材日である2016年5月21日までの日数は1244日間。

そして取材日までのリオさんのドラクエ10累計プレイ時間は10300時間。


1日あたりに換算すると約8時間16分。


恐ろしい数字が出てきた。

きっちり8時間勤務の仕事を1244連勤したとしても、まだ350時間足りない。

そもそも1244日を時間に直すと29856時間である。

その中での10300時間。睡眠を含めた1日の三分の1以上をドラクエに費やしていることになる。

しかもゲーム以外にも便利ツールを操作したり、攻略サイト・ブログ巡回をすることがあるので、ドラクエ10に関わる時間はさらに伸びる。

ちなみにドラクエ10のシステム上、放置してのプレイ時間上乗せは難しい。一時間以上無操作が続くと注意画面が出て一旦ゲームを中断されてしまう。

(ネットゲームタイトルによっては数十時間放置してもゲーム内に居続けられることも可能。)

そのためドラクエ10に関してはプレイ時間≒実際のプレイ時間となる。

3年半で1万時間がいかに大変なものか、わかってもらえるだろう。


これは余談であり私の持論になるが、社会人(正社員かつ自営業を除く人)の場合ドラクエ10のプレイ時間は1日あたり3時間が限界だと思う。

24時間から睡眠時間、勤務時間、通勤時間を引いた残りから3時間を捻出するのは社会人プレイヤーにとってなかなか難しい。

それ以上のプレイ時間は、いろいろとリアルな部分を犠牲にしなくてはいけなくなってくる。

つまり年間1100時間以上プレイする社会人は、かなりの無理をしていることになる。睡眠時間を削ってプレイをしている人は立派なドラクエ10廃人だといえるだろう。

もっとわかりやすい目安として、1か月100時間以上ドラクエをするプレイヤーはかなり危険な状態にあるといえよう。既婚・子持ちの社会人はさらにハードルが上がるのは言うまでもない。


それでは次の章からは改めて1万時間という壁を乗り越えるまでのリオさんの軌跡を追うことにする。



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