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チョビの冒険  作者: M38
5/7

5話

「ミーノでーす! おまえらちょっと待ったー! この男の命が惜しくはないのかー!」


 ミーノタロウの腕には、ガッチリと王子が抱えられていた!


「ワアアアア! チョビ! ファンス! 助けてええええ!」


 ミーノタロウが、王子の首に金の斧の刃を向けた!


「武器を捨てろ! 早く!」

「クソオオッ!」


 

 ガッシャアアアアンッ!



 ケンシロウが石の床に両刃の斧を捨てた。重い武器の音が丸天井に跳ね返り、オーケストラのようにあたりに轟き渡った。


 皆が一瞬、チュウチョした。


「今だ! ちょびー!」


 その隙を突き、チョビが『煙球』を投げた!


「さすがだチョビ! やったぞ!」


 真っ白に煙る視界のなか、王子が叫ぶ!


「ブハッ! ブハッ! 王子! チョビ! どこにいる!」


 ファンスがバタバタと手を振り、煙を掻き分ける!



――やっと見えてきた視界の先には。



「ふえ~ん! なんでこーなったちょびー!」


 今度は、チョビがミーノタロウに捕まってしまった!


「チョビ! 大人しくしていろよ! 今、セバスチャンに電話をするから! ……って圏外か……メールもだめ……ごめん。ちょっと時間かかるかも……。城に戻ったらダナンに討伐隊を……予算出るかな? チョビの師匠に掛け合って……」

「この期に及んでその発言……王子の最低野郎めちょび!」


 チョビが手足をバタバタさせて暴れても、頑強なミーノタロウはビクともしなかった!


「くっそう! チョビを離せ! 卑怯者!」


 ファンスがくやしそうな顔でミーノタロウを睨みつけている。今日、知り合ったばかりなのに、なんてイイ人なんだ! チョビはこれからはこの人を師匠にしようかと考えはじめていた。


 そのとき! 一陣の風が吹いた! 



 パカッ! パカッ!


 

 馬のヒヅメの音が!



 パッカアアアアーッン!



「ギャアアアア! 助けてくれええええー!」

 

 ケンシロウがミーノタロウのうしろへ回り込み、馬の足でヤツを蹴り上げた!

 

 チョビと金の斧を手放して、ミーノタロウが吹っ飛んでいく!

 

「こいつめええええ!」


 ファンスがすかさず、紐で縛り上げた!


「ふいいいい。たすかったちょびい! ケンちゃん、どうもありがとうございました!」

「おう! チョビ、大丈夫だったかい? さあ、ニセミーノタロウ! 顔を見せろ!」

「え? ニセモノ? そうか! ミーノタロウはケンちゃんが退治してくれたんだった! ってことは……こいつがウワサのブルータスか!」


「え? こいつが? おれたちの追って来た盗賊か! よし! おれさまが仮面を剥いでやるぞ!」


 ファンスが牛の顔に手を掛けた! だが、面がはずれない!


「な、なんだこりゃ? 顔と面が、一体化してるぞ!」

「た、助けてください! 取れない!」


 ブルータスが慌て出した。どうやら、本当に面が取れないみたいだ。


「そのお面はどうしたんだ? ちょび?」

「金の斧と一緒に壁に掛かっていたんだ!」


「もしかして……」

「ケンちゃん? 何かわかるのかちょび?」

「その面には、殺されたミーノタロウの魂が宿ってしまったのかもしれない……」

「そうかちょび……呪いの面かちょび……」


「ちょうどいいじゃん! そのまま父上のところに引っ立てて行こう!」


 王子が提案してきた。


「そうだなちょび。別にこのままでも問題ないちょび。あっ! ブルータス! 赤い鍵と地図を返すんだちょび!」

「ポケットにあるから勝手に取れ!」


 この期に及んでも、ブルータスはえばっている。悪いヤツだちょび!


 ファンスがブルータスのポケットから赤い鍵と地図を取り返した。

 やった! これでお城に還れる!


「おや……チョビ。地図によると、この床下に、地上へ出られる地下道への入り口があると描いてありますぞ。さっそく、開けてみましょう!」

「本当かちょび! 助かったちょびー!」

 

 地図によると、金の斧が掛かっていた壁の真正面の柱を右に回すと、床の隠し扉が開くらしい。ラッキー!


「それでは、回しますよ」


 ファンスが1本の柱を回しはじめた。



 ガララララ、ララララ!



 なんと! 石の床がスライドして、床下に階段が現れたのだ!


「ヤッター! 百年ぶりに、地上に出られるぞー! おれが先頭を行こう!」


 ケンシロウが、真っ先に階段を降りて行った!

 地下通路は、馬人間でも通れるほどの高さと幅があった。チョビたちもたいまつを手に、あとに続いた。

 石畳で出来た通路を十分ほど進むと上りの階段があり、その先に鍵のかかった扉があった。


「鍵がかかっている!」

「ケンちゃん、大丈夫だちょび! ここに赤い鍵があるちょび! 今、開けます!」


 

 ガッシャーアアアアンッ!


 

 重苦しい音をさせながら、鉄の扉が開いた!



「まぶしいだちょびー! それにしても……お腹が空いた……」

「なんと……百年ぶりの太陽だ! まぶしい……目がつぶれそうだ」

「よかった……ノリでここまで来ちゃったけど、生きててよかった……。団長に特別ボーナス出してもらおうっと」

「ふー。よかった。早く城に帰ってシャワー浴びたい」

「チッ! また牢獄に逆戻りか……それにしてもこの面……一生、牛人間なんてシャレになんない」


 まぶしい太陽の下、チョビたち一行はなんとか迷宮からの脱出に成功した!

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