一葉と家族 2
「ただいま~」
僕は大きな声で言った。
「カズちゃんお帰り~」
そう言って飛んできたのは、妹の双葉。
「カズ兄おかえり」
そしてゆっくりと歩いて寄ってきたのは、双葉と双子の光葉。
うちの可愛いお姫様達だ。
「カズちゃん、ご飯出来てるよ~双葉がよそったげる~」
「うん、ありがとな」
双葉は僕の腕にしがみついて、歩きづらいがいつもの事なので慣れたものだ。光葉は僕の少し後ろをゆっくりと付いて来る、意外に控えめな方だけどおとなしいとゆう訳ではない。
リビングに入ると、母さんがもう座ってご飯を食べていた。
「あら…おかえり」
ご飯を口にしながら母さんが言った。それに気付いて奥の方でお茶をすすっていた婆ちゃんが、顔をあげた。
「あらあら、かずちゃん帰ったの、おかえりなさいな」
そう言いながら出迎えてくれる。
「はい!カズちゃんご飯!」
そう言って、双葉が茶碗を渡してくれた。光葉はもう既に座ってご飯を食べ始めていた。
「双葉ありがと、双葉も食べな」
双葉は頷いて、光葉の隣の席に着いて、ご飯を食べ始める。
うちには親父がいない。
双子が生まれた頃に、交通事故で亡くなった。
爺ちゃんは僕が産まれるかなり前に亡くなっている、この家で男は僕だけ。
だからか家族に対して責任感みたいな物を、小さな頃から感じている。母さんは呑気な人だし、婆ちゃんも結構マイペースだし、しっかりしてるのは、双子の光葉くらいなものだ。