方向確定の小学編 前編
急ぎで書き上げたので文の繋がりがテキトウ!!!乱雑!!!支離滅裂です!注意!!!
家からわりと近めの普通の小学校。日当たりも良いし、交通の便もいい。プールがあるのはいけすかないけど、ウサギを飼っているのもいいと思う。朝顔を育てるのもすき。金魚とか、コウロギとか生き物教室があったり、もちろん音楽室とか図書室とかあるのも良い感じ。みんながいるホールには温かな日差しが差し込んで気持ち良いし、賑やかな声も嫌いじゃない。けど───…
「なあ、一緒に鉄棒んと行こうぜ」
「ね、ねね!生物室に蛇来たんだって!見に行こ!!」
「こっちに四葉たくさんあるんだ。一緒にさがそ?」
「トランプ大会、するんだって。行かない?」
成長しないね!きみたち!!
お姉さんびっくり!一緒の小学校なのね。入学式びっくりしたよ。まあ、卒園式のとき全然寂しそうじゃないなとは思ってたけど…。
嬉しくないわけじゃない。嬉しいよ。でもね、
「委員会あるの、四人で遊んで?」
お姉さんにも仕事というものがあるのです!ふふん!もう暇人じゃないぞ。私には仕事があるのだ。
保育園はなんていうか箱庭だった。閉鎖された空間で、差し出されるものをひたすらこなす感覚。園児は大体感情のままに動くけど、その行動範囲はちゃんと見張られていて、自由がない。
それに比べて小学校は違うのだ。学校なのだ!けして共働きの両親が昼間世話を見る人がいないから預ける場所とは違って、自らが動いて楽しんで学ぶ場所なのだ。活動区域も大幅に増えた。私にも自由に外へ出ていい権利が与えられたのだ。あー、たのしい。委員会にクラブ活動!地元のボランティア活動までやっちゃう。人生満喫なう!
外へ出る機会が増えたのでよく新藤くんや宮崎さんと公園に行ったりもしている。葉月くんと美作さんも誘って駄菓子屋とか行っちゃったりもする。
習い事で剣道、ピアノ、そろばん、習字、英会話をやっているがそれとは別に学習時間をつくった。保育園ではいらなかったところだ。今は小学校の基本教科を一通りやっている。スポンジが水を吸収するようにするすると頭に入ってくるのが楽しくて家にいるときは大抵机に向かっている。あと趣味で絵画を始めた。水彩画だ。画材はお年玉をこつこつ貯めて買った。センスとか将来結構役にたつだろう。ふむ。
「一緒にプール行こう!!」
月曜から習い事行ったり、趣味の絵を地道に完成させたりしながら訪れた金曜日。そんなことを唐突に言われた金曜日である。海の日目前だもんね。涼しくなりたいもんね。でもお話しするのは宿題中終わってからでもいい?なんて。いつもこんな素っ気なくいるから、あんなことが起きたのかも知れない。
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「新藤くん、葉月くん。波のプール、波出てきたよ。行かなくていいの?」
「ああ、べつに興味ないし」
「かき氷売ってるね、一緒に食べる?」
宮崎さんは偶然、身体を悪くしていた祖母の退院日。美作さんは突然の夏風邪。
つまり3人で来たのだが。べつに来なくてもよかったけど、偶然新藤くんが持っていたプール入場割引券の期限が今日までだったのでもったいないし…ということで来てみた。二人といるのは苦痛じゃないしね。たのしい。
「じゃあ、私が行きたいからみんなで波のところいこ。そのあとかき氷ね!」
私はふわりと揺れる水着のスカートを翻しながら駆けた。
お土産にはプール限定星形ボトルのかわいいキーホルダーを購入した。中に入っている液体の色が違うおそろいだ。新藤くんは赤色、葉月くんは黄色、宮崎さんはオレンジ、美作さんは紫、私のは透明だ。透明の液体は太陽に透かすと虹色に光る仕組みになっている。かわいい。
プールのあとに1度家に帰ってから美作さんのお家に桃ゼリーとおみやげ片手に訪れてみた。突撃だったので追い出されないかな、と思っていたがその可愛らしい風貌のおうちは私を受け入れてくれたのでひょっこりお邪魔した。
「風邪、大丈夫?」
「桃のゼリー作ってきたよ、食べてね」
「桃嫌いじゃない?」
「あ、寝てた方がいいんじゃない?手を握っていてあげるからね」
「冷えピタ変えようか?」
私のウザさは普段の5割増しである。はやく元気になってね。ちなみに風邪のときの美作さんはいつもの3割増しで無口となる。
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「今度、一緒に遊ぼう」
小学校5年生くらいのとき、ずいぶんと真剣な顔をした葉月くんにそんなことを言われた。ん?いっつも一緒にあそんでるじゃないか。
「いいよ?」
首を傾げながら、いつ遊ぶ?と聞いてみた。
「明日、昼休みに金魚のプール前集合ね」
にっこり笑って、私の真似をするようにこてんと首をかしげられる。さらりと揺れた髪の毛は太陽の光をいっぱいに閉じ込めた色をしていて、ほんとうにキレイだった。
最近、新藤くんが私に対してだけ反抗期だ。ちょっとはやくないかと思うけど、まあ仕方ないこと。みんなが経験することだ。私に対してってところがなんだけど…。
さらに最近、宮崎さんが外で遊ばなくなってきた。うーん、物心がついてきたの、かな?あと乙女心ってやつか。
そしてさらに最近、美作さんが私に話しかけてくれなくなった。これは大問題じゃないか?私のオアシスよ。ふつうに寂しくてこまる。ねえ、なんで?
で、葉月くんなんだけど、
「これ、どうかな?君に似合うと思うんだけど」
とかいって、すみれの花束を持ってきたりする。
甘い!!みんなが私に冷たいぶん、その隙間を埋めるように甘ったるい。花束とか前から持ってきたりしてたけど、それに王子さま然とした微笑みがプラスされ、ちょっとしたスキンシップも増えた。
それで、昼休みに金魚のプール前にいったんだ。ちょっと嫌な予感がした。
「気づいているとは思ってなかったけどね」
「うん?」
「僕は君に恋をしてしまったんだ」
すみれの花言葉は「小さな愛」「小さな幸せ」「あどけない恋」「無邪気な恋」である。