表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/39

北の森1

うーん、考えてたら合間があいたけど、導入だけになってもうたなぁ。

とある農村の一軒家。

農業を主に行っており、エルミアラーザの街の食の一端を担う大きな村の中で、郊外に建てられている家から事は始まる。


「あれはなんでしょーかね?

 お父さん判ります?」

「まだわからんのー。

 もうちょっと待つか、お母さんや。」

農家の夫婦であろう二人が森の様子を訝しげに見ている。


村の農地から先は森になっており、そこには魔物が多く潜んでいる。

滅多に出てくる事はないのだが、年に二、三匹出てくる事があり、そのときには大抵冒険者等が退治している。


-ざわざわ-

-ざくざく-

-がさがさ-


しかし、今回は数多くきているようだ。

いくつもの音が無作為に重なりあい、自らの存在を隠す事無く森から出てこようとしている様子が伺える。

隠す様子もなく、群れて来ている時点で、森の獣ではありえない。

彼等は、動物同士、時には人等を騙して隠れ潜み襲い逃げる。


ようやく森から出てきたのは、真っ黒な色をした子供程度の背丈の、しかし子供ではありえない存在。

所謂、人型の魔物と呼ばれる存在だ。


「ああ、なるほどな。

 アンデット・ゴブリンですねー。

 どうしましょうか、お父さん?」

「そうだなー、ちょっと数が多いが肥料にしてしまうか。」


-1時間後-

アンデット・ゴブリンとよばれた魔物は原型を無くし、断片も無くし、分解され、土に変えられて文字通り肥料となってしまった。


「ふー。

 しかし、これはちょっと様子を見に行きたいが、依頼するか?」

「北の森の薬草ババーですね。

 確かにここ三ヶ月程みないですし、そうしましょうかー。」

「では、娘のルーシーに依頼を頼んでおくから、しばらくは警報をかけておくかー。

 後は、村長には話しておかんとな。」

どうやら、この夫婦はルーシーの両親らしく、小屋に戻ると電話のような魔道具を使ってルーシーに伝言が送られた。


---

~~~

"北の森の魔女の調査"

依頼者 マイン・スフレ&ホール・スフレ

難易度 易

対象 北の森に住む魔女

内容 北の森に住む魔女の様子を見てきて欲しい。

   最近、森にアンデット・モンスターも出てきたので、無事を確認して

   問題がなければ村につれてきて欲しい

期間 二週間

報酬 精製した砂糖一ヶ月分

~~~

「よしー。

 これで、おとーちゃん、おかーちゃんの言伝かんりょー。」

ルーシーは満足気に貼られた依頼書をみている。


「こんにちわ、今回もよろしくお願いします。」

「ちーっす。」

「・・・・・・。」

ライト、レーベン、レイブの3人が一緒に入ってくるが、鍛錬でもしていたのか汗だくになっている。


「ちょっと待ってください、浄化クリアしますので。

 ギルド内とはいえ、飲食も扱っているのですよ、毎度毎度言わせないで下さい!」


「わかったよ、アルナ」

「は~いはい。」

「ワンワン!」

「・・・すまん。」

3人と一匹は反省して、おとなしくアルナに浄化クリアの魔法をかけてもらう。

飲食物を扱うという事を考えると犬はと思うが、ここではまだそこまで衛生的な観念は無い。


「さてと、それでは僕等が受けられそうな依頼・・・・・・。

 ルーシーこれって君の?」

ライトが依頼者の名前を見て、すぐにルーシーに声をかける。


「そーですよー。

 けど、止めといたほうがー懸命ですねー。

 色々ひねくれた人たちだからー。」

確かに、アンデット・モンスターをあっさり打ち負かしてしまう辺り、自分達で行ったほうが早いだろう。

しかし、依頼を受ける側はそんな事は知る由もない。

それと報酬である砂糖、農家だから現物支給というのはあるのだが、砂糖というのは珍しい。

砂糖は嗜好品で高価ではあるが、手に入らないことは無い。

それゆえに、金に換えるのは難しくない。

距離があるとはいえ、暫く待ってもらえば、お金で払う事もできるのだ。

そこを敢えて、砂糖一か月分とするあたり、何かあるということだろう。


「けど、北の森の魔女様というのは、よく薬草を卸していただいてる方なのでは?

 それなら、教会の人間としても気になるのですが。」

流石に一人に供給元をゆだねてるわけではないのだが、こういう対応を教会側がすると内外に対して受けがよく、積極的に関係する依頼を受けるように神官兼冒険者の人間は言われている。


「それじゃ、ルーシーの里帰りの意味もあわせて、依頼を受けよう。」

ライトの言葉に、流石にルーシーもおとなしく首肯するのをみて、依頼書を受ける旨を受付に伝える。


「それじゃー、さっさとやりましょー。

 空間転移テレポート×6」

ルーシーの魔法で、エルミアラーザの北、北の森に面した農村ノーザに到着する。

ルーシーの両親は、とても強い魔法使いの夫婦です。

けど、先人として後進を育てる為にもこういった依頼をだします。

それだけで終わらせる人ではないので、色々やっかいなのです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ