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93/2024

聖夜の更新2012 シャンパン

「去年のクリスマスって何してました?」


「うーん、よく覚えてないな。とりあえず一人だった気がする。君は?」


「私も一人でした。ですから、今一人でクリスマスを過ごしてる人も、希望を捨ててはいけないんです」


「それを僕らが言ったところで何の説得力もない気がする。なぜかはわからないけど」


「でもクリスマスを一人で過ごしてる人って、そんなに少なくないと思いますよ? 普通にお店で働いてる人だっているわけですし」


「稼ぎ時だからね。ケーキ屋もオモチャ屋も外食産業も大忙しだ」


「ホテルも」


「そうだね。わざわざ付け足さなくていいよ」


「みんな一人です。人間は所詮孤独なんです。今付き合ってる恋人たちはそれに気づいていないだけ……」


「いきなり厭世的になるな。なんかとり憑いてるみたいで怖いから」


「一人だって脳内恋人を作ればいくらでもクリスマスを楽しめます……。むしろそのほうが楽しいじゃないですか」


「君もう寝たほうがいいんじゃないか? だいぶ疲れてるだろ」


「いえ、三時までやると言った以上、私は寝ません。あなたが一緒に寝てくれるなら別ですが」


「……そういえばシャンパン買ったきり開けてなかったな。飲む?」


「いいですね。二人で飲酒するのって、そういえば初めてです。あなたはお酒強いんですか?」


「あんまり飲む機会もないから把握してないけど、あんまり強くないと思う」


「じゃあ記憶が無くなるほど飲みましょう。目が覚めたら二人で抱き合って寝てた、くらいの勢いで」


「大人として節度は守ろうね」


「詮開けてみたいです」


「できるの? じゃあ蛍光灯とか割らないように気をつけて」


「掛け声はどうしましょう? やっぱり『リア充爆発しろ』?」


「ただの嫌味だそれは。なんでもいいから早く開けて」


「レッドアウトゴールデンマキシマムバーニング!」


「なんだその掛け声。いい音したけどさ」


「それじゃカンパーイ!」


「乾杯っておい、そんなに一気に飲むなよ。こんな日に救急車なんて呼びたくないぞ」


「もし酔っぱらってあなたに襲いかかっても許してください。私の意思じゃないので」


「こんな日に警察なんて呼びたくないぞ」

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