聖夜の更新2012 プレゼント交換
「お楽しみのプレゼント交換の時間がやって参りました。各自、プレゼントの用意はオッケーですか?」
「各自って、二人しかいないよ」
「それじゃ音楽を流している間にプレゼントを回しますからね」
「二人ババ抜きより無意味だな」
「こういうのは雰囲気が大事なんですよ。では音楽スタート!」
「『きよしこの夜』ってどういう選曲だ。確かにクリスマスソングだけど交換するのにテンポ遅すぎるだろ」
「ストップ! おお、ちょうど交換できましたね。一回で終わって良かったです」
「究極のご都合主義を見た気がする。……さて、それっぽい箱に入ってるけど、なんだろうな」
「結構奮発しましたからね。喜んでもらえるといいんですが」
「ホントだ、二つも入ってる。僕ももっと高いもの買えばよかったかも……って、なにこれ?」
「オモチャです」
「大人のがつくやつだろ。……僕にこれを使えと?」
「ありゃ、嬉しくないですか? 喜んでもらえると思ったんですが……悦ぶのは私ですけどねっ」
「やかましいわ! なんだその赤面ウインク! プレゼントでここまで目が点になったのは初めてだよ!」
「まだ別のほうもあるでしょう?」
「もう嫌な予感しか……精力剤かよ! 期待を裏切らないにも程があるよ!」
「さあ、早速飲んでみてください」
「誰が飲むか。君はプレゼント開けないの?」
「おっとそうでした。わくわくですね。一体どんな婚約指輪が出てくるのやら」
「開ける前に中身を決めるな。そんな高価なもの出てくるわけないだろ」
「え、それじゃ婚約バッグ? 婚約ハイヒール? はたまた婚約マフラー?」
「婚約がつけばなんでもいいのか。結婚は興味ないみたいなこと言ってたくせに」
「だって結婚しないと今以上に発展しそうにないじゃないですか。っと、じゃじゃーん! わ、エプロン。なるほどこれで裸エプロンをやれと」
「君と一緒にするな。最近少し料理が上手くなってきたから、それでもっと練習してくれたら嬉しい」
「ん、エプロンのポケットに何か紙のようなものが。これはまさか……! 値札」
「ああ、捨てるの忘れてた」
「ちょ、ここはポケットに結婚届けが入ってて、感動した私があなたに抱きつき二人で寝室へって展開でしょうが!」
「なんでキレるんだよ。ドラマの見すぎだ」
「早速プレゼントを使ってみるって展開でしょうが!」
「僕をそんな低俗なシナリオに巻き込まないでくれ」
「というか彼女へのクリスマスプレゼントにエプロンっていうのも微妙ですよね。ブランド物ならまだしも無印良品か何かでしょうこれ?」
「アダルトグッズプレゼントしてくるやつに絶対言われたくない」




