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70/2024

シンクロ

「あの、電気消してください。あんまり見られたくないんです」


「顔真っ赤だよ」


「……私だって恥ずかしいときくらいありますって。普段はあんな感じでも、一応女の子なんですから」


「とりあえず、服脱がすぞ」


「じっ自分でできますよ! 馬鹿にしないで……ってちょっと!」


「遅ーい」


「脱がすの早――あんっ、いきなり胸つねらないでください!」


「起きろー」


「ど、どんな掛け声ですか。さっきからボケとツッコミがひっくり返ってる気が……あっ、そんなとこ指入れちゃ――」


「可愛いよ」


「うぅ……可愛く、なんかぁっ」


「どんなに否定しても可愛いものは可愛いよ」


「えっと……そろそろ、入れてほしいです」


「何を? ちゃんと口で言わないとわからないな」


「あなたいつもと全然性格違いますね。意地悪しないでくださいよ……。あなたの、その、(∩)を……私に」


「うりゃっ!」


「イダッ!」


――――――――――

―――――


「Zzz……」


「なんか古い表現で昼寝してるやつがいる。おーい起きろ。夕飯だぞ」


「むにゃむにゃ……電気消してください……」


「本格的に寝る気か。コタツで寝たりなんかするから顔真っ赤だよ。とりあえず引っ張りだすぞ」


「自分で……できま……」


「無理だろ。うんしょっ、と。起きないと頬っぺたつねるぞ。おーい」


「むぎぎ……つねらな……」


「鼻の穴に指突っ込むぞ。起きろー」


「フゴゴ……そんなとこ……」


「わあ豚みたい。日がな一日ゴロゴロしてる時点で豚っぽいけど。おい、いい加減起きろ」


「……可愛く、なんか……」


「どんな耳してるんだよ。一言も言ってないよ」


「……そろそろ、入れて……」


「何を? 闘魂? お望みなら仕方ないなぁ。さすがに顔はまずいから腕にしっぺで」


「……(∩)……」


「なんだ(∩)って。こないだの(∪)と微妙に違うぞ。はあぁ……うりゃっ!」


「イダッ! も、もっと優しくっ! ……あ、あれ? ホテルのベッドじゃない……?」


「何言ってるんだよ。夕飯だ寝ぼすけ」


「あぁ……素晴らしい淫夢を見てたのに、なんてことしてくれたんですか!」


「知るか下半身バカ」


「あ! 寝てる私に変なことしてたでしょう! だからあんな夢見たんですきっと」


「あんな夢って?」


「乳首をつねられながらお尻弄られて『可愛いよ』と囁かれつつ焦らされた挙げく恥ずかしい言葉を言わされ(∩)を入れられる夢です」


「オーライ。変なのは君の頭だ」




 日は山に隠れ、星々が輝き出しました。

 月が今日を急かしていますが、二人の一日はまだ少しだけ続きます。

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