大晦日と百回目
「あと二時間ほどで新年ですね」
「と同時に今回で更新百回目。よくここまで続いたもんだ。二重でめでたいね」
「言うに事を欠いてメタですか。大晦日にそんなことを気にしているのは私たちくらいですよ」
「完全に立場が逆転した。今年最後の会話なのにそのキャラ貫き通すんだね……。さて、記念すべき更新百回ということで、ここまでで人気だった回を紹介していこうと思うんだけど、ダメかな?」
「どんなに面白くても繰り返したらつまらなくなると思います。だいいちどうやって人気かどうか決めるんですか。アクセス数にしても連載初期と今とでは比べられませんよ?」
「ありがたいことにね。だからここは僕らで選ぼう」
「それは自画自賛と言います」
「題して『人気会話ベスト100』」
「それは再掲載と言います」
「逆に不人気だったネタを紹介するというのも」
「それは恥の上塗りと言います。墓穴掘ってどうするんですか」
「不人気トップは間違いなく『ごろごろ』だね」
「よりによって第一話なんて」
「初見で去っていってしまう読者さんの多いこと多いこと。『ごろごろ』には初見殺しの称号を与えよう」
「自虐的な真似やめましょうよ。惨めになるだけだと思います」
「自虐じゃない、反省だ。つまらなかったあのネタを二度と繰り返さないようにという戒めに」
「その発言が自虐極まりないです。……あの、無理にボケなくても結構ですよ?」
「慰めないでくれ。ボケはやっぱり君のほうが上手い。僕には荷が重いってわかった」
「はい、正直面白くないです」
「ムチを打ってくれとは頼んでないんだけど」
「とまあ、こんなふうに天然ボケでいいならなんとかできます」
「パラドックス起こしてるから。意識的な天然ボケって、もはや偽装ボケだろ」
「天然に貶したじゃないですか」
「ボケろ」
「ボケてるでしょう?」
「うん、そうだけど僕は君のボケに突っ込んだだけであって実際君はちゃんとボケてるんだけどボケてないという設定だから僕は突っ込んでもいいっていう……この入れ子構造みたくややこしいやり取りやめない?」
「来年もこんな調子でやっていきましょうね」
「お、おう。わりと無理矢理まとめるよね、いつも」
「それでは皆さま、本年はお世話になりました」
「よいお年を」




