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◎そうして二人は
「お姫様じゃなくて俺にしない?」
ホークは女。俺は男。
今なら性別だって大丈夫だ。
西野鷹は、あやしい魅力を持っている。
誰もが恐れて手を出せないのと同時に。
「嫌だ」
そう一言言うと、ホークはお姫様の手を取って、保健室を出た。
虚しさだけがこの部屋に残る。
と、同時にいつもの頭痛がした。
「父様!母様!」
轟々(ごうごう)と燃え上がる火の中、足元に横たわる二つの死体。
裾が焦げたドレスを見に包むはお姫様。
俺の持つ剣には血が付いている。
「お前、なんてことを…!謀反だ!誰か!」
少女には、ただ泣き叫ぶことしかできなかったようで。
俺は、剣をまた振り上げた。
瞬間。
背後から腕を掴まれた。
振り返るとそこには、ホーク。
ホークは姫に駆け寄った。
「無事でなによりです、姫君…」
安堵した声に、胸が痛む。
「ホーク。ホーク…。助けて、…お願い…」
「逃げましょう、姫様。」
思うより先に身体が動いていた。
剣先が姫を切り裂く。
それを庇ったホークが傷ついてしまった。
「逃げましょう、」
そうして二人は去って行った。




