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フグが冒険しちゃうお話の巻き。


カランコロンと鐘が2往復すると、またシーンと広場には静けさが戻った。

1番外枠の兵士を外からも仕事に来た平民や戦士達が、この集まりは何の騒ぎだろうと外からボチボチあつまって来る。

これから戦士ギルドで仕事を受けるのに出勤して来る人がどんどん増えて来そうな気配を察して、この辺が潮時だと演説を終える事にした。


「さて!

鐘2つ目が鳴ったから作業を始めようか。

ジョルノフさん。

教会で働く全ての人間を集めることは可能ですか?」


ジョルノフは酷く怯えた表情で頭を横に振る。


「待て待て待て!

秘密とはなんだ!

何が駄目だと言うんだ?!

それは宜しく無いと言う事じゃないのか?!」


でも先程までのやり取りが無茶苦茶気になってる人達が他にも大勢いるらしく。

もの凄く眼圧を増していて、聞きたい事が有るけど言えない!と言った雰囲気を発信しながら、各方面が様々な立場で思う事が有るけど、取り敢えず行動を起こした錬成師の成り行きを固唾を飲んで守る事で落ち着いたらしい。


「貴方が何を言ってるのか分かりません。

貴方に依頼した仕事を思い出して下さい。

私の存在は本当に秘密なので、これ以上人間が増えると困るんです。

ほら囲んでる兵士の外側を見て貰えませんか?」


ハッとした錬成師さんはバッと音を立てて、私に言われた様に兵士の外に視線を向けて、野次馬が集まって来てる事に気付いてギリッと歯を食いしばる。


「出来ない理由は聖約に有りますか?」


ジョルノフさんは背中を丸めて視線を落とした状態でコクリと頷く。

身体の震えが先程以上に酷くなっているので、既に緊張が天元突破しているらしい。

私と視線を合わせることすら出来ずにひたすら地面を見つめているし、もう土下座スタイルになってる。


ザッと音を立てて教会の人達が、ジョルノフさんを習うようにして次々と土下座スタイルになって行くので、それを見た広場の戦士達やら兵士達や野次馬がギョッとしており、野次馬以外の人達は緊張感を更に増しているけど、後から来た野次馬達はガヤガヤと楽しそうに近くにいる兵士に事情を聞いたり、先にいた人に話を聞いたりして、騒ぎが拡大する状況になっていた。


「お父さん、ジョルノフさんの聖約を解除してあげてくれるかな?」

「え?」

「私がしても良いけど、アレをする事になるんだよね。

一応元気草を使えば今の状態に戻れるのは確認出来たけど、そうすると今度は普通の状態でもしばらく魔法が上手く使えなくなっちゃうんだよ。

目に魔力を込めて魔力が異様に集まってる場所を見て欲しいの。

ジョルノフさんじゃない魔力が有れば分かり易いけど、そうで無くても頭か喉の辺りにそんな感じの異常が有れば、詳しい状況を教えて欲しいのよ。」

「わ、分かった。」


父が素直に指示に従おうとしたので、私は父の魔力に染めて魔法の鞄から出した多めの魔力を父の口元に集めておいた。

父が息を大きく吸い込むと、落ち着いた茶髪だった父の髪の毛が銀色になり瞳は青銀色に、あっという間に変色して行く。


『うわあぁぁーー!?』

「うん?」

「良いから。

お父さん、ちゃんと集中して。

野次馬が集まって来てるから、場所を移動したいんだよ。」

「分かった。

ジョルノフさん、喉の辺りを確認したいから顔をあげて下さい。

大丈夫ですよ。

悪い事にはなりませんから、落ち着いて下さいね。」

「うわあぁぁぁーーー!!!」

「あれ?!

ジョルノフさん!?」


恐る恐ると顔を挙げたジョルノフが、父の色が変わったのに気付いてお化けを見た人のようになり。

上半身を勢い良く跳ね上げたせいで、勢いがつきすぎてひっくり返って尻もちをついて仰向けになった状態で叫ぶから、理由を知らない父は予想と違った反応にオロオロとしている。


「アハハハハハ!

ちょっと勢いがついて嘘を言っただけなのに、そんなに信じなくても良いじゃない。

でも嘘をつくのは駄目だから、言い過ぎちゃってごめんなさい!

私、嘘つきの悪い子になっちゃった!」


父は私の言葉を聞いてホッと肩の力を抜いた。

広場にいた人達は父の変化を目撃したせいで、素直に言葉を受け入れられなかったみたいだけど、そう言えば⋯と事前に話を聞いていた事を思い出した人達からホーっと大きな安堵の吐息をつく。

中にはへなへなと地面に座り込んでる主婦までいて、旦那の方も付き合う形で地面にしゃがみこんでいた。

これでおおよそ仕込んでおいた1/3ぐらいの人間は、恐慌状態から脱する事が出来たようだ。


でも仕込んでない人達で、私の姿が至近距離で見えて話の内容が理解出来る人達からすれば、大根役者も良い所の棒読みな台詞と笑ってない私の目の意味に気付いて、カタカタと震えを増し始めている。


でも広場にいる大多数の人は平民なので、あれ?うそ?そうなの?とか、なんでぇ、嘘かよー!とか、え?嘘?でも髪の毛の色が変わってない?!嘘なの?ホントなの?どっちなの?!と、残り2/3になった人達の中でも反応が分かれたし、兵士も平民なので、リーダー的な人以外はおおよそ戦士達と似た雰囲気になってた。


人間は自分が見たいものを見て、信じたい事を信じる生き物なので、嘘だと信じてない人達ですら、嘘であって欲しいと思っているせいで、次第に緊張感が緩んで来ている。


それでも完全に騙された!と、気が抜けないのは、父以外の人達からは、父の変化が見えてしまっているので、まさかの疑惑がどうしても拭い切れないからだ。


「全く。リリ⋯じゃない。

黒魔石はお話が上手だから、皆が信じて驚いてしまったじゃないか。

人に迷惑をかける嘘はついたらダメだぞ?」

「はーい。お父さん、ごめんなさい。

私がもし神様だったら、次の神様が誰かなんて、絶対に教えないよね!

だってそれが本人にバレたら、台無しになっちゃうもの!」

『っっ⋯?!』

「こう言うのって知ると行動に影響が出ちゃうから、絶対に秘密にすると思うんだよ〜。」

「ふぅん?

そう言うものなのかい?」

「そうそう!

だから言ってる時点でダメなんだよ。

まぁ⋯よっぽど緊急事態に無れば別かも知れないけど。

それでも内緒の方が良いに決まってるよね。

だって神様になるなんて、もの凄く大変な人生になっちゃうから、そんな苦労するなんて嫌!って逃げられたら神様がいなくなって大勢の人が困っちゃうもん。」

「ハハハ!確かに神様に逃げられたら困っちゃうな!」

『アハハハハ!』


私達親子が明るく笑い合っている側で、錬成師と祭司と戦士がどんよりとした雰囲気をまとい始めてた。


父の明らかに分かってないお気楽な様子から、次代の神様候補が誰なのかを悟ってくれたらしい。

そして私の刺した釘によって、3人も逃げられない事が伝わってくれて本当に良かったと思う。


ただ戦士だけは教育のランクが下なので、そうか逃げれるんだ!と、言葉通りに受けて安堵している様子が伺えるが、高い教育を受け続けてる錬成師や、同じく祭司に限って言えば、これは確定事項と同じ宣言になるので、まぁどんよりとするよね。

だって貴方の人生は大変ですよって神様から言われて喜ぶ人は居ないんじゃないかな?

つまりそう言うことなる。


私からすれば現在の最有力候補さえ無事なら良いので、あくまでもこの3人は保険に過ぎないし、ギルバートさんにライバルモドキを送り込めば、覚醒してお嬢さんとの関係が発展したら面白いなぐらいの認識でしかないので、どうか錬成師のお兄さんも当て馬役を頑張って欲しいと思う。

次期宰相になれるかどうかは、お嬢さんに女王ルートが開かないと起こらない事なので、そもそも先の事なんて誰にも分からない方が良いんだよ。

あの人の名前も貴族としての立場も分からないし、どうでも良いよね!


それよりもここの領主が迂闊に手を出さないようにしなくちゃいけないから、兵士もリーダーっぽい人は取り込んで置こうと思う。

さらっと観察して目星はつけておいたので、ギルド長に頼る事にする。


「ギルド長さん。

兵士もエライ人を1人街の件についてこの話に噛ませたいんだよ。

他は完全に外さないと駄目だけど、向こうも仕事だし。

状況の把握はしたいと思うんだよね。

でも貴族は参加させられないし、平民の今の人達でやりくりして欲しいの。

だから上手く説明して、その人とその人の側近以外は省きたいんだけど、うまくやれない?」

「⋯ふむ。

少し話しをして来よう。」

「これから現場になる教会の裏に移動するから、そこに連れてきて欲しいの。

でも他の兵士の人達は、野次馬が来ないように残してくれたら有難いんだよね。」

「承知した⋯しかしアンタ、神様じゃったんか。

そりゃゴロゴロドンも倒せるわな!」

「もー、やだなぁ。

私は人間の子どもだよ〜。

だから悪戯しちゃっただけだから、真に受けたら駄目だよぉ~」

「そうじゃったそうじゃった。

してワシはアレを育てたらエエんか?」

「あれだけ長い話を理解出来る頭が有るんなら、本人のやる気次第になるけど適当に使ってあげて欲しいかな。

先にあの人の奥さんと娘さんを探すから、万が一教会の汚れ仕事をしてる人が見つからなければ、仕事で此処に来てる戦士達には捜索に出て貰わないといけないけど。

あの人が娘さんの姿を見て、精神的に耐えられたらの話になるから、仕事は心が持ち直してからでも良いかな。」

「良かろう。

じゃがワシは上にはあがらんぞ?」

「それじゃ代わりをあげないとだけど、そこはホラ。

悪戯だから。

ギルド長さんも気にしなくても大丈夫だよ。

でも逃げられなかったら、ゴメンね?」

「むぅぅ~。

ワシは現場がエエんじゃがのぅ。」

「うん。良いんじゃない?

生涯現場で仕事しながら、テッペンになった人の伝説を作ればいいと思うよ?」

「む?」


私はそう言うと頭を保護して回復魔法を使った。

記憶が飛ばれると困るからね。


「なんぞしたか?」

「現場でバリバリ働けるように少し回復魔法を使っただけだよ。」

「おん?

それで急に身体が軽くなったんか?」

「だって夜も仕事をしてたのに、今日は最前線でバリバリするだろうから必要でしょう?」

「こりゃええわい!

なんぞ若返ったみたいだな!

ふむ。あんがとよ。」


頭を保護をしたので顔は全く変わって無いが、首から下の身体は20年ぐらい細胞や筋肉や骨の時間を巻き戻して若返らせてみた。

だから服の下の張りが急激に良くなって、余裕があった部分がパツンパツンになってる。


回復魔法に馴染みの薄いギルド長は身体に活気が戻った事を喜んでるだけだけど、回復魔法に馴染みのある錬成師と祭司はそうは行かない。


通常の回復魔法と違うことはすぐにピンときたらしく、2人共目が零れ落ちそうなぐらいに見開いて、顎が外れそうなぐらいに口を空けていた。

騎士や小汚い戦士もギルド長の身長が少し伸びて身体が一回り以上大きくなったから、度肝を抜かれてあんぐりとしている。

膝や大腿骨の関節や背骨付近の組織が回復すれば当然そうなるよね。


でもまあ脳を回復させて無いから、おそらく数日もすれば段々と元に戻りそうな気がする。

そこは経過を観察してみなければ分からないから、差し入れがてらにちょくちょく来れるように、川のルートを調べるのも良いかも知れないなと考えてた。

ついウッカリ人体実験しちゃってごめんね!


そして目を見開いてる広場の戦士達の中をノシノシと歩いて、馴染みでも有るのか、私も目を付けてた兵士とその補佐役と話をしに行ってくれた。

そっちはギルド長に任せる事にして、私は父に視線を戻す。


「お父さんやっちゃって!」

「え~と⋯ふむふむ。

リリ⋯じゃない。

黒魔石。

頭と首と胸に魔力の塊が見えるんだが、どれがどうかは区別がつかないんだよ。」

「なら全部やっちゃおう。

変な細工をされてたら困るしね!」

「ふむ。分かったよ。

え~と俺の魔力を馴染ませて⋯消す。」


ジョルノフの上半身がパァっと銀色に光ったら、ジョルノフがパタリと倒れてしまった。


『えぇ?!』


私と父がもの凄く慌てたけど、呼吸も鼓動も平静にしか見えないから、これはキャパシティオーバーによる、精神的なストレスが問題で気絶しただけなんじゃないかと予想する。


「くくく黒魔石!

大変だ!

気を失ってしまったぞ!」

「寝てるだけだよ。

お父さんが魔法を解いたから、ビックリしちゃったみたいね。」

「そ、そうなのかい?

本当に大丈夫なんだろうなぁ⋯」

「ギルド長が戻って来るまで、少し寝かせてあげたらいいかもね。

ギルド長もだけど、兵士のエライ人も話を直接聞きたいと思うのよ。」

「それはそうだろうが、こんな場所で寝かせるのは⋯」

「うーん、あ。そうだ!

教会の中の椅子に寝かせてあげたらどうかな?

どうせ直ぐに起こして現場に行かないと行けなくなるし。

部屋にまでつれて行く時間は無いと思うんだよね。」

「じゃあお父さんが運ぶとして黒魔石はどうするか⋯」

「魔法で運べば良いから、私が運んであげるよ。」

「あ、そうか。

その手があったな。」


実は教会前の大扉は明け放たれていたので、まるで前世の時のように真ん中の通路を挟んだ両端に横長のベンチシートが並んでいるのが見えていたので、私は寝てるジョルノフを浮かせて最後尾のベンチシートにそっと優しく置く。


「ねぇ、教会の人達もそろそろ頭をあげて普通にしてくれないかしら?

私は人間の女の子だから、変に畏まらないで普通にしていて欲しいなぁ〜。」

「か、神の御心のままに!」

『御心のままに!』

「いやいや、だから神様はここには居ないんだってば!」

『ははあ⋯』


回復魔法を1番上手く使えるのはジョルノフらしいけど、真っ先に号令をした初老の男に、私はターゲット指定してロックオンする。


「ねぇそこの貴方。

さっき号令を真っ先にかけた貴方の事よ。

貴方がこの教会の本物の最上位者ね?」


頭を上げようとして身を起こしかけてた土下座スタイルの老人が、背中をビクッと震わせた。


「お父さん、あの人も見てくれるかな?

変な魔法がかけられてない?」

「え?まだやるのかい?」

「だって死なれたら後味が悪じゃない。

口封じに変な魔法が仕込まれてたら困るでしょう?」

「え?!そんな魔法も有るのかい?!」

「知らないよ。

でもあったらマズイよね?

今回は誰一人死なせる訳には行かないんだよ。

まぁそうなったら私がアレをすれば済むとは思うんだけどね。」

「なるほど⋯分かった。

俺が調べよう。

あぁ⋯頭と喉に有るね。

胸にはないみたいだ。」

「あぁ⋯悪い魔法は胸に有るのね?

じゃぁお父さん。

頭と喉の魔法を外して貰っても良い?」

「ヒィッ?!」


父はもうコツを掴んだのか、伏せてる状態でも魔法の場所が分かるようになったらしく、簡単に魔法の解除をするのを横目で見ながら、私は他の人達も目に魔力を集めて観察してみる。


意識をして問題の箇所を見つめていると、頭はぼんやりした光しか見えなかったけど、喉に鎖の様な黒っぽい魔力が纏わりついているのが見えた。

頭を探るにはやはりハイパー化しなければ難しいようだ。

これは自分の身体の中で行う魔法だから、使用する魔力を瞳に増やせば、自然と魔力を身体に取り込む形になるので、ハイパー化が避けられないからだと予想する。


おそらく通常の手段だと可視化出来ない魔法なんだと察した。

だから魔法が見えてる父に、皆怯えているんだろう。

私が纏わせた魔力の消費量から言えば、回復魔法より消耗が多そうなので、連発出来る事も珍しいのかも知れないね。

父に消耗した分の追加を渡しながら、ふむふむと分析をしておく。


集められた教会スタッフは50人前後だけど、怯えてる人が大多数なのはジョルノフと同じかそれに近い教育を受けた人が、ここには多く居るからだと考えられる。

祭司と言う役職は回復魔法が使えるだけではなれない役職なんだろう。

教会内で高い立場で無ければ生贄になれないので、シンボル的な扱いにしておいて、実務はこの初老の老人がしているのではないかと予想した。


「それで貴方はなんて役職の人なの?」

「ハァハァ⋯んく。

し、司教を⋯しております。」

「それが表の役職ね?

では本物の役職は何をしてるのかしら?」

「ま⋯紛れも無く司教をしておりますっ!」

「じゃあ普段外向きではなんて名乗ってるのかしら?」

「あ⋯う⋯し、しし司祭長と⋯申しございません!!!」

「謝らないで良いのよ。

私はただの人間ですもの。

上では分かってる事も、此処では何も知らないお子様なのよね。

だから困った人に利用されないように、普段はちゃんと身を隠しているのよ。

貴方達も好き勝手出来なくなるから、その方が気楽で良いわよね?」

「とっ⋯とんでもなくっっ!

ききき教会は神の宮でありますので、何時でもお戻り頂けますれば我等一同はっ⋯」

「そう言わないの。

だって独り立ちしてる娘や息子の家に母親が乗り込んで来たら、口煩くて叶わないでしょう?

私も干渉したら成長の妨げになるから普段はちゃんと弁えてるのよ?

だから伸び伸びと自由に楽しくやって欲しいのよ〜。

でも今回はちょっとおいたが過ぎるから、口を挟んでごめんなさいね。

これにはちゃんと理由が有るのよね?

1面だけを見て批判するつもりは無いのよ。


でも今回はあんまりにも悲しくて、感情的になり過ぎたせいで、視野が狭くなってるんでしょうね。

貴方達の事は学んで来ているつもりでも、生活してる場所が違うから、どうしても感覚がズレてしまうの。

私の願いは皆で仲良く楽しく暮らして欲しい。

それだけなのよ。

私は人間だから神様の気持ちなんて想像するしか出来ないけど、きっと神様もそんな事を思ってるんじゃないかしら?


だからこれは子供の戯言だから聞き逃して下さいね。

ジョルノフはまだ修行がかなり必要みたいだから、今回の件は見なかったことにして欲しいけど、他人の迷惑になることだけは必ず修正して、従来の定め通りに扱ってくれると私はとっても助かるわ。」

「はっ⋯ははぁっっ⋯」


完全に萎縮して丸まってる司教やその周りに少しだけ聞こえるように声を潜めておねだりすると、全身をガタガタと震わせている司教は、更に頭を地面にこすりつけていた。

失禁した雰囲気がしてるのでサクッと下半身をレモン色に光らせておく。

老人のプライドを傷付けたら可哀想なので、勿論指摘なんてしないし、周りの人もそれに気付く余裕なんて無さそうだった。

今回の事はかなり精神的なストレスがかかってるみたいで、年をとっても下半身は緩くなるから仕方がないよね?


だってお父さんがゴロゴロドン以上に魔力を纏っているから、魔法を使い慣れてる人達からしたら、魔力パンチで殴られてるのと同じだからだろう。


「それじゃぁ貴方達全員も、ギルド長がきたら裏庭に行くのよ?

貴方はこの場に居ない裏の人の居場所を、ギルド長に伝えておいてね。

施設の長なら勿論知ってるわよね?」

「っっっ⋯恐れながら!

わわ私は所属が違う為に正確な人数を把握出来ておりません!」

「誰に聞けば分かるのかしら?」

「そっ⋯そそそれはさ祭司長で無ければっっ⋯」

「ジョルノフも把握出来て無い人員がいるのね。

祭司長は何処に居るのかしら?」

「おお恐れながら!

所属が違う為に私ではっ⋯」

「では誰に尋ねたら分かるのかしら?」

「ヒィッ⋯お許しを!

お許し下さいませっ⋯何卒お許しをっっ⋯」

「1番上に聞かないと駄目みたいね。

あぁ~あ。面倒臭いわねえ〜⋯」

「大変申し訳ございませんっっっ!!!

お許しを頂けますれば必ず上へとご意向をお伝えし!

過ちを直ちに正しますれば!

どうかお時間をっっ⋯」

「その間に何人の街の人達が病気になるのかしら〜?

1人でも病気で死なせてしまえば、この国の教会はとても苦しくなると思うから、何とかしないといけないのだけれど、まぁ仕方がないわね。

貴方達が頑張って治しなさい。

それが出来なければこの国の教会は破滅よ。」

「ううーっっ⋯」

「⋯でもそうね。

助っ人を呼んでジョルノフを仕込んでおくから、貴方はそちらの方を急いで手配して、ギルド長と一緒に解決なさい。

もう秘密裏に処理するのは不可能よ。

教会は国から信用を無くしたんだから、貴族からの介入を抑えるのに尽力なさいね。」

「ははーー!!!」


頭をあげかけていた取り巻き達が全てバッと頭を上げると、司教と私の会話が聞こえたせいか、愕然とした顔で老人の背中を見つめている。

私が何者かについて疑い、簡単に指示に従う事に驚いているのでは無く。

寝耳に水の状況が信じられないだけである。


あの論文発表した会場にいた錬成師たちよりも、心の中では暴れ出したいぐらいに混乱してる事だろう。

それが表に出せないぐらいに打ちのめされてるだけなのだ。


あくまでもこれは私の予想だけど、神の(やしろ)で神から指示された事の真逆の行動を行う組織の存在を明かされたが、それを上層部が存在を把握していながら放置していた事に衝撃を受けているんじゃないかな?


「お父さん、かなりマズイかも。

悪い人は別で動いてるみたいだから、此処で幾ら問い詰めても解決は難しいみたい。」

「そうみたいだね。

参ったな⋯どうするんだい?」

「教会に貴族は絶対に入れられないから、戦士達に頼んで井戸の見張りをして貰わないと駄目だし、その為には報酬を払わないといけないから、私はそれを稼いで家に帰る方法を探さないと駄目だから、お姉ちゃんに手伝って貰おうかと思うの。


ジョルノフに魔法の使い方を教えて貰いながら、お姉ちゃんも浄化して人を救わなくちゃならないんだけど⋯お姉ちゃんが大丈夫かなぁ⋯。

お姉ちゃんを守るのに、お父さんが側にいてくれた方が良いけど、そしたら私は1人で行動する事になるんだよね。


アルフィンが起きてくれたら直ぐに問題は解決するんだけど、あんな状態になってるし。

ホント頭が痛いよ。

お姉ちゃんの護衛は、お父さん以外だとまだ無理だと思う。

ジギタス伯父さんは調子に乗りそうだし、叔母さんは絶対に出せないし。

お爺ちゃんを仕込むしか無いんだけど、どう思う?

お爺ちゃんならとは思うけど、相手は本物の悪い人だから、仕事で人殺しも学んでる人かも知れないよね。

短期間じゃお爺ちゃんも流石に無理な気がするんだよ。

ギリギリイケる気もするけど、どうだろう。


ギルド長なら守ってくれるかな?

ギルド長に護衛を頼んで、お姉ちゃんにジョルノフとお爺ちゃんを仕込んで貰う?

お手伝いなら出来るだろうけど、お母さんは自分で身を守れないから絶対に此処には出せないよ。」

「ウ~ン⋯難しいなぁ。」

「それじゃギルド長さんが戻ったら私の護衛をして貰うから、お父さんはお爺ちゃんやお姉ちゃんに状況を伝えて相談してくれるかな?

お爺ちゃんは寝てたら可哀想だけど、ホント⋯ごめん。

お爺ちゃんが死んじゃったら私のせいだ。」


急に悲しくなって来て眉毛が8の字になる。

泣きそうな私に父は困った様子で苦笑を浮かべて私を抱き直すと背中をポンポンしてくれた。


「⋯元気草を渡すからお爺ちゃんの為にマリア婆ちゃんにお茶を作って貰おうかな。

もうアルフィンなんて放ったらかして良いよ。」

「ハハハ。

エターニャでも作れるさ。

母さんには見張り役をして貰わないといけないからね。」


父の危機センサーがパネェ!

マリア婆ちゃんが居なくなったら、母がそこに行くと思ってるな?

ついでにハーニャもエターニャもついて行くでしょ。

私もそうなると思うから、多分そうなる。

だってアルフィンだから!

アルフィンってそう言うヤツだからアルフィンなんだよ!


落ち着け私。

あんな野郎に気を取られてる場合じゃないだろ。

勘違いすんなよ?

百歩譲ってアルフィンがどれだけ女性を(はべ)らせたとしても、それでヤツと周りが幸せならそれでも私は良いんだよ。


私がムカつくのは、アルフィンが自分で侍らせてんのにそれを放ったらかして泣かせて、私を囲い込んで離さない事だからな?!

しかも自分が侍らすのは良いくせに、私に近づく男は蹴散らす心の狭さが問題なんだよ。

ウチの父からも引き離そうとしたのを聞いた時には、マジ害虫野郎だと思ったからな?!


短期間の私でこれなら、長期間アイツと付き合ってる別個体は相当頭に来てる筈なんだよ。

だから離婚の危機になって、私がこうして孤軍奮闘する羽目になると言う。

落ち着け、落ち着け。

本気で落ち着こう。

今目の前に転がってる問題を先に解決しなくちゃ、後はもう私の手には負えなくなるからな?


タダの人間の私に出来る事なんて本当に些細な事なんだよ。

だから家族を巻き込んだし、これから私は此処にいる人達をフル活用して事態の解決に進まなくっちゃいけないのに、気を逸らしてる余裕なんて1ミリたりとも無いんだよ。


シッカリしろ私!

国中で殺し合いしてんのに、殺伐とした村で家族とほのぼのスローライフなんて送ってらんないだろ!

全て私の幸福で平穏な生活の為に、頑張るしか無いんだよ。

それのついでに街を救うだけだし、結果として国と教会が喧嘩するのを防ぐだけなんだから、失敗なんてしてらんないからな!


「それじゃお父さんに元気草を渡すからエターニャお姉ちゃんに頼んで貰えるかな?

竈門は外になるから護衛でロベルトお兄ちゃんをつけた方が良いと思う。

後はお爺ちゃんとお姉ちゃんの説明を頼むよ。

私は私でこれからの事をギルド長のお爺ちゃんや兵士のエライ人や司教のお爺ちゃんと錬成師さんとで相談して話し合いをしなくちゃならないの。


じゃないと錬成師さんは骨の創作に手を取られちゃうから、話が出来る時間が今しか採れなくなるし、司教のお爺ちゃんや兵士さんやギルド長さんも早く動かないと大変な事になっちゃうんだよ。」

「それだとリリ⋯黒魔石の護衛が⋯」

「だからそれはギルド長さんがやるの!

それに錬成師のお兄さんと騎士も居るから大丈夫!

あそこの2人はその点についたら信用出来るよ。

だよね!錬成師のお兄さん!」

「はぁ?!」

「私を誘拐して逃げたりなんてしないよね!」

「う、うむ。まぁ⋯そうなるのか?」

「だって受けた仕事を途中で放り出すのも駄目だけど、王様達から叱られる事をやる勇気ある?!」

「ない!

断固としてそれは無い!」

「だって!

だからお父さんはこれから中でさっき頼んだ事をして欲しいんだよ。

ついでにアルフィンを錬成師さんに確認させとけば、ヴィルヘルムお爺ちゃん達に連絡する時に正確な情報を伝えられると思うの。


兵士さんにも見せとけば、ここの貴族も抑えてくれるかも知れないしね!

だからお父さんは一度ドアを閉めたらアルフィンが見えやすい場所に、向こうのドアを移動させてくれるかな?


出来れば海や崖とかも見えやすいように配置してくれると、いちいちドアを動かさずに済むから、助かるんだよ。」

「え~と⋯中に入ったらドアを閉めて、王様や周りの風景が見える場所にドアを移動させて、それからエターニャにお茶を入れて貰って⋯そうだ。

親父を起こしてカタリナにも説明をするんだな?

えっとどんな説明をすれば良いんだ?」

「悪い人が捕まえられなかった場合、井戸に病の元を入れられる危険性が高くなるの。

それは戦士達に護らせるように手配するけど、他の手段を取られた場合は例の浄化をしなくちゃ対応が出来ないから、お姉ちゃんにはジョルノフさんとウチのお爺ちゃんに私達が使う魔法のやり方を教える先生になって欲しいのね。


それをコッチで教えさせるのはお姉ちゃんの事を考えたら危険だから、向こうで教えさせたいけど、下手にロベルトお兄ちゃん達が覚えたら、それはそれで危なっかしいから、コッチでそれをやるかどうかを相談して欲しいんだよ。

そしてお爺ちゃんは、万が一井戸をヤラれたら浄化をして貰わないと多分他の人達だとアレを直ぐには身に付けられない可能性が高いの。


アルフィンの時そうだったでしょう?

だからジョルノフが会得するまでは私やお姉ちゃんだけじゃ手が足らなかった時に、お爺ちゃんを動かせるようにしたいのよ。


お父さんも浄化は出来るけど、お父さんには私の護衛に回って貰う必要があるから、お姉ちゃんの代わりにお爺ちゃんに街の中で汚染された所を教会の人達と浄化して貰えたらと思うんだけど、それもお爺ちゃんの心次第になるから、邪魔の無い所で話し合いをして欲しいんだよね。


私は私で皆を安全に返す為の道を探さなくちゃいけないし、それにはお父さんについて来て貰わないといけなくて、だから此処で活動するのをお爺ちゃんとお姉ちゃんに任せる事になると思うんだけど、どう思う?

見捨てたら戦争になるから、故郷で呑気に暮らせなくなるから、面倒だけど頑張らないとヤバいのよ。


アルフィンさえいてくれたら、私達がこの街で浄化や治療が出来るし、帰り道をわざわざ探す必要も無くなるから、アルフィンが起きたらそっちに切り替えるけど、待ってたら手遅れになるといけなくて、その為の準備になるの。

帰り道に関して言えば無駄になるかもだけど、ついでに漁をして魚を採って街で売れば、今回の事で仕事が出来なくなる戦士達の給料になるし、この街の領主さんへの迷惑料にも出来て良いかな?って思うのよ。

後はまたコッチの人達と相談してからになるから、それはお父さんが戻ったら説明するつもりだよ。

どうかな?」

「あぁ、そうだね。

だけどモーブ車とかだと⋯駄目か、そうだな。

故郷がバレてしまう事も有るから、黒魔石は他の人がついて来れない方法で帰り道を探すんだね?」

「そう!そうなの!」

「ふむ。わかったよ。

それじゃドアは何処でだすのかな?」

「野次馬達には見せたく無いから、教会に入って直ぐの壁に出そうと思うの。

反対にしちゃえば、外からは見えないでしょう?」

「なるほど!それは良いな!

アローリエにも家の方にエターニャと行かせておけば済むしな!」

「なんなら婆ちゃんも含めて話し合いの時だけ全員で家に行ってたらどうかな?」

「王様は1人で良いのかい?」

「元々あこそはアルフィンが魔物を入れさせないようにしてるから、家よりも安全なんだよ。

だから大丈夫かな。

お父さんが戻ってくる時にお兄ちゃんかお爺ちゃんをつれて来てくれたら、他の人達が家から出られるタイミングもわかるよね?

でもジキルスお兄ちゃんとハーニャお姉ちゃんは絶対にここの街の人達に見られないように気をつけてね?」


最後は父の耳元でコソコソと話せば、父は無言で頷いてくれた。

そして私達が話をしてる間に、兵士のエライ人をつれてギルド長が戻って来た。


「よう!待たせたな!

兵士のワセランだ。

中央区の地区隊長をしとる。

ちゃんと平民だぞ!」

「ワセランだ。

後ろの2人は俺の部下になる。

本来なら上に報告をして大隊長を呼ぶ必要が有るんだが、大隊長はお貴族様なんだ。

だが俺個人の権限だと勝手な判断は出来ないと思って欲しい。

俺達は現場の斥候でこれから上に情報を上げる事になる。」

「助かります。

ギリギリで動いて貰ってすみません。

国と教会での戦争は避けたいんです。」

「⋯あの話は何処まで本当なんだ?」

「それも含めて今後の話をしましょう。

かなり事態は悪いですが、私が絶対に防いで見せます。

でも私の言葉だけじゃ信用は出来ないと思うので、これから少し証拠を見せようと思います。

貴方は王様の顔が分かりますか?」

「絵姿のみ拝謁した事は有るが⋯果たして陛下と直接会ってもそれが正しいかどうかは判断が難しいかも知れん。」

「錬成師さんはどうですか?」

「⋯何度か直接拝謁した事は有るが、意識の無い状態で本物かを判断するのは難しいやも知れんな。

だが出来るだけやるしか無いんだろう?」

「うん。なるべく急いで上に伝えたいけど、それには沢山問題があってね。

それはこれから説明させて貰うよ。

それじゃお父さん!

はい。元気草だよ。

アルフィンに説明しなくちゃいけないから、残しておいて欲しいのと、増やすのに魔法の水を入れて日の当たる所に置いておいてくれるかな?」

「分かった。」

「じゃあ他の人達はこのまま少しだけ待機して貰って、ギルド長とそこの戦士のオジサンと、錬成師さんと騎士さん。

後は兵士のオジサン達3人と、司教さんの側近もつれてちょっと教会が中について来てくれるかな?

入って直ぐの壁に転移魔道具を設置するから、後で中を見て貰う必要が有るんだよ。

でもウチの家族はなるべく見せたく無いから、少し待っててくれるかな?

まぁ話し合いの結果でウチのお姉ちゃんとお爺ちゃんには会う事になるかも知れないけどね。」


そう言いながらジョルノフを寝かせてる椅子の後ろの壁に黒い扉を魔法の手で設置する。

椅子と壁の間は10mぐらい開いてるから、そこに立って中を見る分には、この人数なら余裕で入れるし、話をしてたらジョルノフも目が醒めるかも知れない。

醒めなければ後で叩き起こすけどね。


そして私は床に這いつくばってる司教と側近を立たせて教会前の階段最上部になる踊り場みたいな所から移動して、数人を引き連れて教会の中に入る。

ギルド長は広場に向かって全員待機の指示を出してくれた。

小汚いオジサンは俺も?!

みたいな嫌そうな顔をしてたけど、ギルド長に背中を押されて渋々と教会の中に入ってくる。


私はジョルノフが寝てる椅子の背もたれに座らせて貰うと、父は扉に向かって歩き、引き戸のドアノブを掴んで最小限の隙間から滑り込む形で中に入ってドアを閉めた。


だから私はこの時間を使って素早く全員に秘匿事項の伝達を始めた。


「此処にいる殆どの人達は理解出来てると思うけど、さっきの話は全部本当なんだよ。

でも次代の神様になるには、試練として人間の人生を自分の意思で生活する中で経験する問題を解決する必要が有るから、本人に次代の神様候補だなんて絶対に知らせるのは厳禁なんだよね。


それなのに次代の神様候補の最優先のアルフィンに、神様本人が夫婦で突きつけちゃってるんだよ。

もうその時点で、普通の代替わりじゃ無くなってるから、これからは此処に住んでる人達の意思や行動で未来が変わってしまうんだよね。


説明した通りに私は本当に人間の中に極秘で混ざる為に、ほぼ人間と同じ状態にされてるから、直接本体とはやり取りが出来ないし、持たされてる最低限の能力を使って、情報を集めて自分で分析しなくちならないんだよ。


恐らくそれが私が次代の神様になる試練になるんだけど、それも神様達からバラされてるから、この時点で夫婦神での統治は今後出来ないって言われてるようなもんなんだよ。


だからアルフィンが私について地上に降りて来ても、上で仕事をしてくれる人を作らなくちゃいけなくて、皆も理解してると思うけど、それがウチの父になるんだよね。

これ以上の候補をバラすと、本人にバレたらもの凄く危険な事になるから言いたく無いけど、これを聞いてる人達は私の家族の誰にも候補だとは漏らさないで欲しいんだよ。


次代になれなかったら、この星を逃げ出すか滅ぶかの2択になるから、その時はさっき言ってた人達が協力して奮闘しなくちゃならなくなるから、もう大惨事だよ?


その時は私じゃない、私と同じ端末が新しく寄越されるとは思うけど、住める星を探してその星の環境を整えたり、イスガルド大陸の人達が喧嘩しないように纏めたりしなくちゃならなくなるからね?

しんどいで済めば良いけど、尋常じゃ無く苦労させられる羽目になると思うよ?


だからバラしたんだよ。

貴方達が次代の神になる時は、全ての人間が生きるか死ぬかの瀬戸際になるから、失敗したら終わるだけだからね?

私の本体はそうならないように動いているから、まぁまず無い未来だと思うけど。

そうならない為には私の家族には引き合わせられ無いと思っててくれるかな?

お爺ちゃんはそこから外れてるから、合わせられるけど。

私の姉と父はマジで厳禁だよ?

バレたら貴方達には悲惨な運命が待ってるから、そこは充分に気をつけてね?」

「嘘だろう?」

「だったら良いね、兵士さん。」

「⋯⋯ほ、本当の話なのか?

頼むからウソだと言ってくれないか?

なぁ⋯言葉を聞いても理解が出来ない単語が沢山あるのに、丸いもんが砕けてる絵や向かい合っていがみ合ってる様なアンタと王様の姿や、丸い結界の中で浮かんでる大地が頭の中に思い浮かぶんだが、これは一体何なんだ?!」

「魔法で情報を叩き込んでるだけだよ。

少なくても貴方達には真剣に向き合って貰わないと、本気でヤバいからだね。


この場に居る全員が私を含めて本体が巡り合わせた裏方だと言って構わないよ。

人類だけじゃ無くてこの星に産まれた生命を失わせない為の人材に選ばれたと思って欲しいかな。

でもそれを他人に理解させるには、かなり難しいと思う。

だって自分ですらこんな話なんて信じたく無いでしょう?

それに私は元々秘匿されるべき存在で、今回は最大の功労者になる羽目になってるから、いちいち皆を説明して回る時間も取れないからね?


兵士さんと錬成師さんにはここの領主を抑えて貰わないといけないけど。 

錬成師さんはそれ以外にも仕事が山積みだよ?

引き継ぎの人にも全部話して巻き込んで、兵士さんと一緒に領主を抑えさせた上で秘匿もさせないといけないし。


取り敢えず上に報告する義務があるんだけど、ヴィルヘルムお爺ちゃんとサラディーン様達なら大丈夫だけど、他の人には本当の話が出来ないかも知れない。


アルフィンが次代になるには、鍵になるのが先王様や宰相のお爺ちゃんやえーと側仕えのキリン?そうだ、キリンシュのお爺ちゃんとの関係がもの凄く重要になるから、貴方はヴィルヘルムお爺ちゃんやサラディーン様達と協力してその3人を抑えないといけないのに、神様関連の話は出来ないと思って動かないといけないんだよ。


かなり厳しい状況になるから、今度は教会側からは司教さんが上にこの事を全てぶち撒けて巻き込んで欲しいの。

でも万が一強欲で下手な人にそれが伝わると大惨事になるから、そこの人選は貴方の選択に任せるね。


そしてギルド長はこの街を守りながら戦士ギルドのトップにこの話を持って行かないといけないんだよ。

アルフィンが目を覚まして無事に行動を起こせるなら、此処にいる人達と、それぞれの組織のトップとを一同に集めて話し合いが出来るんだけど、アルフィンはいつ目を覚ますか分からないんだよね。


ひょっとしたら男神を介入させない為に、女神が妨害してるのかもしれないから、全て解決させないと目を覚まさない恐れも有ると考えてくれたら良いと思う。

何故なら王様のアルフィンは、教会を信用出来なくなるからだよ。


それまで教会はわが子の中でも神に懐いてるいい子だったのに、それが歪んで自分を攻撃してくる存在に変わったと知ったら間違い無く消されるよ?

王様からしたら謀反と同じになるからね?


だから今後は大丈夫だよってなってる所を見せてあげないと、最終的に男神が拗れたら破壊神が産まれちゃうよ?

そしたら逃げ出しても追いかけて来るから、逃げられなくなるからね?


今回の事でその道が開いたから、今女神は使える者を全て使って火消しに回ってると考えて良いと思うんだよ。

どうやって無事に着地させるかは、人間の私には分からないけど。

少なくても私1人では何も出来ないからね?

これは道を誤った人間全体への試練なんだと思う。

もう教会とか貴族とか平民とか、本体からしたら全て纏めて人間だから区別がついて無いんだよ。


その区別をつけて仕事を振り分けるのが、今の私の仕事だと思ってくれるかな?

人間の私がホントに神様からの使者なのかを、貴方達に信用して貰うには、私が言葉を尽くして説明するのと、人では出来ない事をして見せるしか手は無いんだけど。


それでも信じる信じないは、全て貴方達個人の采配にかかってるんだよ。

だから滅びを望むなら何もしなくて良いし、好きにしたら良いと思うのね?


でも少しでも生きたくて抗うのなら、私は私の出来る限りを駆使して、貴方達のお手伝いをしようと考えてるんだけど、みんな付き合ってくれるかな?」

『⋯⋯⋯』


全員表情が暗くてどんよりとしている。

それはそう。

だってハルマゲドンのパーティーに選ばれたばかりだからだ。

下手をすれば兵士さんは上司から睨まれるし、錬成師さんは相手がこの国のトップだ。

下手をしたら自分だけでなく、家族まで巻き込んでしまう恐れが無いとも言えない。

ギルド長も渋い顔をしている。

現場にしがみついて居たいのに、トップなんかにつかされたらデスクワーク塗れになってしまう。

しかもこれから国のトップともやり取りしなくてはならないとなれば面倒何処の話では済まなくなる。


小汚いオジサンは妻と娘の件で来ただけなのに、何故か急に大きな事に巻き込まれたもんで、何で俺が⋯ともの凄く悲壮な雰囲気を滲ませてた。

私だってそうなんだから、そりゃみんなだってそうなるよね!


「さて!気分を切り替えて行こう!

無茶振りに思えるけど、神様は乗り切れない試練なんて人間には出さないと思うんだよ。

つまり此処に居る全員が、神様がこの人なら出来る!と、思って集めた優秀な人材だと思って良いと思うんだよね。


全てが終わって司教さんは教会の人達から救世主扱いされるだろうし、今は寝てるけどジョルノフさんは神様仕込の魔法の伝道師となって、教会の中の魔法の標準を引き上げる人材になると思うんだよね。

出来れば彼は精神的な象徴として魔法を教えるのと並行して、教会の良心であり続けて欲しいから、実務的なトップは司教さんが務める形になるんじゃないかな?

それだけ上はやらかしたから、責任は取ってもらう必要が有ると思うんだよね。

その内容は教会で決める事だから私が口出しする事では無いけど。

もし私欲で動いて無ければ、穏便にしてあげて欲しい所なんだけどね。


それとギルド長は伝説になって、戦士達から目標になる存在として、後世に語り継がれるだろうし、戦士のオジサンも死んだ後になるかも知れないけど、娘さんや奥さんに沢山褒めて貰えば良いんじゃない?

私には出来なくても、それぐらいの事は本体なら出来ると思うよ。

錬成師さんは⋯うん。

ごめんね!」

「何故私だけっっ!」

「だって錬成師さんの幸せが何か分からないんだもん。

でも上手くやれたらこの国のお姫様を捕まえられるチャンスだよ!

あ、独身じゃ無かったらゴメンね!」

「独身だが姫が欲しいとは全く思っておらん!」

「そう?

サラディーン様は素敵なお姫様だよ?

まぁこれは錬成師さんだけじゃなくて、向こうの好みも有るから何とも言えないんだけど⋯。

あ!そうだ!

ねぇねぇ、ゴロゴロドンの素材はどう?!

あれなら錬成師さんのご褒美になるかな?」

「⋯だからゴロゴロドンとは何だ。」

「え~と何だっけか。

レジャーシートじゃ無くて⋯あ!レジャーポットだ!」

「なっっ何っ?!

レジャーポットだと?!」

「そうそう!

そう言えば魔法の鞄持って来てくれてたよね?

それに入れて持って帰ればいいよ。

あ、でも凄く大きいからはいるのかな?

お父さんが準備をしたら中に入って見ておいでよ。

あ、要る前提で話をしてたけど、要る?」

「要る!!!」

「喜んでくれる?」

「当たり前だろう!

10級なんだぞ!!!」

「あー、よかった。

兵士さん達には角クジラ鮫の残りを全部あげるよ!

美味しいから皆で食べてね!

何なら大隊長さんにあげちゃって良いよ!

ただ生物だから早めに食べる事になるだろうし、皆にも食べさせて貰ってねって、黒魔石からの伝言だって言っても良いよ!

これから戦士を雇うのにまた漁をするから、領主さんの獲物も見つけてくるね!」

「かー!ええのう!

ありゃ最高に美味い肉だぞ!

期待して間違いないぞ!

よかったなワセラン!」

「はぁ⋯しかし賄賂にならないのだろうか?」

「だから大隊長や領主さんに渡してから降ろして貰うんだよ。

直接貰うと問題だけど、上から下ろして貰う分には大丈夫でしょう?


教会からの迷惑料だって言っておいてよ!

気分的にはうちの子が悪さをしてゴメンね!ってお母さんが言うヤツね!

デッカイ角も有るから、後で持って行ってね。

兵士さんに荷車を準備させた方が良いと思うから、兵士さんも現物を見ておいたらどうかな?

ついでにアルフィンも見たらいいと思うしね!


あ!そうだ。

良かったら塩なら沢山有るから領主さんに塩をプレゼントしちゃおうか。

角クジラ鮫を持ってくついでに塩を入れる大きい水瓶を何個か持ってきたら良いよ。

ホントなら私が挨拶しなくちゃいけないとは思うけど、王様から私は秘密って言われてるから、会うと後から逆に迷惑をかけちゃうかも知れないから、それは向こうに決めて貰った方が良いかもね?

だからどうすればいいか、大隊長さんに相談しといてね?


そこだけの話にして止めてくれるのなら、神様関連の話をしても大丈夫だと思う。

でもアルフィンと上が上手く行くまでは完全秘匿しといてって約束させてね!

アルフィンが次代になれなかったらかなりヤバヤバよ?」

「うう⋯承知した。

しかしはたして俺に務まるか自信が無い。

少なくても大隊長は此処に来るのを止める事は出来ないと思う。

俺にはその権限が無いからだ。」

「その件について1つ提案がしたい。」

「うん、何だろう?

錬成師さん。」

「平民の兵士に領主を抑えるのは不可能だ。

私がこれから此処で作業を行うと言うのなら、大隊長に領主を抑えさせた方が良いと提案する。

また大隊長より領主にヴィルヘルム閣下への連絡を任せられないだろうか。

私が作業を終えて行動するのでは遅すぎると判断する。

そうすればその作業が無ければ、私が次の錬成師と連携して街の保護も出来るだろう。」

「それが出来るなら話は早いのだけれど、問題は教会の顔が潰れてしまう事なのよ。」

「この期に及んでそれ何処ではあるまい!

無辜の民の命に関わる問題なんだぞ!」

「それが分かっているからこうして私が出張っているのよ。

誰一人として今回の件で死者は出さないわ。

そしてこれからも教会はこの国の中で平穏に過ごさせなければならないの。

だからこの国の王様はお忍びで行動を起こしたのよ。

全てはウェスタリアに戦乱を起こさない為なのが貴方なら分かるわよね?」

「ぐぅ⋯」

「王都に行くのが嫌なのは分かるけど、そこはもう逃げられないわよ?」

「領主は絶対に介入させては駄目なの。

大隊長までが精一杯ね。

責任は全て王様がとるから、領主は黙認させるとアルフィンが起きてたら言えるんだけどなぁ〜⋯はぁ。

仕方が無いわね。

神様権限でゴリ押しするしか無さそうだわ。

困ったわね。

黒魔石が神様の関係者だと思われるのは、今後を思えば頭が痛いわ。

キリンシュのお爺ちゃんは側仕えだけど、私の予想ならこの国の密偵の総責任者なのよ。

この街にいるのは確実なのよね。

だから私の事がバレるのは時間の問題かな。

どうせバレるんならやむを得ないわね。

その代わりアルフィンが次代の神様なのは絶対に秘密よ。

この場にもし国の密偵が居たとしても、キリンシュのお爺ちゃんにだけは知らせないでね。

そうで無ければ私達は破壊神から逃げながら、この星から逃げ出す羽目になるわよ。

恐らく大隊長にはそこら辺も釘を刺しておかなくてはならないわね。

領主の近辺は危険地帯になるわ。

兵士さんは大隊長に詳しい話は伏せて、此処に来るように伝達を頼めるかしら?

ただしこの後の作業に野次馬は厳禁になるの。

だから教会の裏手に野次馬が回り込め無いように、兵士さんで手配して貰えるかな?」

「それなら!

そうさせて貰おう!

では私はこれて失礼する!

その扉の中は大隊長にお見せして頂きたい!」

「分かったわ。

そうしましょう。

でも喜んでる所悪いけど、貴方も逃げられないと思うわよ?」

「ぐぅ⋯」

「まぁ良いわ。

時間が惜しいから早く行きなさい。」

「ハッ!」


チャカチャカと革の鎧や装備が擦れあう音を立てながら、ワセランは部下を連れて足早に立ち去って行く。


「司教さんは大隊長が来たら裏庭で作業してる私を呼んで欲しいの。

私も少し動かなくてはならなくなるから、私が此処に戻るまで大隊長の対応をお願いするわね。

あと⋯そうね。

王様を寝かせる寝台を1つ大至急で手配して貰えるかしら?

藁のベッドで寝てるから、貴族が見たらひっくり返りそうじゃない?」

「陛下を何処に寝かせてるんだ貴様は!」

「ほらね?

お金なら渡せるけど、良さそうなベッドって幾ら有れば買えるのかしら?

金板があれば足りる?

お父さんが来たらそれも言わないと駄目ね。」

「きっ⋯金板ですか?」

「あ!そうだわ。

ここのベッドを1つと裁縫道具の一式を頂戴!

上等そうな布やふかふかしてる綿みたいな物を持って来てくれたら、それで何とか誤魔化すわ!

お金は後で渡すから、私達に渡したものは後で補充をお願いね!

お父さんがお金を管理してるから、顔を出したら渡させるわね!」

「その様な!

滅相も御座いません!」

「良いのよ。

その代わりかなり苦労させるけど、頑張るのよ!」

「はいっっ!

今直ぐ言われた品の手配を!

なるべく国王に相応しい上等な品を準備するのだ!」

「はいっっ!」

「時間を優先させてね。

大隊長に見せるまでに準備しなくちゃならないの。

多少は質が落ちても仕方が無いわ。」

『はい!!!』


感涙で泣きながら司教が側近に伝えてたから、それに加えて指示を出すと司教と側近の2人が元気の良い返事を返してくれた。

そして側近の1人は一礼すると、スルッと静かに立ち去って行く。


「ギルド長さん、魔法の鞄を渡すから、誰かに頼んで換金して持って来て貰えるかしら?

私が直接的ギルドに行くのが難しくなるのよ。

換金したい魚や魔石がまだ沢山有るのよね。

そのお金で誰かに野菜を買ってきて貰いたいんだけど、広場に居る夫婦の誰かに頼めないかしら?」

「魔法の鞄を渡すんか!

そりゃどれだけ良いヤツだろうが持ち逃げするぞ?!」

「その時はその時だわ。

でも品が手に入らないのは困るのよね⋯」

「でしたら私共にお役目をお申し付け下さいませ。

戦士ギルドで換金と買い出しを捺せて頂きたく存じます。」

「助かるわ!

でも今回のやらかしの謝罪が先になるから、そっちは後からで構わないわよ。

どうせ塩やら角クジラ鮫やらを運び出すのに時間がかかりそうだもの。

大隊長にはそれにかかりっきりになって貰うから、ギルド長には井戸の警備の手配なんかをその間にお願いするわね。

その依頼は素材を売って買い物に行く教会の人に任せたらいいかな?」

「ふむ!それがいいな!」

「魚の解体には時間がかかるだろうから、支払いはそこらにして貰ってお釣りは教会の人に後日受け取って貰えば良いのかな?」

「ではその様に手配をさせて頂きます。」

「後は⋯他に手を回さないと行けない事は何か見落として無いかしら⋯。

少し考えるわね。

そっちも考えて意見が有れば出して欲しいのよ。」


でも買い出しをして貰えるのなら、鍋なんかも欲しいんだよ。

教会の人にスープの残りを渡そうかな?

謝罪が終わってから食事の支度とか大変だもんね?

それからこの後の流としたら⋯と、今後の動きをお攫いしてたら、バンと向こうからドアが開いてロベルトが顔を突き出して叫んだ。


「大変だぞ!

昨日の魔物とゴロゴロドンが来てる!」

「あ!お父さんか!」


ウッカリしてたけど、そういや父をハイパーモードにしてたから、生き餌みたいになって魔物を呼んじゃったのかも知れない。


私はすかさず背もたれから飛び降りると、扉に向かって走ろうとする前に一歩踏み出した所でビタン!と転んだかと思いきや、地面に顔から突っ込む前にロベルトがスライディングして私をキャッチした。


しかも勢いがついてるから、バン!と音を立てて椅子に足をついてスピードを殺しながら、直ぐに立ち上がると扉に向かって走って行く。

私は何が何だか分からないウチに、ロベルトに拾われた状態から、あっという間に立ち抱っこされてたからビックリした。

もう完全に身体強化の魔法を使いこなしてらっしゃる。

ウチのお兄ちゃんが凄すぎるんだが?!


そして扉から入った先で父が浜辺に向かって両手を伸ばしてる背中が見えて事態を正確に把握する。


私が入江の出入口で魔物達をミンチにしたから、血の匂いに誘われた新しい角クジラ鮫が、勢い良く入り江に突っ込んで来たんだろう。

そして遠浅のせいで進めずに、ヤバいと思った角クジラ鮫がUターンがしたくてバタバタしてたら、水飛沫が凄いことになって、慌てた父が今海を操って未動きが取れないようにしてるのかと思われる。


そしたら父の魔法と存在に惹かれたゴロゴロドンが沖から飛んで来たらしくて、入り江の上に黒雲が立ち込めてる所だった。

ここはまだ時差のせいで夜中の3時ぐらいになるから、移動がしやすいんだろうか。

入り江の黒雲の後ろにも、小さな雷雲が3個ぐらいポツポツとちょっとだけ離れて此方に向かってる最中のようだ。

親が北上して残された子供のゴロゴロドンが、オヤツを食べに来た感覚なのかも知れないが、最低でも4体はいると思われるゴロゴロドンに焦ったロベルトが、あわてて私を連れ戻しき来たんじゃね?


全部倒すのは簡単だけど、後の処理を思えばこんなにはいらないんだよ。

しかも子供っぽいゴロゴロドンとか、魔石の質も悪そうだしな。

だから私は後ろの3体の前にお日様みたいな光の玉を出してみた。

少しは足止め出来るかな?と、考えながら、入り江の方のゴロゴロドンは近すぎて危険なので、止むなく魔力の手を伸ばして入り江の外に沈める。


すると案の定抵抗しようとして放電したせいで、角クジラ鮫が流れて来た雷に痺れてエビ反りになってアバババみたいな状態になった。


しまった!アイツを先に沖に戻せば良かったと思ったけど、でもやっぱりゴロゴロドンが最優先になるから、これは仕方が無いヤツってもんだろう。

沖に投げ込んだ所で、そこでアバババするだけだしな!


『なんじゃそりゃー!?』


ゴロゴロドンの放電が終わって角クジラ鮫がドーンバシャーンと、半身を浅瀬に横たえた所で後ろからギルド長が大きな声で叫んでた。

恐らく司教さんや戦士のオジサンや錬成師や騎士も叫んでただろうけど、ギルド長の声がデカすぎてそっちの人達の声が音量だけは残ってるのに、言葉がかき消された感じになっちゃってる。


でもそんな事に突っ込んでる余裕はまだ今は無い。

足止めのお日様モドキは、少し怯ませるぐらいの効果しか無かったようで、進みは止まったけどその場所からパリパリと黒雲が放電しているからだ。


何時もアルフィンはどうやって追い払ってるんだろ?とは思ったが、私が此処に来てる時は一度も来なかった事を思えば、アルフィンが寝てる隙を狙って来てるとすれば、私は狩れる存在だと彼奴等に思われてる事が予想出来る。

そりゃ神様が弱体化してるんだとしたら、向こうからしてみれば美味しい餌に見えるんだろうね。


だからカチンときた私はヤツ達の生態を考えれば黒雲が無くなれば慌てて逃げ出すんじゃないかと考えて、魔力の手で扇風機を黒雲の前にセッティングする。


「てめぇら舐めてんじゃねぇぞコラーーー!!!」


気合を入れて黒雲達の前にセッティングした扇風機をオートマでぶん回したら、黒雲があっとに吹き飛んでしまい。

中から丸々とした風船が明らかにビクッとしてヒレをパタパタさせると、直ぐに方向転換をして沖の方へと逃げ出して行った。


死んだゴロゴロドンはマンボウにしか見えなかったけど、どうやらフグの間違いだったらしい。

何時もはあんなに膨らんで、空を飛んでる事が分かった。

そりゃマンボウが飛ぶよか浮きやすいよな。

そうかそうか、フグだったのかぁ~⋯竜種???

竜の要素が雷ぐらいしか無い気がするのは私だけ?


私の中の竜ってトカゲなんだけど、確かにトカゲが空を飛ぶよりかはフグの方が飛びやすそうでは有るのよね。

知らんけど。


なんかこうロマンが足り無くね?

そんな実用性とかいらんから、もうちょっとなんかこう、ないんかしら。

こりゃ妖精とかも気をつけておかなきゃ、私が考えてるピクシーみたいな可愛いものとは何か違うのかも知れないぞ?


私も作ってんでしょ?

何でこんなヘンテコな事になってんの?

でもフグなら、テッチリ?

マンボウなら美味しく無さそうだと思って放置してるけど、フグだとしたら可食の部分を探せば美味しいのかも知れない。

変だなぁ〜。

私は別に食いしん坊じゃ無いと思うんだけど、角クジラ鮫にしてもゴロゴロドンにしても味をメインで考えて作ってたりしない?


そりゃカッコいいよりは美味しい!の方が良い気もするけど、メロンにしても見た目と味にこだわって虫の卵とか、最悪なんだよ。

この変なセンスは一体何処からやって来たのか、本当に不思議だった。

でも現実逃避してても後始末をやらなくちゃいけないから、父に頼んで角クジラ鮫を浜に寄せて貰う。

私が新しい角鮫の為の氷の土台を作ってたら、いつの間にか皆もゾロゾロと入って来ちゃった。


触らないと思うけど、アルフィンの周りはショーケースみたいに覆っておく。

そしたら全員が気付かないで魔物にばかりに気を取られててウケる。

だって藁のベッドってかなり目立つんだよ?

角クジラ鮫とゴロゴロドンに負けたアルフィンに、私の心の中が大爆笑!


「お兄ちゃん、私はこれから沖に行くけど残る?

それとも付いて来る?」

「行く!」


ロベルトが顔を輝かせたので、私は10mぐらいの高さまで私達の身体を持ち上げると、入り江の出入口の外まで魔力の手を滑り台に変えて滑って行く。

入り江の中にはまだ角クジラ鮫がいて、父が海を操ってる最中だったので、私よりも強い魔力で支配されてる区域を、私の魔力で海の中を行くには難しかったからだ。

父の魔力に染めちゃうと父からの指示が優先されるから、私がコントロール出来ないんだよ。


「うひょー!」


ロベルトは滑り台が初体験なのと、魔力の手が見えないから風を切って進む事に驚きながらも、顔を輝かせたままで私をギュと抱き締めてる。

高さとスピードは平気なのか、奇声を挙げてるけどスリルを楽しんでるみたいだ。

ジギタス伯父さんとワックスさんにも大爆笑だわ。

まぁあそこまで高さは無いっちゃないんだけど、その代わりにスピードはこちらが上なんだよね。


浜から入り江の出入口まではかなり距離があって、目算では難しいけど10キロぐらいは有るんじゃない?

だから角クジラ鮫がイケる!と勘違いしたかはわかんないけど、浜辺から入り江の出入口まではなだらかに地面が傾斜してるけど、まだ入り江の出入口は人工深海の1/5ぐらいの深さは有るんだよね。

でもそこから僅か200m前後で急に地面が浅くなって行くから、あんな情けない事になっちゃったんだと思うのよ。


アイツのスピードを思えば角クジラ鮫は急に止まれない!ってヤツなのかも知れないね。

むしろ私の計算通りなんだけどさ!

別に角クジラ鮫を狙ってた訳じゃないけど、大型の魔物をハメて地上に引き上げるのに、前世の記憶から川の魚を取る時のトラップを思い出して利用してみたんだよ。

海の中に居るから面倒なだけで、身体が地上に出てたら平民の戦士でも倒せるんじゃないかと考えての実験なの。

勿論浅いといっても入り江の近くは10m前後と身長以上の深さにはなってるから、足場になる何かは必要だと思うよ?


でも今はまだロベルトとマルセロが狩りに慣れてない状態だから、魔法で足場を作ってからどんな足場が戦いやすいかを、彼等の成長を見ながら、これから調べて行こうと考えてたんだよね。


まぁ私のイメージとしたら、浜から入り江の囲いまで続く長い桟橋(さんばし)かな?

入り江の囲いから弓矢で攻撃出来るし、接近戦に必要なのがソレだと思うんだよね。

ただ魔物の攻撃をダイレクトに受けるから、どんなタイプの桟橋が良いかは試行錯誤が必要になるとは考えてる。


でも作るのは簡単だけど、今作っちゃうと間違い無く兄貴達が危険な入り江の出入口まで遊びに行っちゃうから、これはまだ仮想の段階なんだけどさ。


それで適当に10mの高さで滑り台をイメージした簡易桟橋を作ったんだけど、でもこれだと移動の時間が遅いんだよね。

なので私とロベルトの身体を魔力でおおってガードすると、魔力の手で速度を跳ね上げた。


「お兄ちゃんもっと早く移動するよ。」

「うお?!」


突然風がピタリと止まったのに、背中に身体が張り付く重力を感じで、ロベルトはすっごく驚いてた。

これまでは公園に置いてある滑り台で遊んでたのが、いきなりスポーツカーに乗せられた気分だと思う。

でも完全な閉鎖空間になるから、加速した時に重力を感じるだけなので、あっという間に身体の圧力は落ち着いて行く。


「はえぇー!」


見る見るうちに入り江の出入口まで来たから、兄は目を輝かせながら楽しそうに叫んでる。

でもこのままいきなり停止したら、それはまた圧力が復活してしまうので、私は一度傾斜をつけたままの状態で海の中へと突入して勢いを殺す。


「うひゃー!

海の中に来ちまった!

ふあぁぁ⋯」


私の身体の周りの魔力を、先の長い流水型にしてなるべく衝撃は殺したけれど、ぐるりと大回りして入り江の出入口から100mぐらいの場所まで行くと、深海半分まで沈めていたゴロゴロドンを引き上げるのと同時に、周りの海をあやつって浮上して行く。


「ありゃ〜⋯また随分と集まってたんだね。」

「これ全部死んでるのか?」

「ウ~ン⋯ちょっと見てみるよ。」


ゴロゴロドンの電撃を浴びて死んだ魔物が水面に大量浮かんでた。


このまま放置しても良いんだけど、小さな魔物はあんまり殺したくないんだよね。

大きな魔物だけを浮かべたゴロゴロドンの上にポイポイと魔力の手を使って引き上げた後で、4級以下ぽい魔物は全て巻き戻し回復魔法で回復させてやれば、それまで静かだった魔物達が全部バチャバチャと慌てて海の中へ戻って行った。


まだ死んでから5分も経ってないから、蘇生が出来たんだと思う。

これが何時間後とかになると、難しい気がする。

巻き戻しに使う魔力の量は、時間の経過で必要な魔力の量がかなり増えるみたいだからだ。


それに元になる身体も必要になるし、人間なら魂とかの問題も有るのかも知れない。

だって魂が無ければ転生なんてシステムが運営出来ない事になる。

身体から魂が離れるまでの時間がどれぐらいなのか分からないから、蘇生に関して言えばその辺の研究をしなければ植物人間を大量に作る事になってしまうんだよね。

魂を身体に呼び戻せるタイムリミットは、再転生までの時間になるだろうし、何処まで空の上に魂がプールさてるかも私は何も知らないんだよ。


でも今回それが実験できるかも知れない。

植物人間になった場合は、残念だけどそのまままた殺してしまう事になるから、周りの人たちの了解は必ず必要になるけどね。

それには魔力が必要なんだよ。

でもまぁ魔力なら沢山集められるから、やれるだけやってみようかなと思う。


そんな真似をしたら私は大惨事になるだろうけど、今回はコッチがやらかしてるからって事にして、一回かぎりの大盤振る舞いを演出してみようかな?

どうだろう?

死んだ直後なら人でも蘇生が出来たら便利だよね。

それならもう死んでると諦めてる、身体がまだ使える状態の女性だけなら、ワンチャンやれる可能性がある?

でも生き返らなかった家族は何で?!ってなっちゃう?

それならこれから向こうの皆に聞いてみれば良いよね。

私は神様じゃないから、皆に決めて貰えば良いんだよ。


「お兄ちゃん、ちょっとまた海の中まで付き合ってくれる?

少し魔力を補充しときたいんだよ。」

「おう!いいぜ!」


それには魔力を補充しとかないといけないから、沖を目指して海の中を突き進んで行く。

あんまりはなれて陸地が見えなくなると困るけど、上空に上がればある程度の方向は分かるし、南下してるだけなので月を目指せば良いから、そもそも上空に行く必要も無かった。


前世なら水が抵抗するから速度は出せないけど、その水を操れば抵抗しないよね!

だから重力も水中だと軽いから、今なら空よりも早く進めちゃうのよ。

そのうち空でも大丈夫な方法を編み出すんだとは思うけど、その速度を出すのに必要なのは魔力になるからかなり高く登らないと駄目なのよね。


そして水中も同じ何だけど、必要なのは酸素なのよ。

閉鎖空間だから無制限に進めないポイントは此処にあるの。

だからトビウオみたいに時々水面に出てから魔力の囲いを一部解放して、外の空気の入れ替えをしてからまた海の中へと浅く潜って行く。


高い上空になるとこの時は気圧が変化するだろうから、その問題点をクリアしなければこのやり方では不適切なのよね。


そして体感で5分ぐらい沖に出たら底を目指して一直線に進む。

夜だから私達の側に光を出して、暗い中をある程度進めば魔力が豊富な場所を私の魔力が感知する。

そこで一気に周りの魔力を吸収すると、何時も通りに魔法の鞄に僅かな空気と一緒に取り込んで、逆に魔法の鞄から中の空気だけを出して、酸素が減らないように気をつけて作業を行う。


この辺はもう慣れたから息苦ししい事も感じずにサッサと1分後たらずで作業を終えた。


「わわわ!何か魚や魔物が沢山集まってきたぞ?!」

「大丈夫、何時もは捕まえて魔石を抜いてるんだけど、あんまりやると生き物が減り過ぎちゃうから、今回はもう要らないかな。

それじゃ用が終わったら早く帰るよ!

はー、忙し忙し。」


そしてまた5分ぐらいかけて私達の入り江に戻って来ると、宮殿からワラワラと人が沢山集まって来た。


「あんた!

何処をほっつき歩いてんのよ!」

「あ、お姉ちゃん!」

「僕も!

僕も行きたかった!

ズルいよお兄ちゃんだけ!」

「あぁ⋯、そうだよね。

お兄ちゃんゴメンね?」

「海の中は暗かったけど、魚や魔物がウジャウジャいてヤバかったぜ!」

「えー!

僕も見たかったのに!」

「今度連れて行ってあげるから、今はごめんね。

あと3人共ちょっと『カムカム』。」

『かむかむ?』

「内緒話をしたいから今直ぐ集合!」


怒り心頭だった姉もマルセロも、ササッと素早く近寄ってくれた。

大人達も近づいて来てるけど、目眩ましにドーンとゴロゴロドンとそこに包んでた6級から8級行くかどうかの魔物を置いたら、全員がそっちに流て行く。


「これから名前は呼ぶのは禁止だよ。

戸籍でカタリナとロベルトで探される危険性が高くなるからね?

来年になったらそこマルセロがついたらもう村に住めなくなっちゃうよ。」

『あ!』

「お父さん達がお姉ちゃんの名前を呼んでた時から凄く気になってたんだよ。

この話は直ぐに外の人が離れたらマルセロお姉ちゃんが家族全員に伝達して欲しいの。

お姉ちゃんは黒魔石の姉、ロベルトお兄ちゃんは黒魔石の上の兄、マルセロお兄ちゃんは黒魔石の下の兄、お父さんは父、お爺ちゃんは祖父って簡単にこんな感じかな?

兄上と兄様で分けても良いけど、なんかよび方ある?

お姉ちゃんがお兄ちゃんを兄様とか呼ぶのは変なんだよ。」

「そうね、どうしましょう。

私は皆のお姉ちゃんだから姉でいいけど、2人が困るわね?」

「んじゃ俺は黒魔石の騎士になるから黒騎士な!」

「僕もそれが良い!」

「じゃあ色分けしよう!

黒は私の色にして、お姉ちゃんは何色が好き?」

「私?!私は赤が好きよ!」

「じゃあお姉ちゃんの色は赤だね!

お兄ちゃん達は何色が好き?」

「俺は黒も好きだけど、黒はリリアナの色なら銀色が良いな!」

「僕も!僕も銀色が良かった!」

「2人共銀色以外で好きな色は?」

「もうーマルセロは何時もそうなんだよな。

真似すんなよ、面倒くせえ。」

「だって僕もそれが良かったんだもん!」

「ちょっと喧嘩なんかよしなさい!そんな事をしてたら私が勝手に色を決めちゃうわよ!」

『うぅ⋯』

「じゃあロベルトお兄ちゃんは青でマルセロお兄ちゃんは緑はどうかな?」

「おー、青か。別に好きとかはないけど悪くは無いな。」

「僕も緑でいいよ!

チルチルが緑だし!」


チルチルとはマルセロが契約してる魔虫の事で、呼んだ?とばかりに襟元から出てきて肩にチョロチョロと這い出て来た。

それにうぎゃ~!と、内心苦く思ったけど、もう大分見慣れて来たから人間の慣れとは恐ろしいものである。

何故チルチルなのかはインスピレーションのみで決めたらしくて、チルチル動いてるから!と、謎の擬音が名前の元になってた。

チルチル動くって何だよ、チルチルって。

でも確かにチルチル動くと言われたらそんな感じもしなくはないから、ピヨピヨ鳴くからピヨ子と名付けた私と同じレベルのネーミングセンスじゃないかと思われる。

まぁどうでも良い話なのでこの辺で愚痴は止めておく。


「それならお姉ちゃんは聖なる赤の聖赤で『セッカ』、ロベルトお兄ちゃんは青銀で『セイギ』、マルセロお兄ちゃんは緑銀で『リョクギ』か『ミギ』ってあだ名をつけていいかな?

マルセロお兄ちゃんはリョクギとミギとどっちが良い?」

「えー?なにそれ。

またリリアナが作った言葉を使ったの?」

「そうだよ。だって赤とか青とか緑って呼ぶのが良かったらそれでも良いけど、どうする?」

「しぇっかって言いにくいけど、私はどちらでも良いわよ。

しぇいじ?なんか聴き慣れないか忘れそう。」

「ウ~ンりょうじとみじって何か変だよ。もう僕は緑って呼んで貰った方が良いかも。」

「そっかじゃあ皆の色で呼ぼうか。赤姉ちゃんて呼ぶよ?

私達兄弟はお姉ちゃんは別にお姉ちゃんで良いけど、父や祖父達が呼ぶ時に赤って呼んだ方が良いもんね?」

「そうね!そうしましょ。」

「じゃあ俺は青だな!」

「僕は緑だね!」

「じゃあ青と緑は、父や祖父だけで無くて、他の家族にも説明して、よび方を決めたらそれを私や赤に教えてくれるかな?」

「赤は私と一緒に来て貰いたいの。

あ、それとアーニャ叔母さん所のお孫さん達2人は絶対に家から出さないでね?

外から来た人に見られたらヤバいよ。

後でどうするかは父と相談するけど、今はそれしか無いんだよ。

そこはシッカリと説明して家に戻してくれるかな?」

「わかった、オヤジがそうは言ってたけど、ジキルスとハーニャにまた言えば良いんだな?」

「理解してたら特には良いかな。

でも騒がしくなったら外を見たくなると思うから気をつけてね。」

「分かった。」

「じゃあ僕は家に行くね!

青はお父さんとお爺ちゃんに言ってよ!」

「よし、それで行こうぜ!」

「赤は私を抱いて外から来た人たちから注意をそらして、青が父と祖父に話をする鐘の音を作るよ!」

「分かったわ!」


そうかぁ日本語はやっぱり使い難いかぁ。

でもそれが普通だよね。

外来語みたいに根付かせてやりたいんだけどな。

だって根付いてる言葉がちゃんと有るんだよ。

そりゃ言葉を伝えてるのが私なんだからそうなるよね。

でも完全にそうなって無いのは、相棒が居るからなのかもね。

それかもしくは日本語が古代語扱いされてて、魔法が発動しちゃうとか?

⋯やっべぇ、そうなったら私は危険物だよ。

日本語はなるべく話さないようにしなくちゃヤバいかも?

でも今まで漏らした日本語に魔法が反応しない所を思うと、逆に日本語で魔法が発動しないように廃れさせたとか有るのかな?

此処らへんの魔素が日本語を忘れるぐらいの長い時間をかけて、変質させて行ったのかもだよね。

いや、まてよ。

そもそも前世に魔法は無かったんだよ。

だから魔法言語は日本語とかけ離れた物で間違い無くて、標準語になってるマスタリク語の方に、日本語を混ぜて行った可能性が高いのでは無かろうか。


てか疲れてんのかな?

思考が脱線しまくってるんだよね。

そうか干渉されてるのかな?

だって蘇生は一歩間違えたらヤバい技術になるのよね。

人間の停滞は衰退の一因なのはそうだけど、今までなら悪い人が王様になっても寿命がきたら入れ替えが出来ちゃうのに、それが出来なくなると困る人は増える事になる。


そもそも魂の扱いがどうなってるのかを、私が知らない事が大問題なんだよ。

知らないまま下手な事をしたら上が大惨事になるんじゃない?

今までして無かった事をするんだから、そうなるよね?

だって魂の補完の設備に負担がかかる事になるんだよ。

しかも上はトラブルが起こってからそれに気がつく訳でしょう?

そしたら生まれ変わりのシステムがダウンして、子供が生まれなくなるか、今お腹の中で育ってる子供の育成に問題が起きるとしたらどうだろう。


これらの問題を考えたらそりゃ私を止めたくなるよね。

確かにこの蘇生プランを使えば、何人かの女性や家族は救えるけど、代わりに子供が産まれる事を楽しみにしていた母親や家族が悲しむ事になるとしたら、それを後悔せずに要られるかと言えば後悔するに決まってるんだよ。


上に蘇生プランを伝えるなら、どんな手段が良いのかな?

例えば魔力の籠もったインクに魔力の籠もった紙にそれを書いて宇宙に飛ばしてみるとか?

私の魔力で破損させないように宇宙まで飛ばせたら、私の魔力なんだから本体が気付いてキャッチするよね?

問題なのは本体がキャッチ出来た事を私は把握出来ない事になる。

でも本体なら何とか出来るんじゃない?

少なくても私が転生を繰り返してたなら、マスタリク語は読める筈なんだよ。

管理者はいまいちゃいちゃしてて、気付かないだろうから、本体へとダイレクトキャッチされる可能性は高いよね?


そしたら本体が何とかしてくれる私を分隊を管理者ルームに派遣するよね?

そしたら私の希望通りに魂の設備を修正出来る筈なんだよ。

恒久的には無理だろうけど、一発だけならイケる可能性は無い?

そして今後は短時間での時代しか蘇生しか出来ないよってすれば、前世を考えてみるとイケる気がするんだよね。

実際ピヨ子やさっき魔物達を蘇生した時には問題無かった訳でしょう?


だから私が念の為に上に手紙を打ち上げてから、無意識の魔法で残された家族が気になって上に登れてない魂だけを蘇生させるのなら、イケるんじゃ無かろうか。


ピコンと閃きが走った。

魔素には記憶が宿るんだよ。

それならインクも紙も必要なんかないよね?

私が産まれてから今までの記憶を込めた魔力の手紙を打ち上げたら良いんだよ。

そもそも私はそう言う存在だから転生を繰り返してた訳でしょう?

だったらヤれるよね。


私は打ち上げロケットのイメージで魔力の矢を真上に向けて打ち上げた。

まずは第1弾。

このピンチを伝える為の情報を送り込む。 

それで向こうがどんな反応をするかを様子を見て決める事にする。

返事の代わりに私の手紙がとどいた事の合図は短時間の日食にした。

闇のカーテンを使えば出来るよね?


「キャア!

ちょっと今のは何なの?!」

「うん?お姉ちゃんはなにか気付いたの?」

「だって今もの凄く大きな魔力が飛んで行かなかった?」

「根回しってヤツだよ。」

「はい?!」

「それよりも早く向こうに帰らなくちゃね。

面白いものが見れるかも知れないよ?」

「何なのよもー!」

「作戦変更。

彼奴等全員摘み出すから、扉の外まで付き合ってよ。」

「え?私が出てもいいのかしら?

その代わり教会の中だけになるけど、そうだね。

念の為に顔は半分隠して置こうかな。

お姉ちゃん、目だけを開けて闇のカーテンで布を作る感じで花から上を覆えるかな?

こんな感じになるんだけど。」


お手本として目だけ空けた闇のカーテンの目隠しを顔につけててみた。


「目の部分だけをよけたら見えるものね!

考えたわね〜!」

「今はこんなのだけど、時間があったら金の金具で髪留めにして、赤色のレースで鼻まで覆える可愛いヤツを作って貰おうよ。」

「キャア!良いわねそれ!

すっごく楽しいわ!」

「それじゃこっちが準備出来るまで、外に行こうよ。」

「ええ、分かったわ!」


私達はウキウキしながら扉に向かい、私は魔力の手を使って外野を全員扉から引きずり出した。


「何をする!」

「あのさぁ?

こっちは準備中なのに緊急事態になったから戻ったんだよ。

そんなの見てたら直ぐにわかるよね?


そりゃそっちに悪意が無いのは分かるからこの程度にしてるけど、ホントは記憶を消しちゃう案件だからね?

秘匿しなくちゃいけない事が有るから準備してたんだから、その辺の気遣いとかして欲しいなぁって思うのは私だけ?


後で見せる為の準備だったんだから、それまではこっちにいて欲しいと思うのは悪い事?

いきなり摘みだしたのは、緊急事態で無駄に鐘の音が過ぎてて、広場に待たせてる人が居るからなんだけど、ねぇまだ鐘の音を無駄にしたいのかな?」

「クッッ⋯」

「貴方以外の人は分かってくれてるみたいで誰も文句を言ってないんだけど、少しは状況が理解出来たかしら?」

「っっ⋯承知した。」

「はぁ⋯良かった。」


悔しそうに目を三角にして睨んでる錬成師さんを、逆にため息をついて牽制してると、視界の端でベッドを運んで来てはオロオロとしてる人を見つけたので、パッと顔を明るくさせる。


「お姉ちゃん!

ベッドが届いたから魔法の鞄に入れておいてくれない?

これからお貴族様が来るから、王様をコッチに寝かせたいんだよ。

藁のベッドのままだと文句を言われそうでしょう?」

「そうなの?

貴族は参加させたらマズイんじゃ無かったの?」

「でもその貴族を抑えるのに必要な人材が、兵士の大隊長さんなんだよ。

それでその人がお貴族様なんだよね。

これから私はその説明をしなくちいけないから、そこの椅子で寝てるヤツを叩き起こして、魔法の使い方を教えてやって欲しいんだよ。


悪い人が別で動いてるから、これから浄化祭りになるんだけど、少しでも使えるように鍛えときたいんだよね。

でも悪さをした現場を見せてからになるんだけど、後で頼めるかな?

魔石から魔力を抜く所までで良いんだよ。

詰め込む方は国に売って、それで今回の件を手打ちにして貰うから、教会の人には教えないでね。」

『っっ?!』

「良いわよ。

鍛えたら良いのね?」

「その代わりお兄ちゃん達には聞かれないように気をつけてね。」

「そうね。離れてやらなくちゃいけないわね。

何処でしようかしら⋯」

「そこなんだよね。

教会でも今後は伝えて行く知識になるんだろうけど、それはその人の仕事にしたいから、向こうでやるしか無いんだけど、ゴロゴロドンが来た時に私が忙しいと困るんだよね。

お姉ちゃん、魔力の手を出して私みたいにやれない?」

「んー、魔石がこれで足りるのかしら?」

「しまった。

そうだった。

多分ハイパーモードになったら出来ると思うんだけど、なったらまたお父さんが煩くなっちゃうよね。」

「成長が止まるのは困るもの。仕方が無いわ。でもゴロゴロドンが来たならそんな事言ってられないから、やるしか無いんじゃ無い?」

「だよねー。

でもハイパーモードになったら、また魔物が寄って来るからキリが無いかもよ?

アルフィンはしばき倒してたから、向こうは警戒をしてるだろうけど、私達は弱いと思って舐められてるんだよ。」

「なら私もシバけば良いんじゃない?」

「でも殺し過ぎたらあそこら辺の土地の魔力が少なくなっちゃうよ?

ゴロゴロドンの雨で魔力を補充してるんだと思うんだよね。」

「そう言う事なの?」

「うん。魔力が少なくなったら、美味しい果物が採れなくなるかも知れないよ?」

「それは嫌だわ。

アンタがヤッてた雲を飛ばすヤツってどうすればいいの?」

「こうしたんだよ。」

「あら?へぇ分かり易いじゃない。こんな事も出来るようになったのね?」

「お姉ちゃんの魔力に染めてから、頭の魔力と置き換えてるだけなんだけどね?」

「へぇ?面白い事を考えたわね。」

「まぁ頭は複雑だからハイパーモードにならないなら、気をつけて使わないと駄目だよ?

まぁ私が出来るんならお姉ちゃんも出来そうだけど、人間で失敗したら回復魔法で巻き直すから記憶が飛ぶんじゃないかな?」

「ふぅん?」

「まぁ今は鐘の音が遅れてるから、裁縫道具1式と布とベッドを持って行ってお母さんと婆ちゃんに王様用のベッドを作ってもらえないか頼んで来てよ。」

「その人はどうするの?」

「こっちの用事が終わったら、お姉ちゃんに預けるようになると思う。

あ、そうそう。

お父さんにゴロゴロドンの上に乗っかってた魔物を魔法の鞄に入れて持ってこさせてよ。

教会の人に戦士ギルドで売って貰って、代わりに井戸の警備を依頼して貰う話にしたから、これにいれて持って来てって言っておいてくれる?

お父さんが忙しかったらお兄ちゃんでも良いかな。

青はここの人達にはもう顔がバレちゃってるの。

流れの戦士に見られなければ大丈夫だとは思うんだけどね。

ここの人達は仲間だから大丈夫。

でも旅商人で街を移動するから、野次馬の戦士達には顔を見せられないから、その辺は伝えておいてくれるかな?」

「分かったわ。

なんだか大変な事になってきちゃったわね。」

「もう私も頭が痛いよ。

お姉ちゃん達も守りたいけど、戦争になったら村でのんびり暮らして行けなくなるからね?」

「そうね。教会と戦争なんて絶対にして欲しくないわね。」

「だからこの人を鍛えるのも急ぎだけど、下手したら私やお姉ちゃんが街中を走り回る羽目になるかもだよ。

最低で病人の浄化かなぁ。

はぁ⋯」

「シッカリしなさい!

そんなひ弱だとこの先生きていけないわよ!」

「だって私まだ2歳だよ〜?

もう疲れちゃった〜。

朝から料理を沢山作ったし、角クジラ鮫やゴロゴロドンも2体倒して他にも色んな事をやって休憩もしないでもうずっと動いてるから、私の方が倒れそう何だけど⋯」

「今元気茶作ってるんだから、出来たら持って来てあげるわよ!それまで頑張りなさい!」

「うぅ⋯お姉ちゃんが厳しい⋯」

「煩いわね!

これぐらい気合で乗り切るわよ!

アンタは私の妹なんだから、そんな情けない顔なんてしてんじゃないわよ!

倒れるんなら昼寝の時間に倒れときなさい!」

「うぅ、はぁい⋯お姉ちゃん。」


理不尽鬼軍曹ゴリラは、鼻息も荒く教会の人達から品物を受け取って、早速と扉のなかに消えて行った。

姉の強烈さを目の当たりにした人達は、ポカンとしながら私達のやり取りを聞いていたけど、多分みんな姉がどれだけ理不尽なのかを分かってくれたように感じる。

だってしょんぼりとしてる私に、生温かい視線が向けられているからだ。

錬成師と騎士は知らなくても、元気茶のマズさは平民なら誰しも同じみだし、子供が好んで飲む飲み物ではないことも経験則から知ってるからである。


フッと当たりが取って暗くなったので、私はハッとして顔を上げると転がるようにして走り出す。

実際転んでコロコロ転がってたけど、止まったら立ち上がって教会の前に出たら、辺りがホントの暗闇になってて辺りから悲鳴が挙がっていた。


月や星の光さえない本気の暗闇だったけど、空をキョロキョロ見上げてたら。


『1日後』


と、金色の文字が浮かんでたので、「よっしゃー!」と、両手を高く挙げてあらん限りの声で叫んだ。


『特例』

『以降伝聞禁止』

『死後一年未満』

『恒久』

『幸運祈』


文字が次々と変わった後はまたサッと明かりが消えて、日の光が戻って来る。

もう2度と見ることのない、懐かしい文字の羅列に両目から大量の涙が溢れて来た。


「何だったんだ今のは⋯」

『ザワザワ⋯』


錬成師さんが明るい空を見上げてポツリと呟く声を聞いて、私はグイッと目元を腕で拭い去った。


「ちょっとリっ⋯黒魔石!

さっきのは一体何だったのよー!」


教会の中から姉の声が飛んで来たから思わずキャハっと笑い声が漏れてしまう。

周りから一気に視線が集まるのを感じて、私は朗らかな気持ちでヨロヨロと立ち上がる。

そして後ろを振り返って姉がキョロキョロしながらコッチに歩いて来るのを見ながら。


「死者蘇生が解禁だってさ。」

『はぁ?!』

「お姉ちゃん。

私がさっき空に向かって魔法を撃ち込んだのを覚えてる?

あれさ。

上にいる神様へのお手紙だったんだよ。」

『えぇ?!』

「でも今回が特例なだけで、今後は駄目って書かれてたよ。

その代わりに死後1年以内で、肉体が残ってる死体に限って死者蘇生を今後も恒久的にして良いよって許可をもぎ取ったよ。

戦士のオジサン、良かったね。

奥さんは無理だけど、娘さんになら会えるかも知れないよ?」

『はあぁあぁぁーーー?!』


教会で生き返るのってゲームでは同じみのシステムだもんね?

今私の頭の中では竜と冒険で同じの序曲がファンファーレを鳴らして、フルオーケストラバージョンで流ていた。

凄く懐かしくて心がウキウキとしてくる。

もちろん問題は山積みで、失敗だってするだろうし、そんじょそこらの魔力では足りない気がするんだよ。

平民が気楽に蘇生を使えるかと言えば、正直に言えばかなり難しいとは思うけど、上手く使いこなせるように無れば、毒の剣を奪う代わりに蘇生の剣を教会に持たせてあげられることになった。


恐らく貴族よりも平民の方があの技術を使った魔法が得意だからだから、身に付けられる可能性は高いはず。

だからこれから厳しい立場に立たされる事になる、貴族から流て来た立場の弱い人達に、この武器を授けようと考えてる。


平民よりも不器用な貴族は会得するまでに時間が必要になるだろうけど、その代わり持ってる魔力が平民よりも多いから、魔石の消耗を抑える事が出来るよね?

つまりそれだけ金儲け出来る形になるんだよ。

そして平民は修行に出させて、戦士達とパーティーを組ませてやればいい。

修行が終わるまでは、教会の人間が無償で蘇生の練習が出来る形になるからね。

そうすれば教会に戻った時に、金持ちのお貴族様から商売すれば良いんじゃない?

その代わり治る病の人じゃないと、蘇生は難しい事も伝えないといけないよね。

でも毒殺や事故死はこれで抑えられるのなら、王子に産まれて来たとしても、自由に修行が出来るんじゃ無いだろうか。


デメリットは魔力の消耗がどれぐらいかかるかによるよね。

だから魔石から直接魔力の補充が出来たとしても、錬成師が作る魔力の回復薬は廃れる所か、逆にシェアが広がりそうな気がするんだよ。


デメリットは何だった?

命が軽くなる?

そもそもハードモードだからコンテニュー機能が無いとクソゲーじゃん。

しかもそんなコンテニューも簡単じゃないからコレは無視で良いはず。


あとは麦!そうだよ食料が足らなかった!

でもコンテニューがそこまで軽く無ければ、麦の消費量は直ぐに足らなくはならないよね?

それまでに麦は増やさないと駄目だけど、そもそも一毛作じゃん。アレって肥料で何とかならないの?

はい解決!

後は私の家族がヤバいのは前から分かってるけど、家族も私もレベルアップしてるから問題あるけど取りあえず無し!

次!


「ちょっと黒魔石!

何をぼーっとしてんのよ!」

「あ、お姉ちゃん⋯」

「死者の蘇生って何なの?!

死んだ人を生き返らせるなんてそんな事本気でやる気なの?!」

「うん。

まぁとにかく中に入ろうよ。

此処で話すと後ろが大騒ぎに⋯」

『ザワザワ!!!』


既に遅かった。

ムッチャ騒いでらっしゃる。

仕方が無いから此処でやるしか無い?

でもココは野次馬が居るから駄目だ。

うらだ!早く裏庭へ行かなくちゃ!


「移動するよ!

お姉ちゃんはジョルノフさんを直ぐに叩き起こして!

戦士達の参加者は裏庭に来てね!

兵士さんは野次馬を排除!

さあ裏庭に行くよ!

全員移動!

詳しい説明と相談はそこでやるからね!」


こうして私は強引に皆を引き連れて移動を始める。

私は本当に疲れていた。

だから視野が狭くなってたせいで、見えた希望に飛びついたのだ。


落ち着いて考えたらそんな真似をしたら、もう私の日常に平穏無事なんて日々は2度と訪れないなんて、直ぐに分かった事だろう。

これまでイージーでは無かったイージーモードからハードモードへ移行していた様に、次代への修行の為に強制的にアルトメットモードに移行させられたのである。


本人に教えたら台無しになるはずの次代の神様候補に真実を教えたのは、それだけこの星が破壊される危険性が高く、更に言えば星を次々と破壊して行く破壊神が誕生する危険性があった為に、私はそれを阻止する人材として本体に利用されるのだと、現時点で既に気付いていたけれど。


そもそも蘇生なんて真似をすれば自分の人生がヤバくなるのは、既に私は理解していた上での選択だったので、ハードモードがアルトメットモードになった所で、大いなる理不尽から確実に大事な家族を守る為には他に道が無かったのだ。


ただ平穏無事な生活を送りたいと願っていたのも本当だし、そんなものが訪れないことに気付いて無かったのも真実そうだった。

この時点でそんな事に気付いてたら、きっと悲嘆に暮れて絶望していたに違い無いし。

全てを投げ出して泣きじゃくっていたと思う。


つまり私は既にプチられてたけど、視野が狭くなってたせいで、それに気付いて無かったのだ。

ううん。

気付いていても認めたく無かっただけなのかも知れない。


同じく本体も私なので、手広くやりすぎたせいで余裕が無くなり、今の私みたいに視野が狭くなってる状態なせいで、この後プチられる事になるのだけれど、その分岐点が今この瞬間だった事をまだ誰も知らないし、恐らくこれから先本人すらも気付かないのかも知れない。

あるいは気付いいてそれを行うからこそ、神様なのかも知れないけれど、それですら越えた何かが起こる時、運命の歯車が回り出すんだろう。


神様ならそんな事にならないだろうとは思うけど、本人が私と同じ存在なら、それはもう予定調和と言うべきヤツなんじゃないのかな?


アルフィンが本体の意図に気がつけないように、本体にもまた上位者が存在していてそれに気付いて無かったとしたら、そうなるんじゃないだろうか。


そりゃ愛人を沢山囲ってたら、その中の1人から刺されるようなもんだから、プチられるのは当たり前の結果なんだよ。


ただ本体が人間じゃないなら、本体がプチられた時の被害が半端なくデカいだけで、プチられても当事者は気付かないなんてマヌケな話は、世間ではザラに有る事なんだよ。

後で思い返して見て始めてそうだと分かるから、そう言う仕組みなんじゃないかな?


世の中は不思議に満ちていて、人間が理解出来る範疇なんて限られてるし、私達からしたら神様でも、その神様に至っても逃れられない運命とやらはきっと有るんだと思う。


世界における運命の分岐点と呼ばれるものが有るとするなら、この瞬間が正しくそうだったんだろうけど、そんな事に気付く者なんて現時点で存在するわけが無いよね。


当事者は気づけない。

必ず意識の外から訪れる。

それが運命の分岐点の特徴だからだ。


「と言う事なのよ!」

『ええぇぇーーーー?!』


教会の裏手でえぇを頂きました。

私はこの1日の間にどれだけのえぇをもらった事やら。

ちなみに時間が逼迫しているので、状況の説明は脳みそに直接情報を叩き込んだので、知能の高い低いに関わらず、参加者は全員が等しく状況を把握した次第になります。


まぁ姉が居るので、私の家族か次代の神様候補の説明は省いておりますが、アルフィンと私が次代の神様候補なのは、ちゃんと説明しておきました。


「なに?

アンタは自分が神様だって言うの?!」

「違うよ。

本体は神様だけど、私はその本体の端末で次代の神様候補なだけで、ちゃんと神様になれるかどうかはまだ全然決まって無いんだよ。

しかも今までの神様と同じじゃ神様になれない状況になってるから、お姉ちゃんがちゃんと神様になれるように私を厳しく躾けてるんじゃないの?」

「そんな事知らないわよ!」

「でもお姉ちゃんが私のお姉ちゃんなのは、それが出来ると本体の神様が選んだ人だと思うんだよね〜。」

「やめてよ!

私なんて普通よ!

普通なんだからね!」

「うん、それで良いんじゃない?

私だって今はただの人間なんだもん。

神様になりたくて生きてる訳じゃないし、お姉ちゃんだって神様を育てたくて育ててくれてた訳じゃないでしょ?

神様なんてなりたくてなるもんじゃ無いんだよ。

普通に精一杯今を生きて、その結果で決まるもんだと思うんだよね。

今回の事にしたってそうじゃない?

神様になりたくて頑張るんじゃ無くて、私は私の家族を守りたいから頑張ってるんだよ。

平和に暮らしてる村で、教会と国が喧嘩してたら家族と平和になんて暮らせないし、神様同士が喧嘩されても同じなんだよね。

この街を救う事や、悲しんでる人が少しでも嬉しくなってくれて、失敗した教会を許して貰えるのなら、それは回り回って自分の幸せの為になるんじゃないかな?」

「⋯そうね。

そう言われたら、そんな気がするわね。

でも星が壊されるとか聞かされたら、凄く怖いじゃない!」

「多分蘇生が成功出来れば、アルフィンが神敵にされる未来はかなり薄くなるんじゃないかな?

まだ成功出来るかも分からないし、失敗する可能性だって有るだろうから、油断が出来る状況じゃないし。

皆にもそれは理解して欲しいんだよね。


1年以内って許可は貰えたけど、私の魔力がそこまで持つか分からないし、身体は蘇生出来ても、その身体に魂が上手く定着してくれなければ、蘇生は失敗する事になると思うんだよ。


それに生き返るのが精一杯で、ピヨ子の時みたいに弱ってる状態かも分からないでしょう?

だから私も提案しておいてなんだけど、もの凄く怖いんだよね。


だって皆を期待させておいて失敗なんてしたら、それこそ悲しませる事になるから、蘇生なんて不確かなものの提案なんて、するべきじゃないかもって悩んでるんだよ。


そりゃ本当の神様がするなら完璧に成功させるだろうけど、私は人間の女の子なんだよ。

始めてやるんだから、失敗しないだなんて無責任な事は言えないじゃない。


それに今後教会に蘇生を毒の代わりに武器にするとして、運営をどうするのかは教会の人達が考えて試行錯誤して行く事になるから、今の悪い人がいる教会じゃ怖くて迂闊にこの知識を託せないのも本当なんだよ。


だから私は子供らしく大人に相談する事にしたの。

亡くなってから1年以内で、身体がちゃんと残ってる人に限って、失敗しても恨みっこ無しの覚悟が持てて、それでも試したいって思ってくれる家族の人達だけ、私も蘇生を試してみようかなと考えてるの。

蘇生をこの世界に持ち込む権限を持ってる神様からは許可が貰えたから、今は無理でもこの先の教会の人達の努力次第では、1年以内は難しくても、死んで直ぐの人で身体の損傷が少ない人の蘇生なら、出来るようになるんじゃ無いかなって考えてるんだよね。

そのための虫を育てて魔石を作る知識と、蘇生を行うのに必要な技術の伝達をする必要が有るけど、国との兼合いがあるから、そこは教会の上の人達と国の上の人達との話し合いによって決めるべき事かも知れないんだけど。

そこはもう神様権限をゴリ押しして、教会にドーンと授けるつもりなんだよね。

その代わりにやりたくもないのに悪い事をしてる人達は止めて貰わないと駄目だし、神様が大好きで熱心なあまりに、教会の中のおバカな人達が好奇心や勝手な使命感で私を拘束したり、家族を酷い目に合わせたりしないようにして欲しいんだよ。


そんな人が出てきたら、今度は私の本体も私も教会を嫌いになっちゃうからね。

信頼して託すのに恩を仇で返されたら、そうなるのは仕方が無いと思わない?」

「⋯微力な身の上ので御座いますが、身命をとしてご希望に添えるよう務めて参りたいと誓います。」

「うん。

かなり難しい事を言ってる自覚があるのに、脅しみたいな形で本当に申し訳無いんだけどさ。

今の私にとっては家族がそれだけ大事なんだよね。


だからその大事な家族を悪用された悲しみが分かるから、今回の被害を受けた人に限って、私が手を差し伸べられたらなって考えられるんだよ。


でも私が子供なのは本当だし、蘇生も死んだ直後の生き物でしかやった事が無いから、損傷が激しい死体だったり、亡くなってから時間が長く経過してる人達を無事に戻せるかは、自信が無いんだよ。


たった一匹、死んだばかりのノインの蘇生に、魔力が枯渇する寸前になったのはまだ一月前の事になるんだよね。

それから今までの間に、私が急に成長して来たのは、明日になったらここの人達の蘇生をするためだとしたら、辻褄が合う気もするんだけど⋯。


黒魔石を使って果たして何処までやれるのか。

それでも足りない可能性がもの凄く高いから、私だけじゃ無くて家族の皆の魔力も借りる事になるかも知れない。

そうさせない為に私はハイパーモードになる必要も有るから、お父さんになんて説明して良いのか⋯」

「使えばいいじゃない。

私やお父さんの魔力も使って全力でやんなさいよ!」

「そしたら身を守る事が出来なくなるよ?

本当にそれで良いの?」

「信じるって決めたからやるんでしょう!

だったら徹底して皆を信じなさいよ!

アンタに足らないのはそこなのよね!

一度決めておいてフラフラしてんじゃないわよ!」

「だって!

私はアルフィンや家族を守りたいんだよ!

信じたいけど。

それで裏切られるかもって考えたら、これは絶対に譲れないからっ⋯」

「こっちを見なさい!」


いつの間にか俯いてローブの布を握り締めてた私の両頬が、姉の両手に包まれて上をグイッと向かされる。

至近距離で闇のカーテンで隠されてない、強い意思の籠もった空色の瞳が私の目に写った。


「アンタが臆病なのはとっくの昔から知ってんの!

今必要なのは理由の分かんない知識なんかじゃ無くて勇気と度肝よ!


頭でグチャグチャ余計なことばっかり考えてるから、先に進めなくなるんじゃない。

アンタが必要だと思って手を出したんなら、最後まで全力で突き進みなさいよ!

失敗して怒られた時は私も一緒に皆に謝ってあげるから、臆病な気持ちなんかに負けるんじゃないわよ!

分かった!」


鬼軍曹ゴリラから魔力の籠もった正論パンチで殴られた私は、両目いっぱいに涙を溜めて「ゔん」と頷く。


「お姉ちゃんんんー!!!」

「もう〜、赤ちゃんじゃないんだから、ビービー泣くんじゃないわよ。

アンタって赤ちゃんの時は泣かなかったクセに、大きくなってから泣き虫になるなんて、普通は逆でしょう?

やっぱり変な子よね。」

「だってぇ〜」

「だってじゃないわよ。

皆が呆れて見てるわよ。

何よ。なんか文句でも有るの?」

「⋯いや。」


言葉を濁した錬成師さんに、姉がガンを飛ばす気配がする。

彼は錬成師だから姉が次代候補だと理解してるせいで、好奇心から観察してただけなんだけど、姉からしたら不躾な視線に感じたんだろう。


それと同時にオロオロと落ち着かなかった人達が、何故だか急に落ち着きを取り戻し始めていた。


その代わりに目にギラギラとした期待と熱望と、少しの不安が混ざり合ったかの様に輝いている。

夫婦は固く手を取り合い、込あがって来る期待から身体を震わせているし。

妻や娘を無くした夫もそれ以上に熱意を押し殺す様に、期待ではち切れそうになってる胸元を固く握り締めていた。


逆に夫を無くした夫人や年数が該当しなかった人達は、無念さを噛み締めるように私を見つめているけれど、それでも此処に来ている半分近い人達は、該当する範囲だからこそ集められてるので、相反する感情に翻弄されないように堪えてくれてる様に思う。


それは全て私が幼い子供だからだろう。

これが聖職者だったり大人であったなら、感情に任せて理不尽な恨みをぶつけられていたのかも知れない。


「では仕事を始めるぞ?」

「⋯うん。お願いします⋯」


私はしがみついていた姉から身体を離して、腕でグイッと目元を拭って錬成師さんに向かってそう告げる。


そして錬成師さんはまた魔道具を作動させると、私を刻みつけた印を目指して緑の光が一直線に藪の覆いしげる雑木林の中に向かって行く。


ジョルノフはなにも言わなかったけれど、一度だけギュッと目を固く瞑った後で、再び目を開いた時にはまるで別人の様に、オドオドとしていた気配は掻き消えていた。

司教も教会の人達も、全員が覚悟を決めた瞳で緑の光が伸びる先をジッと見つめている。


ゾロゾロと集団で歩いて移動する中で、緑色の光の先を見た騎士が、率先して藪を掻き分けて進むと、あの小さな祠の有る直径が5mぐらいの小さな広場に出た。


「⋯地面の中に続いているな。

どうやらこの場所のようだ。」

『ザワザワ⋯』


まだ広場まで到達してない人達も、進行が止まったことで目的地に銭湯が到着した事を知り、固唾を飲んで成り行きを見守っている。


「祠の前の石畳が隠し階段への入り口になっているので、祠の仕掛けを作動させれば中に入れるようになっております。

ですがこの様な有事の際には、中に墓守がいて通路が開けば、異常を知らせる連絡の魔道具を動かす手配になっているので迂闊に仕掛けを発動させると、街の住民が危険になるかと思われます。

一応警戒を解除する合図は有りますが、魔道具を手に持たれていると外に出てきた瞬間に異常を気付かれた場合に、魔道具が使用される恐れが有ります。

いかが致しましょう。」


ジョルノフが淡々と説明するのを聞いて、全員が顔を顰めた。


「私が墓の上の地面を持ち上げて、中の墓守の動きを止めさせるから、誰か中に入って魔道具を取り上げてくれるかな?」

「ワシがやろう。」


ギルド長が誰よりも先にそう言うから、周りの戦士達から苦笑が溢れた。


「ジョルノフさん、ジョルノフさんには胸に何らかの魔法があったけど、墓守さんにも同じものが有ると思う?」

「恐らく有ると考えます。

本人が自決出来ない状況になった場合に発動する呪いになっておりますので。」

「それなら解呪が必要になるんだね。

お姉ちゃん、お父さんが来ないのは向こうで警戒をしてるのかな?」

「そりゃそうでしょ。

ゴロゴロドンがポコポコ来るような場所だもの。お父さんはこっちに来れないと思って私が来たんだもの。」

「呪いは頭と胸が繋がってる危険性が有るけど、ハイパーモードじゃないと、頭の方の魔法が見えないんだよ。

喉にある魔法は多分秘密を離せないようにする魔法だと思うのね?

だから私かお姉ちゃんがハイパーモードにならないと難しいんだけど、どうする?」

「私じゃ地面を持ち上げるのも解呪も出来ないから、アンタがやるしか無いのね。」

「いえ、解呪なら私が出来ますので私にやらせて下さい。」

「うん。ならそうしよう。

私が地面を持ち上げて動きを止めさせるから、司教さんは直ぐに解呪してあげてくれるかな?

その後にギルド長が魔道具を取り上げてくれたら、身体の拘束を外すよ。

一応説明は頭に叩き込むつもりなんだけど、それで動きが止まるかは分からないから、自殺をされないように気をつけてね。」

「うむ。おい、ダマール聞いただろう。ワシが取り押さえておくから縛る紐を兵士から貰ってこい。」

「え?!あ、俺?!

⋯分かったよ。」


小汚い戦士のオジサンはもの凄く複雑そうな顔をした割に、あり得ないスピードで飛んで行く。

藪が邪魔なので木の枝を使って移動してたから、猿みたいで凄く驚いた。


身長は180cm越えたぐらいで、戦士からしたら小柄の部類になるけど、雑木林の木の枝ってそんなに太く無いからアレも無意識の魔法なんだと思う。

枝が折れる前に次の枝に移動するのに、身体強化の魔法を使っているのかな?

まさか触れた枝まで強化してたらどうしよう。

いや⋯どうもしなくて良いんだけど、ちょっと予想外の移動方法にポカンとした。


ものの5分としないうちに戻って来たし、ストンと落ちて来たから忍者かと思ったよ。

てか忍者になれるよ!

才能有るって!

って言いたいのを必死に我慢する。

だって忍者って言ってもどうせ誰も分かってくれないしな!


いやまあ今ならイメージ映像を送れるんだけど、だから何?ってなっても悲しいよ?

いいんだ。

いつかお空に帰ったら本体にお話を沢山聞いてもらうもん。

本体も私だからきっと分かるー!って言ってくれるよね?

だってお手紙のお返事くれたしさ。

報告内容が8割がた愚痴とかになりそうだな。


そしてスタンバイが整ったので、縄を握ってるギルド長と視線で合図を送り合った。

縄って普通はこんな時に使うから、表情を引き締めるのが大変だよ。

もう誰よ!

前世で大人の愛の触れ合いで縄を最初に持ち込んだヤツは!

幼気な私が大惨事じゃない!

こちとら日常で縄が出て来るから、微妙な気持ちになっちゃうだろ!


駄目だ気持ちをちゃんと切り替えなくっちゃ!

私はシッカリと集中して、魔力で地面の中を偵察すると、空洞の天井を一気に持ち上げた。

そして20m×10mぐらいの細長いスペースで、石棺の陰に隠れてた灰色のローブを着てた男性が1人、いきなり空いた天井を見上げてポカンとしていた。


「おりゃぁー!」

「拘束したよ!」


私が言葉を言う前に、高さ10mは有りそうな地上からギルド長が飛び降りててビックリする。

だって10mだよ!?

プーの飛び込み台でも上から見下ろしたらガクブルしちゃう高さだよ!

しかも下は硬い地面に石棺だから、投身自殺みたいなもんだからな!


でもギルド長は見上げて口を空けてる状態で、しゃがんだまま動けない男性の真横にズーンと落ちると、直ぐに太い腕を伸ばして男性の手から銀色の卵型の魔道具を取り上げてくれた。


「解呪を!」

「お任せを。」


司教さんがブツブツと祝詞を唱えているから、私は彼に染めた魔力を口元へ集めておく。


(すず)の音と共に人に(よこしま)(あだ)なさん呪いの(いまし)めを解き放て『解呪!』」


司教さんが叫ぶように〆の言葉を言い放つと、灰色のローブを着ている男性がパリーンと言う音と共に銀色に光ったから、私はそれにもビックリする。

効果音つきの魔法とか始めてなんだが?!

てか厨二病キターーー!

お爺ちゃんだけど似合ってるのに、なんだか恥ずかしくなる。

私もそのうち言わなくちゃいけなくなるんだろうか?


それにしても効果音とか、ひょっとしたら魔力が見えない人のためのサービスなのかな?

平民とか魔力の光が見えなさそうだから、音がしないと解呪して貰った実感が沸かないのかも知れないね。

そういや錫の音とか言ってたのがそうなのかな?

すずって言うか、硝子が割れた音なんだけど⋯解呪に魔力が沢山必要になる原因がこの効果音だったりして?まぁ良いや。


「うっ⋯」

「ギルド長、拘束を外すから気をつけてね!」

「うむ!良いぞ!」


私は灰色のローブを着た人に説明文を頭の中に叩きつけてから拘束を解除すると、ふらついて倒れそうになってる男性を狭い場所から引きずり出して、あっという間に腕を後ろに回させると、ローブで拘束して行く。

男性が五十肩だったら拷問みたいな縛り方だなと、荒事に慣れてない私は可哀想に思えてドキドキする。


「ギルド長!上に引き上げるよ。」

「おう!なんだ便利だな!」


私は男性とギルド長を個別で魔法の手を巻き付けると、一度真上に吊り上げた後で次に横へ移動させて地面に着地させる。

イメージはUFOキャッチャーだ。

だって壁にぶつけたら大惨事じゃん。

安全第一にしなくちゃね。


「お姉ちゃん、この人喋れないみたい。

驚いてても声が漏れてないから、多分そうだと思う。」

「回復させればいいのね!

任せて!」


姉は2級の魔石を握ると、喉の辺りの時間を巻き戻して行く。


「う⋯へ?えっ?!

ええぇーっ?!」


すると男性は自分が漏らした声に驚いてビックリしてた。

そしてすかさず立ち姿から勢いをつけて地面にダイブしたから思わずドン引きする。

両膝をつけて地面に顔をつけるのが殆ど同時に近かったから、オデコにたんこぶが出来ちゃうよ?!


「ももも申し訳御座いません!!!

魔道具は既に発動しております!」

『えぇ?!』

「緑色の光が棺に届いた後でしたので、足音が聞こえた時点で魔道具をっっ⋯申し訳御座いませんんんんーーーー!!!」


私は思わず遠い目になる。

見上げた空はとっても青かった。





色んな方面から叱られそうですヘ(゜∀゜ヘ)アヒャ

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