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好戦的なヒロイン

黒魔石は黒いんです。


今日もサンサンいい天気。

前世で言えば7月下旬ぐらいの気候でムッチャ暑い日々が続いています。

外に出たらジリジリ肌が焦げちゃうけど、家の中にいたら風は生温いヤツです。

温度調節してくれるローブが手放せない気候ですね。

何処かのバカを思うと成長に良くないので駄目だと思うけど手放せないのが切ないです。

まるでヤバい薬です。

心から手放したくないっす。

最近寝る時には兄弟が私の隣を烈しく争うぐらいの快適さ。

ピッタリくっつくと涼しいらしいよ。

暑くはないが寝苦しいと言う日々を送っています。

リリアナ2歳 美少女予定の可愛い女の子です。

臭く無いですよ?


現在お昼の10時を半ば過ぎ、お腹がそろそろ空きそうな時間帯。

お父さんと並んで家庭教師のギルバートさんから、お勉強を教えて貰ってる所です。

お父さんはちゃんと朝早くに農家の仕事を終えてここに鐘1つ前から来ています。

私も魔力草のお仕事を終えて、お父さんに連れて来て貰いました。

今居る場所は母方の祖父、マゼランお爺ちゃんのお店です。

喫茶店風の高級食堂だけど、今は完全に喫茶店してます。

何ならファミレスかも。

私専用子供椅子をいつの間にか常備してくれてるし、週に2回あるギルバート先生の家庭教師を此処でしてもらってるので、お店なのに奥の1角が私とお父さん専用の勉強スペースになってます。


今お父さんはギルバート先生から出されたテストにウンウン唸ってるけど、私はとっくに終わったので講習会用の論文をウンウン唸りながら作ってます。

そしてギルバート先生は私の論文を読んでウーンと唸っています。

読み難いんじゃ無くて、読み易いから唸ってるんだそうです。

きっとグラフとかを使って書いてるからかも知れません。


ローブを着て無くても快適になったお店は、私の投資で魔導具のエアコンを買ったお陰です。

ジュースも冷たく出来るけど、冷えたらお腹が壊れやすいお年頃なので、今は常温のジュースティを飲んでいます。


前は酸っぱめなオレンジジュースしか無くて、割と早めに品種改良をしてやりたいと企んでた頃もありました。

でも正道をバカ正直にやってたら、私好みのオレンジになるまでに大人になってそうなので、オレンジジュースに野菜を入れて貰い、更に紅茶で割った。

私とマゼランお祖父さんが開発したレモンっぽいオレンジとニンジン風野菜のミックスティになっております。

酸味が抑えられて、甘みもあるけどスッキリ飲めるお気に入りブレンドです。

隠してない隠し味に甘い粉を入れているのが特徴なので、庶民には売れない私専用の隠しメニューになっています。

ちなみに投資でミキサーみたいな魔導具も作って貰いました。


大金を持って使うと強盗が来て皆殺しに遭う物騒な世界観なので、親族の店を使って目立たずに私は贅沢をしています。


そして魔導具でエアコンを買ったせいで、お店は今大繁盛しています。

値段お高めな設定なので、簡単な安い品を注文して、ちょっぴりだけ居座る連中が増えてるからです。

常連は戦士ギルドのお爺ちゃん達なので、実に老人会みたいになっています。

若者が来ても直ぐに出ていくせいです。

でも若者はキッチリご飯を食べて出ていくので、エアコンを買った投資は一応成功しました。


店はあんまり広くないので、老人用は12席、若者はカウンターも入れて10席が精一杯。

身内用は老人席の奥に4席ある。

朝一番から仕事してたお爺ちゃん達が、仲間と話しながら過ごして60分は座って涼むのに比べて、20分も有れば出て行く若者の回転率が高いので、簡単日替わりメニューがとても良く売れています。


今いる人達は昼の暑い時間帯にゴロゴロしたくて朝一番から仕事をしてたか、逆に昼の暑い時間帯を涼しい森で過ごす為に、出掛ける前の腹ごしらえする人達でしょうか。

それが終われば今度は何も考えて無い人達が小金を掴んで、お腹を空かせながら来る時間帯ですね。

弁当屋さんなんて無いので、森に持っていけるのはせいぜいパンぐらいだし。そりゃ育ち盛りのお兄さん達は美味しいご飯をシッカリと食べたいと考えてると思います。


だって1級でも魔物を狩れば銀貨1枚貰えるし、森の中の魔力茸なんて1つで銀貨1枚だった筈。あれ?お姉さんが言ってたからギルド売りならもう少し安いのかな?まぁ半日も歩けば1日以上遊んで暮らせるお金は持てる環境ですね。

銀貨1枚一万円ですもん。

貯金なんて考えて無ければ、好きな時間に働いて好きな物を食べてダラダラ過ごして、お金が無くなれば働けばいいと考えてる若者が多そうです。


なにせマゼランお祖父さんは料理の天才なので、簡単メニューでも美味しくて食べ応えのある品になってるし、鍋が空になると安い日替わりランチが終ってしまいます。

でも量を頼むとお金がかかるシステムなので、シッカリと食べたら銅貨20枚はかかるかも?

2千円のランチだと思えばお高いよね。基本値は銅貨5枚なんだけどね。パンは1つ銅貨2枚なので、スープを2杯食べてパンが5本?それぐらいなら他の肉メニューを頼むのかな?


まぁ成功の秘訣はエリザベスお祖母ちゃんが宿を増やして、戦士を受け入れる環境を整えたからです。

宿さえ有れば畑に麦が実っていても戦士が沢山集まって来るよね。

だからエリザベスお祖母ちゃんの直系は大忙しです。

親族では足らないから旅商人の優秀な人をスカウトしたり、今まで育てて来た村娘を抜擢したり、子育てが終わった御婦人もハウスキーパーや料理人の助手として雇っています。

安くてそこそこ良い宿なら小金貨10枚も有れば余裕で建てられるので、建設ラッシュが起こってしまい、村長代理と大工関係の人達が震撼しました。


小金貨1枚で50億円ですもんね。

木材は取るのに苦労するけど人件費は安いし、まぁ本当に安い建物だけなら小金貨1枚でお釣りが来る。

でも布や魔道具を買うと途端に値段が高くなるから、宿を建てるなら小金貨10枚は妥当な金額になるのかな?


早めに中央の場所を開ける必要が出て来てしまってます。

でも周りは畑になってるので、簡単には移動出来ません。

それなのに土地を貸してくれと商人が外から押し寄せています。

きっと村長代理は頭を抱えて村長に連絡を取っている事でしょう。

そして地道に土地を作る為に、暇なお爺さん達を使って畑の整理をするかもね。

身内が減って畑を余らせてる家庭が有れば、お金を握らせて移動してもらうとか。

難しいだろうなぁ。

子供が継ぐ所多いだろうし。


取り敢えず今は街から大工を呼び寄せるまでして宿や食堂を増やしています。

その数5軒が宿で打ち分けは、食堂つき3軒、食堂無しが2軒だそうな。

あと私のお強請りでお風呂が入れる所も作ってもらう予定だ。

広いお風呂が特徴の宿って素敵だよね!白金貨飛ぶけど。

ちなみに白金貨1枚100兆円だっけか?

物の価値観が全く違うから、スーパー銭湯作るのに国家予算がかかるとかウケる。

でもスーパー銭湯流行ると思う。私も入りたい。

てか戦士が臭いんだよ!って言ったらお祖母ちゃんもニンマリした。

食堂つき宿の一軒がでっかい大浴場つきになった。

個室の家族風呂もあるよ!

やったね!

お嬢さんも目がキラキラしてた。

だって腕を振るうのお嬢さんだし、お風呂も知ってるから楽しいよね!

私も自重しないでお絵かきしながら夢のお風呂を書いてみせた。滝みたいなうたせゆとか寝転がれるのとか、泡がブクブクするのとか、サウナとか。流れる川みたいなお風呂とか。

紙にペン先が引っ掛かるから、幼稚園児の描いた絵になっちまったが、分かりゃぁいんだよ。

ボールペン探すか作って貰えば良かったなと、この時思った。


何でそんなの知ってるの?って聞かれたから小川のお水が冷たいから、お湯になれば良いとずっと思ってた!そしたら水遊び出来るのに!って言ったら、あー⋯て顔をされた。


サウナは小川のお水に熱くなった石をいれたらお湯になって、じゅわ!てして面白かった!とかなんとか無理やりこぎ着けて納得させる。

白金貨が5枚も有ればいい奴出来るってさ!


この値段になるとエリザベスお祖母ちゃんも流石に震えてたけど、この先森が遠くなった時、人を呼べるのはこのお風呂だよ!とか、村の人も喜ぶし集まって来るよ!お祖母ちゃんの名前をつけて残しちゃおって、あの手この手で誑かして、お嬢さんも自費ぶっ込んで個室の家族風呂カンパするって言ったら決まった。

私が想像する最高のお風呂!を作るんだって。

そりゃお姫様からのお強請りは拒否れないよね!

お風呂の資料探す!ってキャピキャピしながらめっちゃ張り切ってる。


仕事なのに自費て⋯。

報酬より出費の方がデカそうだな。

それで良いのか錬成師見習い。

そりゃ破産するヤツいるよね。

まぁ良いパトロンがついてくれて良かったよ。

そんなに、嫌だったんか。

初級回復薬やらマージンを延々と作り続けてる日々が。

ちょっと切なくなる姿だった。


あと食堂の無い宿は、飯は他の食堂で食べろがコンセプト。

その代わり安くして泊まれるスペースを確保してるんだろうね。

何せ基本的には錬成師が石や鉄筋を作らない限りは木造なもんで、高くても3階建てが限界だし、錬成師に木の強度を処理して貰っても5階建が精一杯になるみたいなこと言ってた。


管理能力の有るスタッフは金持ちな商人から、街から村へ逆輸入するそうな。

そしてお祖母ちゃんから話を聞いた金持ち商人は、村にカジノや娼婦を扱う娯楽施設を建設したいそうな。

ちゃんと村長には申請済み。

でも場所が無いから一旦保留。

若い戦士が増えると村人の被害を抑える為に娼婦は必要なので、どうしても契約は結びたいからちょっと待ってねの保留。


この村から娼婦になる人は1人も居ないと思うけど、近所の貧しい村からドンドン集まる予感がします。

そしたら住む所も必要になる悪循環が予想されちゃう。


そのせいで林や森から木を取って来る戦士の仕事が増えたので、戦士は小金持ちが増えました。

そりゃ多少値段が高くても涼しくて美味しいお店が繁盛するわけです。

だから私が思うに林が消えて増えた平地に宿屋街と歓楽街が、そのうち出来るのかな?と思ってます。


もう中央の敷地がパンパンなので、仕方がありません。

あと戦士ギルドがそっちに移転するとも思います。

こっちは小規模にして残すかも知れないけど、森から此処までの距離が遠すぎるんだよ。

森の近くに戦士ギルドが有れば、戦士達が持って帰ってきた獲物や収穫物の処理がしやすいもん。

実際に森の近くに大物を裁く施設は有るしね。

利便性や安全性を考えればそっちに、戦士に行って貰ったほうが村人としたら中央での買い物が楽になる。

でも今建ててるエリザベスお祖母ちゃん一人勝ち宿が損になるかと言えば絶対にならない。

だって秋には空いた畑に戦士が住むテントが鈴なりになるんだよ。

エアコンが有る宿があるなら、夏や冬でも戦士が楽に過ごせるので数が増えるし、戦士ギルドでお金を稼いだ戦士達はこっちにも絶対流れて来るに決まってる。

森が消える心配は当分要らないしね。

それぐらいミシリャンゼは森に囲まれてるんだよ。

この場所の魔力が強いから、森がワサワサしてるし魔物が強いせいだ。

魔物が弱い所を狩って狩って狩って平地を作って、そうやってドンドン西に進んで最先端が今の辺境になってるけど、この広大な畑に比べてもまだ森の方が広いと言う状態なので、まぁ此処が街になるのには100年以上かかるかもね。


今の所はエリザベスお祖母ちゃん一人勝ちしてますね。

多分そこの空いた土地も狙ってると思いますよ。

村長だってよく知らない外部の人より、付き合いが長いお祖母ちゃんの方が良いから優先するもん。

村娘の就職場所を作ってくれてる人だしね。

それに村人も中央から遠い人達は嬉しいと思う。

治安は悪そうだけど、店が増えたら買い物が楽になるだろうし、人数考えたら損にはならないと思う。

どうせ入れ物はエリザベスお祖母ちゃんが作るよ。

私が唆すもん。

んで旅商人が賃貸料を払って借りれば、イ◯ンが出来ちゃうやん?

フードコートも有れば、食品売り場や雑貨や武器屋もあり、錬成師のお店も入れちゃっても良いよね。

私がそこにいずれ兄弟やら親族やらを店員としてぶち込むよ。

お嬢さんの商売と喧嘩にならない様に、てか村の規模が大きいから多分平気。

私がお嬢さんに仕事を振りまくるしな。

何時まで居るか知らんけど行き遅れしそうだし、婆ちゃんになっても姫ってれば良いよ。

そうかどこからか若い騎士を連れて来ても良いもんね。

ギルバートさんは血が近いから無理よ。

でもカルマンさんの息子なら従兄弟だし、ええんちゃう?

向こうが良いかは知らんけど。


戦士ギルドから直送の素材屋さんやら、靴屋さんやら有れば戦士達も楽になるかな?

後はカジノもあって、娼婦に貢ぐ装飾品や少し高級な衣類のお店もあり、百貨店みたいなイオ◯にしちゃても良いよね。

娼婦さんのお店は隣で是非お願いします。


エアコンの効果に味をしめたお祖母ちゃんは、高い宿と中位の宿にもエアコンを完備しています。

新しく作ってる中位の宿屋にも完備しそう。

気温が居心地良くなれば金持ち商人がうじゃうじゃ来る。

今まで数が春と秋ぐらいしか増えなかった理由が、夏が暑かったからだろう。

グレードの高い宿で無くても中位でエアコンがあるから絶対に来る。

だってエアコンなんて設備は、普通高いお宿でしか置いて無いからだ。

でもこの村の特産品は魔石なので、他所より安く手にはいる。

エアコンを買うお金があれば、エリザベスお祖母ちゃんも買うよね。

もうウハウハだと思う。

しかもこのエアコンの素晴らしい所は、冬は逆に暖かくなる所です。

エアコンて、普通そんなもんやろ?と思うでしょ?

実はこの世の中には涼しくなるだけのエアコンと、暖かくなるだけのエアコンもあるんだよ。

魔王はそんな設計しないで温度調節の魔導具を開発してたから、私達は端から良いエアコンを使っているのです。

因みに作らされたのはお嬢さんです。

フードプロセッサーよりはお嬢さん向きな魔道具だったらしく、楽そうに量産してくれた。

私が推察するに、プロペラの様な金属加工は苦手だけど、魔法陣系が主体の魔道具なら、お嬢さんは得意分野なのかも知れない。

何故ならお嬢さんは錬成師の見習いだから。

プロペラとかの技術が必要な魔道具は魔道具師の分野だもん。

魔王が無茶振りしただけで、設計図が有れば作れるお嬢さんが凄い。

お嬢さんも錬成師が確定したら、魔道錬成師になりそうだ。

実父が英才教育してるもんね。

そりゃこれだから天才わー!て、なるわな。


エアコンのおかげで小白金貨が全部で10枚ぐらい飛んだけど、まぁ仕方がないよね。

お姉さんも客の少ない店で店番するより、魔道具やら魔法薬を作れる方が楽しいらしい。

マージンやマモーやモーブは飽きたそうだ。

苦手でも金属加工も修行だと思えば、ってぐらい飽きてた。

最近はこんなの作れますけどー!て、カタログみたいに分厚い本を持って来てくれてる。

私はそれを見て錬成師の学校の予習をしてる気分だ。

ワクワク。


それは別にしてお姉さんは今錬成師になる為の研究として、テーマを知能が上がる道具開発と銘打って、知育玩具の論文を書いてる。

お嬢さんも勉強の中で苦痛だった暗記が、カルタを使えば楽しく学べる事にもの凄く興味を持っていた。

だから自分でも遊べる知育玩具を開発するらしい。

私もそれを聞いて、どんなのを作ってくれるかとても楽しみしている。


そしてマゼランお祖父さんのお店に話を戻すと、夜になるとまた金持ち商人ぐらいしか来れない隠れ家的なお店になります。

マゼランお祖父さんのタフさにビックリ。

ジジイ!無理すんな!て、心から思うけど料理が趣味だから仕方が無いらしい。

弟子がんば!


今の所は金持ちの数は少ないが、村に来る金持ちは100%この店に晩ごはんを食べに来るので、マゼランお祖父さんも腕の振るい甲斐があるそうです。

私は来たことが無いけれど、ギルバートさんが言うにはお酒にも力を入れてるバーのある高級レストランみたいになってるそうな。

ギルバートさんがそう言ってた訳では無いけれど、王都にある店みたいで割と良い酒も飲めると聞いたので、そうイメージしています。


ちなみに今そのマゼランお祖父さんも混ざってお昼ゴハンを食べています。

これから客が増えるので早めに休憩してるんだとか。

今客に出す料理は鍋から継ぐだけで済むシチュー系なので、弟子でも出来る仕事だそうです。


料理の天才なお祖父さんが言う簡単メニューと言うのは、出すのが簡単なだけの本格的技術がギッシリ詰め込まれたプロの料理なので、作るのはソコソコ手間がかかってます。

それでも安く済むのは、使う材料が骨についてる肉とか、端切れ肉などで安く購入出来るからでしょう。

なのでコッテリしてて食べ応えがあり、パンがどんどん進むタイプのお料理です。

熱くてもエアコンが効いて涼しいので、ラーメン屋が繁盛してる感覚なんだと分析しています。


ラーメン、今度作ってくれるかな?骨は有るのよ。私がラーメンの麺の作り方を知らないだけで。細麺の醤油とんこつ食べたいなぁ〜。


うどんは海産物が遠いから難しそう。自力で転移魔法を取得して、魔法を鞄もって海にいかなくちゃ高くて使えない。

もしくはキノコか⋯キノコが有れば一か八か。

毒消しあるしやれるかな?

でも2歳だからそれはまだしてはいけないチャレンジだ。

魔王と同じ道を歩いてしまう。

私はあんなバカにはなれない。

凡人は天才じゃ無いからだ。


大豆なら見つけてるので、錬成師の学校へ行ったら醤油を作るつもりはある。

今はまだ浄化魔法も使えないし、あれ使うと醤油が作れないのよね。むーん。

どっかに有るかも知れないし、先ずは情報収集だよ。

よしラーメンは忘れよう。

モヤモヤするだけになる。

今はマゼランお祖父さんの店!

凡人なんだから何か問題を見落として無いか、思考と情報の整理しなくちゃね。

アレコレしてるから直ぐに忘れるし、記憶が混乱する時も有るんだよ。


え~と、2級以上の魔物が狩れる腕の有る戦士なら、雑魚戦士には多少は高くても安いメニューになるんだと思います。

そして雑魚戦士でも奮発すれば食べられるので、それが大繁盛する理由なのかな?

だから一見すれば老人会みたいになってるけれど、回転率がやたらと良いので儲かると言う訳ですな。

老人の方も交代しないとスペースが限られているので、他の老人に悪いから交代するでしょ。

戦士ギルドだけじゃ無くて、子供の引率でボランティアしてくれる人に、昼食割引券を渡す様にしたもんね。


だから老人の数が変わらなくても老人の内容はソコソコのタイミングで代わっています。

老人達のメニューは若者より安くしてるので、少しサッパリとした、雑魚野菜中心の健康的なメニューなんだとか。

コッテリシチューとハーフ&ハーフも出来るので、元戦士で野菜サラダが苦手なお爺ちゃん達もニッコリなメニューです。


年齢でお店のスペースを分けて客を入れ替えるシステムは、私が提案しました。

テーブルクロスで色分けもしてるよ。

だから老人の数が減って空席があっても、若者はあまり座れない。

明らかにガランとしてれば別だけど、老人が来たら空けてもらうルールにした。

イメージは電車のシルバーシートだね!

何故そうまでして年寄りを大事にするかと言えば、そういった風潮だからだよ。

生き延びるのが大変な世界だから、長く生きてるだけで偉いの。

まぁウチらはそれを理由にして、スパイが近付いてくるのを弾きたいだけなんだけどさ。

年寄りなら顔みたら村のもんかどーかなんて直ぐに分かるからね。

一応利便性もあるよ。

入り口に近い方に出入りが激しい若者を置いた方が、お店に出入りするのが楽でしょう?


そして私達は親族なのを利用して老人達の奥に私達用のスペースを確保しているので、長く居座れるし出入りも自由に出来る上に、不審に思われないカモフラージュも出来ると言う作戦なのです。

ただ私が来るとマゼランお祖父さんも調理場から高確率で来るので、スペースに巨体がミッチリします。


ギルバートさんは麗しいお顔をしてるけれど、簡素な私服を着ていても、騎士なせいで長身な上に一応ムキムキしています。

アレです。

私、脱いだら凄いんですなタイプに見せかけた、服を着ててもちょっと凄いんですなタイプです。


マゼランお祖父さんは老体のクセに元から筋肉が隠せない、硬そうなガチマッチョだし、うちのお父さんも優しい顔してる割に柔らか肉マッチョです。

脂肪が薄くて硬そうなボディビルダーマッチョと、ふんわりした素人マッチョの違いと言えばわかり易いのかな?ちょっと良い言葉が浮かばないや。


取り敢えず私とギルバートさんの顔以外は、むさ苦しいのが仕様となっております。


親族専用の隠しスペースはそんなに狭くない筈なのに、高身長マッチョが3人も居れば満員になる謎な現象を起こしています。

お母さんと私の兄弟だけなら、人数が多くても空間がスカスカなので本当に不思議です。


「はー⋯終わった。

宜しくお願いします⋯」

「はい。拝見致します。」

「コッチも切り上げよーかなぁ。疲れちゃった。」

「リリアナは絵を書いてたのか。文字より絵が多いな。」

「うん。まぁね。」

「⋯⋯⋯」

「あの⋯何か?」

「あ、いいえ。何でも有りません。良く解けていますよ。

ハハハ⋯」

「爺ちゃん、お腹空いた〜。」

「うむ。待っとれ。」


ギルバート先生の乾いたわざとらしい笑い声が小さく響く。

彼が微妙な顔してるから、父が気にしたのは仕方が無い。

でもギルバート先生はお父さんの回答じゃ無くて私の論文に気を取られてたんだと思う。

そりゃギルバート先生の言いたい事は分かるよ。

まだペンを使い慣れて無いし、私が書いた絵なんてせいぜい小学生が書いたような未熟な絵だ。

これは毎日奮闘して頑張ってくれたお嬢さんやお嬢さんの師匠が作ってくれた論文を蹴ってくれたリベンジ用の小道具になる。

私の為に頑張ってくれた人の努力を、蹴り飛ばした奴らを今度は私が蹴り返す為に論文を書いてるからね。

何故ならお嬢さんにしろ、お嬢さんの師匠にしてもちゃんとした論文が書ける人だからだ。

それでもあんな風にまとめたのは全てが私の為にした事で、少しでも私の存在を論文に残そうとしてくれたからだ。


なので私はお嬢さんに既存の論文をなんぼか参考に読まさせて貰っている。

基本は抑えつつ、そこに私の工夫をぶち込んで論文としての完成度を高める作戦なのだが。

写真が使えないせいで、私の画力が足を引っ張っている。

あと文字の未熟さもかな。

此処が不満だけど、コレばかりはどうしようも無かった。

でも小学生の絵日記ぐらいには上手く特徴をとらえて描けてると思う。

コレだけなら子供の論文になるので、栽培方法順に掛かった日数を棒グラフにしたり、同じ栽培方法で魔力草+魔法の水+月の光の栽培と、それ+月の光を浴びた魔法水を日中に交換したヤツと分けて成果を現す為に、成長の違いを棒グラフにもしている。

グラフに文章を書けば片手落ちなので、ちゃんと記号を作って、辞書を片手に省略文字を使った文章も書いて説明もしている。

この世界での論文は文字しか使われて無いので、恐らく蹴り返す程度のポテンシャルを秘めた論文になる自信はあった。


恐らく論文に使われる絵の代わりが押し花だったり、遮光瓶に見本用の保存処理をした現物や、劣化しなければ実物そのものだと思われる。

勿論私も絵日記だけで無く、お嬢さんに見本用保存液を貰って処理をした現物の標本も作って有るからそこは抜かって無い。


そして最後には手書きで絵を描いたが、見た現象を記録して映し出せる魔導具が有ればそれを使っていた。

誰か発明して欲しいと希望も書いといた。

気が向いたら王様辺りが開発してくれるだろうと思う。


絵は絵描きが描くもので思考が止まっているなら、これもザワつかせるアイディアになるかも知れないからね。

現物を残すのも悪くは無いが、論文も数が増えれば再現性の高い素材なら文章だけで済む方が管理が楽だと思うので、王様がノッて来なくても誰かしら開発をしてくれるとは思う。

王様の友人になった私に、この程度なら自重は不要なのだ。

自重が必要なアイディアは永久に闇に葬るつもりである。


まぁタイプライターぐらいなら作らせてもいいけれど、それはもう少し私が文字の訓練をしてからにしようと我慢している。

インクや紙の開発とかも必要だろうし、機械の魔導具さえ有れば良いってもんじゃない。

それにペンを探せばもう魔法仕様の類似品が有りそうだしね。


ちなみに私の絵は点画になった。

曲線が上手く描けなかったからね。

ちゃんとペン先は丸く潰したし、必要な色のインクもそろえたのでカラフルに仕上げてある。

修正が難しいので絵とミスり易い文字は別の紙にしてあるし、番号を振って関連性が分かるようにもしてるよ。

ただ文字が未熟で、小学生レベルなのは許して欲しいな。

一文字が大人より大きいから読めるとは思う。

グラフはちゃんと細長い木製の定規モドキを作って書いたので、そこだけやたらと完成度が高め。

ちなみに定規モドキは、真ん中に線を書くための溝がある仕様だ。

普通の定規として書いたら、インクが滲んだり、線が太くなったり細くなったりしたからね。

アレやコレやと道具を買ったり作って貰ったが、まだ銀板を使い切れない値段しか掛からなかった。

農業をして勉強してるお父さんには頼めなくて、その時はカタリナや従兄弟のバッカス16歳に頼んだりして苦労はしたよ。

自分の口で職人に言えないから、紙に絵を描いたりしたしね。

バッカスはジギタス叔父さんの息子で4男になる。

動物が好きで性格が温和な可愛いお兄さんだ。

マルクを背負ってカタリナと一緒に駆けつけてくれた人でもある。

まだ下に弟が残ってるけど、彼が鳥の仕事の後継者的な存在だ。

ジギタス叔父さんに似ず、明るくて優しい良い人材である。

15歳が成人なので馬車も乗れるから、めっちゃ助かる。

ちなみに馬車はエリザベスお祖母ちゃんが仕入れに使ってるお古を譲って貰った。

勿論代わりに新品の馬車を買って使って貰っている。

代わりにマリア婆ちゃんの乗り心地を良くする為のクッションや良い毛布とかを、お祖母ちゃんが買ってくれた。

こうして中央に出て来る時は、私が重宝してる。

やはりモーブ馬車よりは乗り心地が落ちるからだ。

そして馬車を引く馬は、大きなダチョウみたいな鳥になった。

卵を産むし、鳥家業繋がりで餌が似てるので飼育がしやすいからだ。

コイツもまた魔法生物で、お嬢さんが作ってくれた物を金貨1枚で買った。

そしてコイツの元になったウェブンと言う名前の獣の卵も何個か仕入れたので、バッカス君が育ててくれている。

1年後には生体になるそうなので、それを元にして外から卵をあつめて繁殖させてく予定になる。


では端から生体を買わずに、何故こんな回りくどい事をしているのかと言えば、卵から返して育てないと懐かないバカだから飼育が大変なのだ。

魔法生物ウェブンになれば知能が上がるので、魔石さえケチらず与えてあげたり、よっぽど酷い扱いをしなければちゃんと飼い主の言うことを聞いて、仕事をしてくれるようになる。

モーブが生まれても尚高い人気を誇るウェブンを作った錬成師は流石である。

実はこの魔法生物ウェブンはヴィラフォンテお爺ちゃんが開発したそうだ。

王様の重鎮をしてる訳である。

てか魔王。

何故モーブを作った。

爺ちゃんを蹴りたかったんかな?

私と同じかい!


この魔法生物ウェブン事業は先を見据えた投資で、ジギタス叔父さんの5男になる末息子のセフメト12歳と私の為だ。

今はまだ何もないけれど、ウェブンの繁殖を成功させたらセフメト商会を立ち上げるつもりでいる。

私が監修するのだ。

繁殖は成功させるに決まっている。

生体になるまでの飼育情報は魔王経由で、ヴィラフォンテお爺ちゃんからゲット済みだしな。


なので今私は知育玩具を使ってセフメトに計算能力や省略文字を仕込んでる所で、エリザベスお祖母ちゃんのツテで良い旅商人の師匠を探して貰っている。


もちろん独り立ちする事も話して有るし、経験を積ませてもらうのに向こうの利益になる商談をちゃんとしてあるよ。

口実としてはエリザベスお祖母ちゃんの店を王都に出す予定なので、専属の商会を作るのに親族を使うと話てある。

お祖母ちゃんの従兄弟はもう既に独り立ちしている人が多く、お祖母ちゃんの仕事を継がせるのに精一杯なので、余ってるセフメトに白羽の矢が立ったと言う設定だ。

そう設定。

一応事実だけどな!


セフメトは旅商人に憧れてたので、ものになるかは分からないけど、本人はかなり乗り気になってる。

兄が鳥を継ぐから自分は戦士か狩人かで悩んでいたらしい。

村から出て旅はしたいけど、戦士の生活を知ってるから狩人にしようかと悩んでたんだそう。

なのでジギタス叔父さんから戦う経験は積まされて来てる。

天才の指導なのでロクなもんじゃ無いけど、そこはタルクス叔父さんが居るから何とかなってる所だ。

なのでセフメトの武器は弓だった。

割と筋は良いそうだ。

玩具代わりで遊びながら鍛えて有るんだそう。

私が計算と簡単な省略文字を仕込んだら、エリザベスお祖母ちゃん紹介の旅商人に弟子入りする流れだ。


餌が何処にいても手に入れやすい事から、ウェブンは元々旅商人に好まれてた獣で、昔は卵を抱えつつ旅をしていたそうだ。

今家にいる魔法生物になったウェブンは元のヤツより扱いやすく体力の向上と食事の軽量化が抜群に良いのが特徴になる。


元祖ウェブンの餌は麦や芋、家畜用のトウモロコシモドキなんかの穀物を食べるが、魔法生物のウェブンは魔石がご飯になる。

1級でも良いし何なら5級でも良いけれど、食べる魔石の等級が上がれば力も上がって燃費が良くなるが、その代わりお値段が高くなる。

でも旅商人は商品を運ぶのが仕事なので、餌が軽量化すれば実に使い勝手が良くなる。

魔法の鞄なんて持てるのは大商人クラスなので、大多数の旅商人はどうしてもそうなるのよね。


お姉さんが使ってる馬モドキの魔石消費量に比べたら、魔法生物ウェブンはダントツで燃費が良いらしい。

その代わり犠牲になってるのが戦闘力になるけれど、1人で歩いて旅をする事を思えば全然良いから旅商人憧れのスーパーカー扱いされている。

何ならトラックかな。

リアカーを自力で引いて歩くのと、2トントラックに乗って運ぶのとでは、そりゃ性能が段違いだ。

そして何故原種のウェブンを育てるかと言えば、魔法生物ウェブンの素材になるからだ。

でも原種ウェブンは安くて銀板1枚でやり取りされてる。

つまりウェブンを作る他の材料と錬成師の料金が高いのである。

私はまだ錬成師の学校に行けてないのでレシピは教えて貰って無いが、私が作れる様になれば錬成師の賃金が安くなるのでその分安価でウェブンの魔法生物化をさせる事が出来る。

つまりバッカスが育てたウェブンを使って私が魔法生物ウェブンを作り、それをセフメトが買い取るコンボが成立するのだ。


タルクス叔父さんが狩人を引退したらセフメト商会の社員になっても良いし、バッカスを手伝って貰っても良い。

むしろタルクス叔父さんはセフメトが独立した時は、そっちに保護者兼護衛としてついて貰う事も出来る。

そして旅が難しくなればバッカスの方を手伝って貰っても良い。

その頃になればセフメトも経験が積めてるし、護衛はちゃんとした戦士をやとってもいい。

そんな事を考えてた時期も有るが、ジギタス叔父さんの息子やタルクス叔父さんの所の息子も参戦することになった。

しばらく身内で回すから、外部を雇うのは後日談かな。


売り物は魔法生物ウェブンだけで無く、行った先々で仕入れた商品を売買出来る。

私が引退しても錬成師は必ず村に居るので多少は価格が上がっても作る事も出来るし、私がお父さんの姪や甥を仕込んで弟子にしても良い。

てかそうなる。


私の存在は秘匿なのでその辺は先の未来にならないと分からないが、取り敢えず鳥とウェブンの飼育がポシャる事は当分無いだろう。

何せ作った先からドンドン売れて行くので、むしろ現在はウェブンの在庫不足になってる有様だ。

これは馬車を引く獣何にする?の時点で初手からゲットした情報になる。


商人からすれば金貨1枚は充分稼げる値段なのに対して、錬成師はそればかり作る訳には行かない。

錬成師見習いも頑張るらしいけど、見習いは勉強や論文や研究があるのでどうしてもウェブンニーズに追い付かなくなり、在庫不足になってる。

だから実際現在の魔法生物ウェブンの値段は、錬成師から直接購入せずに業者に頼ると、金貨2枚前後まで高騰してるそうだ。

ちなみに錬成師や錬成師見習いは、材料のウェブンを連れて行かないと絶対に作ってくれないぞ。

だからってウェブンを育てる業者があっても、沢山弟子を持ってる錬成師じゃないと、事業の協力なんかしてくれないんだよ。

お嬢さんがウンザリしてる初級回復薬やマージンを、お嬢さんの師匠が作らないのがそのシステムだね。

弟子だってずっとそんな同じ生活は嫌だから、コロコロ回せる数が必要になるんだよ。

まぁ何処に移動しても初級回復薬からは逃げられないかも知れない。

下手したらお師匠さんですらノルマが有りそう。


そこで魔法生物ウェブンがドンドン高騰するかと言えば、金貨3枚ならウェブンよりも少し燃費と言うか餌の軽量化が落ちても、乗り心地が良くて力が強いモーブみたいな魔法生物もいるからそこまで高騰はしないらしい。


金貨2枚ぐらいなら買う人はギリギリ居ると言う事になる。

何せ商人は外国にウェスタリア産の魔導具を売りに行けば大金持ちになれる。

他にも魔石とか魔法薬とか素材とか売り物に事欠かない。

つまり1流と呼ばれる為に必要な旅商人の3種の神器は、魔法生物ウェブン、魔法の鞄、強くて信頼出来る護衛となる。

何故そこまで魔法生物ウェブンの地位が高いかと言えば、魔法生物に寿命がないせいだ。

怪我や餓死するので不死ではないけど、不老なのである。

その代わり子孫は残せないから、原種ウェブンが必要になる。

そりゃ金貨2枚払っても買うだろうよ。

事故らない限り永遠に乗れる車だもん。

大人の身長の半分ぐらいの籠いっぱい必要な餌が、小石1つで済むんだよ。

魔法の鞄が無い商人なら、魔法生物ウェブンは欲しいよね。

魔法の鞄は白金貨1枚からしか買えないけど、魔法生物ウェブンなら金貨2枚で買えちゃうしさ。


殺されない限り使えるなら、盗賊だって殺さないしな。

なんなら下手すりゃ運んでる商品より魔法生物ウェブンが高いまである。

だから飼い主は魔法生物ウェブンと魔法で契約を結ぶのだ。

死んでしまえば魔法の束縛は消えてしまうけど、そういった契約の魔法の解呪は法律で教会でしか出来ないので、持ち主が生きてる限りは滅多に盗まれる事もない。


それに魔法生物ウェブンを買うぐらいの商人なら、ちゃんと護衛を雇って移動してる。

でも万が一盗賊が商人を殺してウェブンを奪ったとしても、新しく魔法生物ウェブンと契約をしようと思えば、魔導師か錬成師見習いが必要なのだ。


盗賊が簡単に売りさばける商品ではなくなるが、そこは組織の大きさに寄るとは思う。

魔法生物ウェブンと魔法契約しなくても、魔法の契約が解けてたら一応は使えるからだ。

盗難されやすくなるだけなので、それでも買う人はいるんじゃね?と思ったのよ。

金貨2枚が小金貨1枚になろうとも、盗難からしたら大儲けでしょう?

でも法律の縛りがあって、魔法生物ウェブンは契約してない事が分かれば兵士に捕まってしまうらしい。

なのでよっぽどバカで無い限り、魔法生物ウェブンを魔法契約しないで使う商人はいないのだ。

魔導師だろうが、錬成師見習いだろうが、そんな犯罪なんかしなくても幾らでも金儲け出来るから、闇の組織には簡単に就職してくれない。

つまり正規のルートで無い魔法生物ウェブンの魔法契約は難しい事になる。


そして正規のルートが有るなら、それは魔法生物ウェブンが魔法契約時につける首輪に、必ず主人の名義が記載されるので、遺産として身内に連絡が行く様になっている。

基本的に取りに来るとは思うけど、中には戦士ギルドで処理して貰う事も出来る。

この場合で言えば主人が亡くなって、魔法生物ウェブンを持ち込まれた戦士ギルドが家族の意向を確認して。

頼まれたら代理で魔法生物ウェブンを販売してる店に連れて行き、そこに売る事が出来るのだ。


家族から依頼された正式な戦士ギルドスタッフの証明として、その場合は村長又は街なら管理者の代理人が付き添う事になる。

そして魔法生物ウェブンの状態にも寄るけれど、よほど大怪我をして無ければ金貨1枚で買取りしてくれる。

そして謝礼として立ち会った管理者と戦士ギルドに小金貨10枚(5億円)づつ支払われる。

残りの小金貨80枚(40億円)は、遺産を受け取る人が住んでる街や村の戦士ギルドから受け取る流れになる。

旅商人は旅が仕事なので、遠方で亡くなればそんな処理も仕方が無いのだ。

そして戦士ギルドは謝礼で受け取った小金貨10枚から、調査は必要になるが盗賊では無いと判断された場合、魔法生物ウェブンを持って来た者達に小金貨5(2億5千万円)枚が支払われる制度になってる。

ぶっちゃけ今は高騰してるから、金貨2枚(100億円)で買ったもんが金貨1枚(50億円)になるのはかなりの赤字になるが中古品だから、仕方が無いよね。

金貨1枚で買ってくれるだけ良心的なんだよ。

売値が金貨2枚だとしてもね。


そして戦士ギルドの人が悪の組織に買収されると終わるシステムになるけれど、何度も繰り返してたらバレる。

無いとは言えないけど、悪用し難いルールにはなってるのだ。

ちなみち側に魔法生物ウェブンの店が無ければそこまで向かわないと行けないので、戦士ギルドの職員は大変だと思うが、小金貨5枚はデカい。

そして10枚もデカいので、そりゃ村長も代理人もルンルンして戦士ギルドに付き合うだろう。


そして我が家はこの3種の神器全てを自前で準備する事が出来てしまうのだ。

魔法の鞄は私が頑張る。

ウェブンよりは難易度がかなり高いそうだから頑張るしか無い。

だって魔法の鞄はどれだけショボくても、白金貨からしか売ってないからだ。

そりゃそんな物を2個も持ってるお父さんは遠い目をする。

そしてちゃんと持ってるエリザベスお祖母ちゃんがヤッパリすげぇ。


今の所使える護衛はタルクス叔父さんだけだし、まだ魔法生物ウェブンも魔法の鞄も作れない。

でも護衛は今後他の親族やらタルクス叔父さんの息子やら、兄のロベルトが居る。

ジーニスが何を好むかにも寄るけれど、戦闘力は当分の間は私の護衛達が育ててくれるだろう。

そうギルバートさんやカルマンさんだね。

カルマンさんはセドリック王子として王家にちゃんと復帰したが、当面の仕事はお嬢さんの護衛だ。

もう仮の婚約者は出来ないけど、叔父だもん。

婚約者よりよっぽど世論に良い存在になってるし、お嬢さんの魔の手からも逃げられるので、王様も安心して任せられる。

逆にお嬢さんが行き遅れそうな気配がしてるけど、まぁそれはソレなのだ。

カルマンさんの2人の息子さんは、現在王弟の息子として猛勉強中らしい。

棺桶に片足突っ込んだ状態で、花畑まで秒読みだったのが長男の20歳。

私達が急いで助けたのはこの人だ。

次男15歳も段々とヤバくなって来てた所だったらしく、もう少しで兄の時と同じ様な寝たり起きたりの生活になってたそう。


王族として外に出せる様になったら、晴れてカルマンさんと合流出来る予定で、彼は必死に頑張っているとか。

合流しても幸せになれるかどうかは分からないがな。

南無。


そしてギルバートさんは私とお嬢さんの護衛を兼任している。

お嬢さんが店から出ない限り仕事が無いからね。

私も家から中央に来ない限り、今の所は護衛が要らないしね。

それもあってロベルトやマルクスまでカルマンさんやギルバートさんが交代して教会で鍛えてくれている。

そう教会でだ。

つまり騎士や戦士になりたい男の子達向けに、ボランティアで先生をしてくれている。

これは私の存在を秘匿してるせいで、公式にロベルトやマルクスを鍛える口実にするからだ。

だから教会に正式に登録する前のマルクスも参加出来ている。

マルクスが友達を誘って連れて行くからだ。


その分小さな子供達は女の子が面倒を見る羽目になるのだが、活発な4〜6歳までの男の子達が全員そっちに流れて行くので、案外楽になってるらしい。

あんまり小さな子供に剣術は教えにくいが、素振りぐらいは教えられるし、体術まで行かなくても、身体の捌き方を重点的に教えているそうだ。

でんぐり返しに後転に側転ほか、木登りやら駆けっこだね。

パルクールみたいに障害物を使った障害物競走が楽しいらしい。

障害物は教会から借りた机や椅子とかだってさ。

その代わり教会には新しい机や椅子を寄付したそうだ。

流石である。

教会に通うのに必要なモーブ馬車の乗車権利は、村長のはからいで7歳未満は集団で年長の引率が有る場合に限り無料にしてくれた。

つまり小さな子供が勝手に中央をうろつけないシステムになる。

そしてモーブ馬車には暇なお爺さん達が交代して乗りこみ、子供が教会に行く間引率してくれる様にしてもらった。


ちなみに村長はお嬢さんのお師匠様である。

実務は代理人らしいが、お陰で談合し放題。


村の教会への説明としては今後国の方針で貴族と平民の壁を少なくする為に、国としての教育に力を入れていく方針を⋯うんぬん話してる。


教会が終わった後の教育機関を作る話をすれば、教会も自分達の仕事を奪われる訳じゃ無いから、国の方針にケチをつけられないし。

基本的に下の方の職員達は善人なので、この村では好意的に騎士の働きかけは受け入れられている。

むしろ大感激されて、協力してくれてるそうだ。

それはもう王様を大絶賛してたらしいよ。

まだ魔力草の事も教会の上の方との対話もして無いから、今どんな学校にすればいいか。

必要なのは何かを調べる段階なので、この村だけの話で止めてくれとカタリナの紹介で会った神父さんみたいな人とお嬢さんがお話をつけたらしい。

村長も村長の代理人も黒魔石が秘匿扱いのせいで、この話し合いに直接参加出来なかった。

村長の代理人には黒魔石じゃ無くて、上の領主家の姫を理由にして話をつけてある。

そもそもお嬢さんはダンジェロ侯爵家の親族と偽装してるので、まあそうなるよね。


そりゃそんな貴族の偉い人と会わなくて済むなら、会いたい平民なんか居ないからな、首を突っ込んて来るはずもない。


そこで何故そんな話を一介の騎士を連れた貴族が持ち込んだかと言えば、この村の錬成師見習いが王様の娘だからと、ここは誓約して本物の情報を伝えてるそうだ。

つまり話を具体的に進める前のお試しとして、姫が下調べに騎士を連れて来た設定である。


誓約したので村の教会スタッフである、司祭だか助祭司だか分からない、神父モドキさんしかまだ知らない話なのだ。

教会の上には王様が話を持ち込むので、それまで秘密ねって言えば教会の人としてもその方が有難いらしく。

感涙して受け入れてくれたらしい。

だって平民からしたら王様なんて神様と同じレベルだ。

例え神様を崇めてる教会スタッフだとしても、平民育ちだからその感覚はあんまり代わらない。

何せ王様は良い人だと教育されてるからね。

村の教会スタッフなんて、そんなもんだ。

言われるまま信じてしまうのも仕方が無い。

だって騎士を連れてるだけで、相手が貴族以上なのは分かるからね。

悪い話じゃないから受け入れもしやすいのだ。

コレがあからさまに悪意のある話になれば、この教会スタッフ全員が教会の密偵に変貌するが、まあそんな未来は来ないのでこの話は不要だろう。


お嬢さんもまだ1〜2回しか行けてないけど、1番最初にその話をカマシに行ってるので、顔は売って有る。

カタリナもその時に行って、自慢の神父モドキを紹介したのだ。

カタリナとお嬢さんの関係は、ヤラマウトの話があるからスムーズに伝わった。

いきなり貴族が村の教会に行くと向こうが恐縮したり怯えたら困るので、知り合ったカタリナに頼んだと言えば、最初は騎士を見て萎縮していた田舎の神父モドキも直ぐにホッとして落ち着くのも早かったそうだ。

まぁ姫なのをバラしたら腰を抜かしたそうだが、そこは御愛嬌。

だから余計に姫を送り込んできた王様の平民の生活向上政策の話を聞いて、泣きながら大感激からの大絶賛に繋がったと言う訳です。

嘘じゃないしな。

私が提案したまんまを使うとは思わないが、そのうち教会の上に学校は作るだろう。


実際街にはソレがあるんだし。

村にまでその手を伸ばして数を増やすだけなのよ。

じゃなければ今の平民がバカ過ぎて、貴族が距離を縮めたくとも縮められないのよね。

裏に私の護衛候補教育と言う別の企みがあるけど、それも悪事じゃないから別に良いのだ。


そう王様が焦りさえしなければ、平民はこれまでと生活はあんまり代わらないのよ。

変えるのは貴族の意識なのだ。

身勝手な個人主義からウェスタリア中心主義に変えて行く。

それが王様の静かな革命。

そこに先王様を先頭にして家臣達が奔走するのである。

年寄りをこき使い過ぎ問題。

まぁ若者は今教育資料を集めて、新しい部門として教育機関を立ち上げに奔走している。

見習いになれなかった人達を使う案は好意的に捉えられたが、ヤッパリ基盤を作るのは上の錬成師の仕事だそうだ。

そんなもん当たり前である。

ただ私は遠慮してそれを端から言わんかっただけよ。

だって錬成師がそんなことする暇んかないとか言われたら困るしな。

まぁ教育機関の手足として、落ちこぼれ達は救済されて行くだろう。

だって錬成師の勉強て法学部の医大生兼薬学部兼科学者レベルだと考えてよ。

つめこみ過ぎだろ。

そりゃ難易度高いよ。

他に無いから人が沢山集まってるだけで、教育専門課程を作っても、落ちこぼれだって入学してるだけでも優秀なのさ。


ただ求められてる内容が前世より少しだけショボいだけ。

とは言っても暗記数は半端ない。

それこそ大多数が暗記なのだ。

だから頭の悪い私は知育玩具を作らせた。

私とお父さん用だが、ジーニス以外の家族が全員参加出来るヤツである。

カルタやトランプだね。

カルタは歴史の内容を読んで年号を取ったり、文字の意味を読んだらその省略文字を取ったり、逆も有り。

あと国の地方の名前や特産品読んだら、そこの代表領主の名前を探すとか。

コレ⋯今覚えても消える知識?と、思わなくも無いけど消えるとしてもずっと後だから今は覚えなくちゃダメなヤツ。

紙に書いて皆で読みあって楽しく覚えてる。

お父さんよりカタリナやロベルトやマルセロが覚えちゃったのは御愛嬌。

計算力を鍛えるのにトランプを作ってくれたのはお嬢さんだ。

数字覚えないと遊べないし、ブラックジャックしてたら足し算とか覚えやすいよね。


カルタも直ぐにボロくなるだろうから複製して貰って、ギルダス家やタルクス家などエリザベスお祖母ちゃん系統の親族の家にも配ってる。

なんとお姉さん、錬成師の魔法でパパッとしてくれた。

驚く事に転写する魔法があったのだ。

カメラ作れるやん!とは思ったけど、映像じゃ無くてコビー機タイプの転写だ。

なので本は安くなるやろと思ったが、転写する素材に金がかかってた。

魔力を定着させる必要が有るから、どうしても高くなるし。

使えるのが錬成師なので、つまり魔法生物ウェブンと同じ現象が起きている。

錬成師見習いの仕事になってるけど⋯うんぬんだ。

もう錬成師見習いの助手とか名前をつけて下働きを増やせよ!と考えた。

でも学ぶのに学校を作る事すら設備にお金がかかるとか。錬成師の魔法は危険な物があるので、施設を増やしたくても増やせないと言った所が正しいらしい。

それでも分けたのが錬成師と魔導具師だ。

技巧系と科学系に分けたんだね。

それを聞いた私は思わず遠い目になった。


ちなみに魔法師は魔道が上にあり、魔法師の高等科は魔法陣や難しい魔法理論やなんちゃらあるんだってさ。

魔法師になるだけなら、自前の魔法がコントロール出来たらなれるらしい。

だから小学生から中学生レベルの学校なのだ。

そして優秀な人が魔法の道として魔術を学んで行くと。

今父は水の魔法がメインで他は火と光が使える。

風と土は教会じゃ教えて貰えない。

農家なら土はとても欲しいけど、子供に教えたら奴らは必ず落とし穴を作るのだ。

なので教えるの禁止になった。

危ないから。

遊んだあと直さなければ事故の元だし、直していくの大変じゃん。

キレた教会スタッフがいそう。


なら風なら良いじゃん!て思うやん?

奴らはスカートをめくるのだ。

この時代のスカートの裾は長いのが普通なので、教会でそんな事したら怒られるに決まってる。でも必ずスカートをめくるのに使うバカが後を立たないので、女性の為に教えなくしたとかありそう。

魔法の悪用駄目絶対。

火は火事になるから1番駄目と思うけど、火って割と燃えないんだって。

燃やすものをシッカリと準備して始めて燃えるし、先に水を教えるから消せるんだよ。

火事になっても7歳以上なら消せるから、火はオッケーらしい。

でも故意に火をつけたら死刑になる。

スカートとか落とし穴のレベルじゃない。

あと火傷の経験する子供は多い。

何故なら火を習ったら必ず教会で焼き芋をするからだ。

皆芋を取る時に火傷して火の恐ろしさを覚えるんだとか。

ナニソレ虐待教育。

でもコレかなり効果的で、熱に怯えて火遊びはしなくなるそうだ。

子供でも死刑とか言われちゃな。水かけて遊ぶよね。

自力で水鉄砲出来るんだもん。

農業するのに水は必須だし、戦士になっても生き残る事を思えば飲水はとても大事になる。

そして光は浄化など消毒する魔法になるが、難しいらしくて教わっても習得出来る子供はかなり少なくて、むしろ習得出来たら教会にスカウトされるらしい。

治癒魔法は魔道になるので、教会で使えるのは教育を受けた上層部の僅かな人達。

下々の教会で使われるのは基本的には浄化や灯りの光になる。

ただ修行のために教育された下っ端幹部候補生が街や村の教会に派遣される事は良くある。

回復薬はお高いので。

そしてそんな少ない下っ端幹部候補生の1人が、カタリナ推しの神父モドキさんだった。

村だけど大きいからねミシリャンゼ。


深読みすればだけど、ミシリャンゼ規模の村はウェスタリアでも少なく無さそうなので、ちゃんと差別せず村にも派遣してますよアピールで、教育された下っ端幹部候補生を送り込むけど、そんな優秀な人材を生活が苦しい潰れそうな貧村に送る訳が無い。

そんな所に行くのは勉強させても治癒魔法が使えない能無しだけで充分でしょ、て方針な気がする。

だからカタリナ推しの神父モドキさんは優秀な人なんだけど賢いから、あくまで平民だし腰が低くて皆に好かれるのだろう。

ミシリャンゼに派遣されてるのも予定調和だ。

周りの村から救援を受けたら出て行く人なのかも知れないが、まずはミシリャンゼで手一杯かな。

規模がデカい村なので、基本的には上に情報を伝達する端末だと思う。

貴族うんぬんのトラブルから始まり、疫病とか自然災害とか魔物の大きな被害とかの大きな異常を上にぶん投げる的な人材と予想してる。


教会には近寄らないから確かめる事も出来ないけど、何となく話を聞いててそう感じた。

だってお嬢さんがお話して、スンナリ理解出来る平民なんて相当優秀だからな。

泣いてる時点でちゃんと話を理解してる証拠なんだよ。

それは流石教会だと感心した。

じゃなければ端末としても使えないとは思う。


んで父も子供時代に教会にスカウトされた経験はあるが、浄化も範囲は狭いし、あまり光魔法は得意じゃない。

そもそも農家やる気マンマンだったのでお断りしたそうな。

逆に母は宿屋の娘で掃除を浄化して鍛えたので、光魔法が得意らしい。

勿論母もスカウトされたが、母親があのエリザベスお祖母ちゃんだ。

教会なんて貧乏そうな所に娘を渡す筈がないよね。


ちなみに私は教会が貧乏そうなのはフェイクだと考えてる。

ぶっちゃけ金持ちランキングがあるなら、教会→王族→貴族=商人=だと考えている。

だって教会を建ててるのが教会で、しかも1つの国じゃ無くてイスガルド大陸にある全ての国街一部の村にあるのだから当たり前だ。


建物の数が多くて賄う職員が多いし、貧乏人に施したりしたり孤児院経営したりしてるから貧乏(びんぼう)に見えてるだけで、総資産なら世界一だと考えてる。


私が分かる事ならあの王様はとっくに分かってる。

なんなら今本店は東端のルドルフ大帝国にあるらしいが、人類で1番最初に大きく発展した国がそこなだけで、イスガルド大陸規模的には恐らくウェスタリア王国の王都にある教会が、実質的な本店で有ると予想される。


ちなみに聖地が有るのはミスドガルド共和国なので人類発祥の地はそこだろう。

まだ地図を確認して無いから何とも不確かな想像でしか無いが、ウェスタリアが覇権を握った大元は北部地方の極寒の地なので、ルドルフ大帝国は東側の北方面に有る国で、ミスドガルド共和国は真ん中より南側にあるのではと予想している。


文明が低ければ海の近い温暖な地方が生存しやすいしな。

塩と気候は大事。

ウェスタリアは魔力が高い地方なので、外敵の魔物が強くて発展が阻害されていたとすれば、何となくそんな気がする。


つまりイスガルド大陸を横に半分で切った時、下方面にある国で原始の人間が生存しやすくて、増えて上方面に追いやられた人間が上方面に国を作り、魔力が多い人間が多くなるとすれば、戦争に勝てるのは上方面の人達になる。

これは夜か多く昼が少ないせいで、そこに生きる生物は全体的に魔力が高くなるし、寒さが厳しければ暗い室内での生活を送る事になるからだ。

魔力過多症を繰り返し続けて、生き延びてきた子孫なら環境が厳しいこともあり、そりゃ人間が強くなるだろうよ。


ウェスタリアの生誕の伝承を思えばもうそうしか無いよね。

だから未だに本店はルドルフ大帝国と言い張っているが、教会の本物の上層部はウェスタリアに来てる可能性が高い。

だってミスドガルドがルドルフと喧嘩してるんだもん。

つまり何が言いたいかと言うと、あの王様は教会すら利用して世界征服を考えてそうな事だ。

侵略戦争しなくても、教会を使ってウェスタリアの価値を伝えれば同盟したい国も増えそうだし。

なんなら吸収しちゃえばいいのだよ。

隣に隣接してる所がソレだしね。

国としてまだ残ってるけど、そのウチ州になるんじゃね?


商売するには商売相手が金持ちじゃ無ければ困る。

ウェスタリアだけでも自炊は出来るけど、麦や綿なんかの生活に必要なもんを買って、代わりに改良した種とかを売りつければ、自分達で畑を耕さなくても質の良い素材や食べ物が集まり放題になる。

そこで種なんて安いから、国にお金が貯まってくれば、今度はお高い魔導具を売り込んでやる。

魔石も必要だよね。

ウェスタリアの特産品だ。

そしてウェスタリアはふくふくと育つことになる。

商品の良さは教会に寄付して外の教会に持って行って使って貰えば、そこに行く王族や貴族や小金持ちの商人やらが、その良さを知ることになるので、良い商品のデモンストレーションが出来る。

教会だって便利な生活が出来るので、Win-Winの関係になれるのだ。

そりゃお嬢さんが神様に対して親密度が高くなると言うもの納得出来る。

ウェスタリアの王族は昔から教会と縁を深めて、経済的に発展してたのかも知れない。


とかぼへーとどうでも良い事を考えてたら、マゼランお祖父さんが休憩を終えて、密偵のお姉さんがお子様ランチを持って来てくれた。

お父さんやギルバートさんもそれぞれが好みの食事を注文している。

ちなみにギルバートさんのお昼ゴハン代はウチの奢り。

と言っても私達は1円も払ってない。

だって白金貨を8枚と小白金貨99枚渡しちゃったもんで、お金を支払う必要が無くなってしまったのだ。

それでもこちらは支払うつもりだったけど、面倒臭いと言われて終わった。


エリザベスお祖母ちゃんなら白金貨もいい感じに使えると思うが、ヤッパリ年齢がなぁ。

息子世代では白金貨はまだプレッシャーが高いらしい。

何せ銅貨や銀貨で稼いで金貨の商売をするぐらいの経験しか無いからだ。

やり手のエリザベスお祖母ちゃんだからこそ、白金貨が使えるんであって、息子や娘はそのレベルじゃ無いって事なのよね。

なので私がエリザベスお祖母ちゃん系統の親族の知力を、知育玩具を使って底上げする教育をしてるのだ。

育ったら上の学校に行きやすいしな。


セフメトは旅商人をやらせるが、王都や外国の商売をするのはエリザベスお祖母ちゃん所のひ孫か私の兄弟の子供か、セフメトの子供の中から素質が有りそうな子供を選んで教育して、セフメト商会で経験を積ませてから、大店の番頭クラスの有望な番頭を雇って修行させながら育てて行こうかと、エリザベスお祖母ちゃんとお話している。


なにせそんな遠い未来の話じゃ無いからね?

あと10年経っても私は12歳だし、カタリナは20歳だ。

お祖母ちゃん所の1番上の孫から産まれそうなひ孫が、私と似た年代になるから、あり得る未来なのさ。


まだエリザベスお祖母ちゃんだって現役してるだろうしね。

私は影のフィクサーをするんだよ。

基礎教育はするつもりだけど、あとは投資か相談役する程度なもんさ。

今は自衛が出来ないから完全に秘匿してる姿も、自立すればリリアナとして生きて行くことを目標としてる。

それが魔王との戦いに勝つ方法だからね。

思春期にはいる前には婿候補を探しておかないと、アレに負ける訳には行かないのだ。


なんなら逆ハーレムっちまってもいいさ。

ヤツの好みはこちとら見切ってるからな。

面倒だし興味も無いから最終的な手段になるが、逆路線に突き進めば、良いお友達のまま魔王と仲良く付き合えるだろう。

そして私は名実ともに、10級宣言してやるのさ。


「おいひぃ!」


スプーンを咥えて足を小さくパタパタさせる。

お子様ランチの内容は、謎肉のミニハンバーグのミニナポリタンに、小さなパンケーキだ。

お野菜はブロッコリーとピーマンの合わせ技っぽい、少し苦味のあるモコモコと、飲み物に使ってる黄色いニンジンモドキ。

あとはジャガイモに似たお馴染みの芋ベルチのマヨネーズ和え。

文句無しの最高のお子様ランチだ。

パンケーキにはマモー乳で作ったフワフワなホイップクリームが乗っけてあるし、パンケーキ自体に甘い粉を使ってるのでホイップクリームが無くてもバターの風味が効いて最高のお味。

お嬢さんも賞賛してくれた、美味しいスイーツなのだ。

バターとパンケーキはテッパンだよ。

そしてスープは優しいお味の野菜スープ。

これは老人会風のお爺ちゃん達が飲んでる物と同じだね。


お父さんは若者用のガッツリ日替わりメニューに出てるシチューと中身が同じで大きさがミニのシチューと、普通サイズのハンバーグと目玉焼きセットにガーリック風のパンを食べてるし、ギルバートさんは分厚い謎肉のステーキとお父さんと同じミニシチューにパン、そしてマヨネーズ和えのサラダを食べている。

謎肉なのは私が何の肉か聞いて無いだけなので、私のミニハンバーグの味は兎モドキ。

だからお父さんのハンバーグも兎か端切れ肉のミックス?

ギルバートさんの、あの大きいステーキは赤みが強いから、鹿肉モドキかも知れない。


ミンチにする魔導具を投資した甲斐があったよ。

多分魔王⋯じゃ無かった。

国王がフードプロセッサーを作ってくれたと思われる。

お嬢さんに絵付きで頼んだら、ソレが届きました。

ちなみにハンバーグも作れるが、部品交換で野菜ジュースのミキサーとしても使える代物である。

浄化魔法って素晴らしい!

食中毒と無縁だよ。

だからホイップクリームもマヨネーズも簡単に作れるし、衛生面も安心だ。

増産は魔王がぶん投げたら発注出来る。

高くて買えない予感はするが、そうなれば私が頑張ってそのうち自作しよう。

まぁ頼めば魔王がお嬢さんに投げて作らせそうではある。

お嬢さんキレながら作りそう。

魔王は開発好きなだけで、生産ラインには向かないタイプだから、特許制度は有るらしいので誰かに投げれば増産するのは問題は無い。

料理界がざわついてるかはまでは知らんがな。

人件費安いもん。


浄化魔法はマゼランお祖父さんは料理の為に頑張って覚えたんだろう。

お母さんが浄化魔法が得意なのも、マゼランお祖父さんが教えたんだろうか。

宿の掃除でつかうなら、エリザベスお祖母ちゃんが2人を鍛えたのかな?

そんな気がする。

でもひょっとしたらエリザベスお祖母ちゃんに教わったのに、魔法が上手く使えなくていじけてる小さなお母さんに、マゼランお祖父さんが自分の苦労を思い出して魔法を教えたのかも知れない。

だから料理も上手く教えられると思ってた⋯とか。

まぁこんなもん聞けば済む話だけどね。


老人会メンバーが入れ替わる前に、ギルバートさんが先に店を出て行く。

そして少しだけ時間を空けて、老人会メンバーが交代したら籠を背負ったお父さんも店を出て行くのだ。

ちなみにあのスペースには音を消す魔導具が設置してあるので、私が叫んだ所で声は漏れずに済んでる。

お父さんが背負った籠に私はもちろん入ってる。

まだ私が小さいから使える技だけど、大きくなれば自分で歩いて裏口から出れるしな。

そん時はそん時に考えればいい。


いずれギルバートさんに何者かの見張りがつく様になり、一緒に店内に入って来るならそれはきっと若者か中年だろう。

老人会は戦士ギルドの爺ちゃん達なので新しく老人がきても体格が違うし顔バレもする。

そして居座る中年や青年が居れば目立つので、ウェイトレスのお姉さんが私達に知らせる事が出来る。


そして店の外で見張りがいる場合、ギルバートさんが誰と会っているのかを知るには、奥のスペースに来なければならない。

ので分からない。


だから居座らない青年や中年の中に諜報員がいても、店内にギルバートさんが居ないから店の奥のスペースに居ると分かっても、その先はどうしても探せない事になる。

魔法や魔導具対策はバッチリしてるので、破れる猛者が来たら魔王が喜びそう。

次に起こるのは従業員の誘拐だ。

話を店員から聞く方が早いよね。

でもここの店員さんは私達の親族なのよ。

私の正体が秘匿されてるのに、関係者一同が全員知ってるとか思わないよね。

ついでに言えば狙われる危険が有るなら先に手は打つもんだ。

だから私達の家族や親族は王様が支給してくれた防犯用のブローチを、子供から大人まで全員が持ってるのだ。

何なら行方不明な戦士として旅だった父の兄弟達の行方まで捜されて見つかってる始末。


普通なら探せないかとても厳しいと思うのに、マリア婆ちゃんが産まれた時のへその緒を大事に持ってたもんだから、あの銀色の懐中時計モドキであっという間に探されて行方が分かったと言う。


そして悲しい事に男子6人中の行方不明者3人のうち2人は死亡が確定し、1人は現役で生き延びてるのが分かったのだ。

そして戦士になった行方不明の姉も2人のうち1人だけ生き延びている事が判明した。

3男のカックス 41歳は領都で貧民ギリギリ生活してた。

戦士として成功して点々としているウチに大きな商会に雇われて護衛として働き、その収入で家庭を持ったのは良かったが、カックスを雇ってた商会が経営に失敗。

旅商人の雇われ戦士だったカックスも、経営難のせいでクビになり、仕方無く野良の戦士として働いているが、家族が居るから稼ぎの良い所には行けない。

行けなくはないが、領都で生まれ育った奥さんが街から出るのを恐れて拒否したらしい。

子供がまだ小さかったせいもあり、街の仕事や渡りの旅商人の護衛を受けて、ボソボソとした生活を送っている。

と魔王が調べてくれたので、領都にタルクス叔父さんが行ってくれたのだ。

説得して村に戻るなら鳥の事業に協力して貰いたいし、奥さんが駄目ならカックスを単身赴任させても良いし、他にも使い道は盛り沢山。


結婚が遅かったのでカックスの子供は全員で3人居るがまだ1番上が13歳、真ん中が10歳、最後が7歳になる。

上の13歳は商人に弟子入りして修行を受けている。

まだ良い商会に雇われてた時代に口を効いてもらって、そこに旅商人になる修行をつけてもらってるのだそうだ。

真ん中はこれから何処かに弟子入りさせたいが、失業したので妻の商会や馴染みを頼る予定だったとか。

妻の商会は平民相手の小さな古着屋さんなので、親族が他にいるからなかなか厳しいらしい。

馴染みも戦士仲間から良い商会を聞いて貰っているが、恐らくカックスが育てて戦士させるしか道は無さそうと言った所だ。


下は教会で勉強中。

だからタルクス叔父さんには、偶然再会した風を装ってこれから家業を拡大していくので、人手が不足している事を伝えて、何時でも連絡が取れるようにして来て貰った。

金貨を握らせてだ。

札束で横顔をぶん殴る予定である。

ちなみに村で金貨はヒャッハー出来るけど、領都みたいな大きな街ならせいぜい一年分程度の生活費だ。

貧民なら3年粘れるか?って所だろう。

それだけ街と村では税に差が出てしまう。

話は通信機からリアルタイムで聞けたので、リアルタイムで指示したよ。


食堂で騒がしいから小声で叔父さんの耳元にボソボソしてたら、向こうも分からんよな。

カックスさんはジギタス叔父さんに似た性格だが、バカでは無かった。

だから良い商会に雇われて護衛として働けたんだよ。

何ならマゼランお祖父さんを明るくしたタイプの人間だ。

他の死んだ人達はジギタス叔父さん似のバカだったかも知れないし、賢くても厳しい世界だから仕方が無いね。


そして家業の鳥を本当はウェブンに切り替える訳じゃ無いけど、今後は切り替えを目指す話として伝えてもらった。

だって私もウェブン製造気になるつもり無いもん。

後継者が育てば順次していくぐらいなので、手広くはしないさ。

売り物なら他にも山ほど作れるしね。


あと人手不足なことも伝えて貰った。

そっちはまぁ不安定な話だが、ここで登場したのがエリザベスお祖母ちゃんだ。

ぶっちゃけ何にも嘘は言ってません。

金貨の元は私だがエリザベスお祖母ちゃんからの投資だと伝えて有る。

村に一次的に来ても良いけど、最終的には領都に店を出す予定なので、商人に顔が利くなら相談役として雇われないかうんぬん。

それも嘘じゃない。

そりゃ向こうからしたら渡りに船だ。

村1番の商人から嫁が来て、末っ子に嫁いだことを話せばそりゃ嘘なんて何もついてないから向こうはヒャッハーするよ。


それでも街で生き抜いて来たからだ疑う訳だ。

なので今度家に帰って見てみろと、金貨を渡したのだ。

そりゃ信じる。

無駄にお金を使いたくないし、別に領都にいて口を利けば良いだけなら文句も損もない。

ただ人手不足なせいでまだ12歳のセフメトが頑張って修行に〜うんぬんしたら、俺の長女も修行に出してる!となり、従兄弟だし結婚を前提にうんぬん。

そこはお酒が入ってるから半分状態みたいなもんだけど、旅商人の関係者なら魔法生物ウェブン事業が熱い事も知ってるしな。

錬成師見習いになれそうな子供をエリザベスお祖母ちゃんが学費を出して育生してる展望がうんぬん⋯となれば、カックス叔父さんも有頂天になる。

だってずっと暗かった生活に明かりが差し込んで来たからだ。

でもタルクス叔父さんはちゃんと釘は刺した。

話し過ぎ注意報と凄腕狩人の話である。

弟とは言っても1流のプロ戦士だった、カックス叔父さんならそんなに難しい話では無い。

3年後から本格的始動する計画に、カックス叔父さんは内心大興奮してた。

娘もかませるつもりだろう。

何せ小さいながらもセフメトは15歳で商会長となり、もう既に魔法生物ウェブンと魔法鞄が有るとなれば、これは勝ち確定の明るい未来のお話だ。


ただそんな少年が幾らエリザベスお祖母ちゃんがついてても、村の商人。しかも老婆となれば後ろ盾としては弱い。

だからカックス叔父さんの協力が欲しいと言えば、そりゃ納得するよね。

エリザベスお祖母ちゃんの自分所の孫で村の商会を支え、娘の嫁ぎ先に支援して領都に店を持つのを野望としてるとなれば、どれだけ女傑かって話だが、真実エリザベスお祖母ちゃんはその器なので、何にも問題は無いのです。

もうカックス叔父さんが話の途中からプルプルと武者震いしてた。

娘が弟子入りしてる商会にもそのうち繋ぎを取りたいのでうんぬん⋯とか話して、水面下で動いて貰う事になった。

弟子入りを受けたものの、話を持って来た商会が経営難で四苦八苦してるから、カックス叔父さんの娘は半ばお荷物扱いに格が下がっているものの、紹介された所なだけあって特に悪い扱いはされてないのだが、今回の話が届けば飛び上がって喜ぶ事に違い無い。

勿論鵜呑みになんかしないでミシリャンゼに来るだろうが、錬成師になる情報なんて、平民じゃ知りようがない。

なのでそれが真実かどうかも分からないが、そんなの村にきてエリザベスお祖母ちゃんやらお嬢さんがお相手すれば瞬殺である。


領都程度のいち旅商人如きが敵う訳が無い。

もちろんお嬢さんは当然の様な顔で南部地方最大の領主家の姫君として姿を現す。

そんなもん旅商人にはそれすらも遠い存在だからな?

そのための根回し兼政策として、ダンジェロ侯爵は真っ先に先王様から呼び出しを食らって魔王の恐怖を叩き込まれ済みだ。

カックス叔父さんが済んでる領都は、その下の子爵家の領都だから⋯もちろんその子爵家の領主はダンジェロ侯爵から呼び出しを食らう訳だ。

なら領都でチョコチョコと新しい政策の話が出ようと、子爵が騒ぐ事もない。

何せ直ぐ上の上司から話を聞かされ済みだからだ。

むしろコッチの方は姫が錬成師見習いなのを良いことに尖兵にしたと、ちゃんと説明されてるもんだから何か問題があれば言うけど基本放置で宜しくね!状態だし。

子爵様も胃が痛かろう。

でもそもそも姫は自分の親族の弟子なのだ。

知らなかった事を知っただけなので、根回しとはそう言うもんである。


ピンキリとは思うが、会えばそれこそスムーズに話が進むだろう。何せ相手はお忍びしてるが本物のお姫様だから。

ちなみにお忍びしてる本物のオッサン王子までついてる。

そこまでバラさんがな。

騎士見たらそれが姫じゃ無くてもひっくり返りそう。

存在感に説得力がありまくりだよね。

もちろん錬成師の学校は有るけど、今は貴族しか通えてない。

でも王様はそのうち⋯うんぬん。

こんな事を言っても良いのかって?いいに決まってる。

それが本当に今後の政策になるからだ。

フライングしてるのは、姫が尖兵なだけで現在情報収集がてら村に貢献してるとしたら黒魔石なんか出てこんでもな!て、ヤツだし。

姫が黒魔石関係者なのは上層部にバレバレなのでそこもな!て、事になる。

説明端折りすぎか?

すまんな。

でも不安になる必要なんて無いよ。

だって魔王がついてる。

そこで蠢く有象無象がいれば、ヤツが潰すだけなのだ。

私だって聖職者じゃないからな。

誤解してない悪人をどうされようとも、どうせ知らされないだろうから構わないのよ。

あ、やっと最近教会スタッフが聖職者って言うのは覚えた。

ずっと教会教会言ってたから、お嬢さんが教えてくれた。


問題なのは今後増えていく有象無象の上層部じゃない貴族と、有象無象の豪商の対策になる。

なら手を伸ばそうぜって事で、私は魔王をこき使い、ドンドン身内もこき使い倒して味方を増やして行くのだ。

そんぐらいやんなきゃ、黒魔石なんざ名乗れねぇしな。

あと真実長女なアーニャさん51歳。

ジギタス叔父さんの上のお姉さんになる。

カタリナみたいなもんです。

そしてアーニャさんは狩人の技を習得してから旅だった戦士だ。

もうその時点でスゲェのが伝わってくる。

そりゃ生き残れるポテンシャルを秘めてらっしゃる。

今は狩人のテクニックを使って稼ぎながら、孫を辺境で育つつも生活なされてる。

辺境で戦う51歳の女傑。

ヤバすぎ。


旦那ははるか昔に死亡し、一人娘の旦那も死亡し、娘も死亡して残ったのは10歳と8歳になる孫2人だ。

速攻で戻って来いコールするのに、存在が分かった時点でジギタス叔父さんをパシらせた。

タルクス叔父さんがカックスさん所に向かったのは交渉が必要なせい。

タルクス叔父さんは、エリザベスお祖母ちゃんの紹介で知り合った旅商人さんと一緒に領都に行った。

表向きの理由は領都にある魔法生物ウェブン販売店の視察にしている。ついでに原種ウェブンの卵の買い付けも頼んだ。

失敗するかもだし、要らんかったら食べても良いしね。

ちなみにお値段銀貨10枚(10万円)なり。


そしてジギタス叔父さんがお父さんと戦士ギルドに行くと、戦士になった自分の息子が村に戻って来てるのが分かった。

戦士はギルドに必ず出入り情報を伝えている。

先ず無いが表向きの理由としては、親族に遺産を渡す事も有るからだそう。

でも本音は戦力の確認をしたいだけと思われる。

戦士は出たり入ったりするから、自由にさせると今何人の戦士が村や街にいるか分からなくなるからだ。

そしてジギタス叔父さんと言うよりも、お父さんが戦士ギルドと良くお付き合いしていたお陰で、そのジギタス叔父さんの息子がお父さんの親族なのを知っていた事で、帰って来てるのが判明したのである。


爺ちゃん記憶してたのか。

スゲェなと思ったが、村出身の戦士なら馴染みがあっても可怪しくない。

だってジギタス叔父さんの次男が戦士になって11年前経つのに、チョイチョイ村に出たり入ったりするもんでそりゃ馴染むわ。

辺境に行ったけど村のが良いなってなってから、村に出入りする旅商人の護衛として働いてるんだそう。

でも仕事は真面目にしてるのに、旅商人との出会い運があんまり良くないから、26歳なのに結婚もしてないし、最近私のお父さんに相談しに戻ろうか悩んでた所らしい。

何故なら戦士の数が多過ぎて、よっぽど突き抜けた特徴が無ければ、専属として雇って貰えないからだ。

エリザベスお祖母ちゃんの娘と私のお父さんが結婚してる話を知ってたから、良い旅商人をツテで紹介して貰えばと考えてたんだそう。


でも辺境には何度か行ってるから、旅には慣れたベテラン戦士なので生きてるだけでそれなりに優秀なのだ。

専属の壁がどれだけ高いかってだけで、そもそも戦士の無能は20歳になる前に死んでるのが普通である。

15歳から20歳の壁を越える前に半数以上が死ぬ。

そして20歳を越えて魔物狩りだけで悠々時的な生活が出来る人は1割にも満たない。

基礎の武術を習ってないからだ。


大抵は街や村の出入りの旅商人の護衛やら、大きな街で下働きするのが普通。なので40歳も過ぎれば仕事も出来なくなる。

代わりの若者が沢山居るので、専属出来なければ雇って貰えなくなる。

それまでにお金を貯めて旅商人になれたら良いが、村程度の教育を受けただけならそれも難しい。

つまり未婚で35歳超えるとまた死亡率が上がる。

30歳までは余裕と考える物も多くてそれには気付かないけど、ジギタス叔父さんの次男は賢いから、ヤバいと焦ったのだろう。

その人は親のジギタス叔父さんと出ていったので、残った人員が協力して家業を回してる。

ジギタス叔父さんの息子と思えないぐらいシッカリとした次男さんなので、旅のお金はその人に渡してある。

村から離れないで生活する危機管理能力と知能があるだけ、とても賢い証明であるから安心して任せられた。

他に回収出来そうなジギタス叔父さんの子供を回って来る事になったが、村から出た他の男子は全滅してる。

娘は6人いて他は嫁に行ったか亡くなってて、戦士になった娘が1人だけ辺境近くの街で生き残ってるらしく、今の所は上手く生活してるみたいなので、必要が無ければ顔だけ見てくると言ってた。

そんな賢い次男が何故戦士になったかと言えば、旅に出たかったからだと思う。

そして現実を見て頭が冷えたから、村に戻って来たのかもね。

これも聞けば分かる話なので、あくまでも私の勝手な予想だ。


鳥はバッカス16歳を中心にして、タルクス叔父さん所の息子やら狩人の弟子になったバッカスの兄弟が好意でアルバイトしに来てくれてる。

まだ卵だしね。

原種ウェブン。


私は魔法生物ウェブンが引くボロ馬車に中で毛布とクッションを敷いてる所に置かれてる背負い籠の底に丸まって、お昼寝するのだ。

じゃないとオンボロ馬車内でコロンコロンしちゃうし、ローブが有るから暑さも大丈夫。


この世は本当に矛盾してるよね。

魔法薬でスカッ!と怪我が治るのに、お金が無いから若者がサクサク死んじゃう。

貧乏がありえないぐらい貧乏で、産まれた時から周りもそうだから這い上がりたくても、壁に取っ掛かりすら無い酷い状態なんだよ。

まだ成人の15歳になってないのに戦士になって独り立ちしたんだろう、楽しそうな顔の子供戦士をお祭りで見た時、悲しくなったのを良く覚えてる。

だって秋のお祭りだからな?

これから冬が来ちゃうんだぞ。

そしてそんな子供は少なく無いし、それが当たり前な村からつぶれるから、ミシリャンゼがドンドン大きくなるんだよ。

でも先ずは自分の足場をシッカリと固めなくちゃね。

身内も救えないヘボが、他人様を救える訳が無い。


ちなみに投資とは人材教育も含まれるものと私は考えてる。

視野は広く長く持って、時々足元も確認しないと転んじゃうしさ。

遠くを見るのは少しだけ得意だから、転ばない様に近くを見てくれる仲間を私は増やして行くのだよ。


スヤスヤ⋯スヤァ⋯



ハンバーグとマヨネーズはテッパンでも無双は出来ない。

ヒロインが食べたかっただけ。

お父さんが遠慮してハンバーグを頼んだ模様。

老人が元気すぎるとそうなる。

でもマリア婆ちゃんは大絶賛してた模様。


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