9月のある日
その日は青空が見えていた
透き通った天気というのは
今日のような日のことを言うのだろう
秋の冷たさがだんだんと増してきて
わたしの嬉しさも増していった
あの人に会いたいと思い会いに行った
新幹線で片道一時間
数年ぶりの再会に頬も気持ちも緩んだ
ある駅内で会ったあの人は
いつもと変わらない
わたしの記憶の中のままで現れた
それがなんだか嬉しくて
わたしは笑ってしまった
やっぱりこの人の隣は落ち着く
他愛のない話をし
ご飯を食べたり散歩をしたり
しまいには二人で川を眺めていた
ああ、年を重ねてきたんだなと思った
久しぶりの再会で距離感がわからず
いろんなことに謝り倒す二人
なんだか可笑しくて内心笑っていたよ
普段なら「失敗」になる行動が
あなたといると
思い出になるから参ってしまう
すべてが可笑しくて
すべてが楽しくて
すべてが思い出になる
こんなことがあるんだ
そう強く感じさせられた
「失敗」=ダメなこと
と思っているわたしにとって
それは救いだった
「失敗」=思い出 になることもあるのだと
あなたが教えてくれた
ありがとう ありがとう
こんなわたしを好いていてくれる
大切に思ってくれる
そんな人間に出会えたことが
わたしの人生の宝である