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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第六章 聖女、生活をエンジョイする
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88.それだけ話せるのに?

「私はどうすればいい?」

 聞いてみた。

「別に?

 今まで通り好きにすればいいんじゃないかな。

 レスリーさんとは仲がいいんでしょ」

「悪くはない。

 さっきも話していて思ったんだけど、レスリー自身には特に何かあるわけでもないみたいだし」

「だよね。

 命令されてやっているだけの末端の工作員みたいなものだろうし。

 まあ、味方は多い方がいいから」

 レスリーが積極的に味方になってくれるとは思えないけど、嫌われるよりはマシだろう。

 とりあえず、今まで通りにすればいいのか。

 それからも淡々とした日々が続いた。

 毎日夜間中学に通って勉強する。

 サリはもう完全に出てこなくなってしまったからリンとレスリーを加えた3人で勉強会を開いたりして。

 レスリーは母国では日本の高校にあたる学校に通っていたらしくて日本語以外は遙かに進んでいたから先生になって貰った。

 例外は現代国語と古文でリンどころかレイナと同レベルだった。

「それだけ話せるのに?」

「アニメで覚えたので。

 読み書きはさっぱりです」

「日本語は難しいって話だから。

 話す方は何とかなってもカタカナ漢字交じりの文章を読み書き出来る外国の人ってあんまりいないらしいよ」

 その方面ではリンが先生になってくれた。

 レイナは全方面で生徒だった(泣)。

 数学や英語はレスリーが鬼教官になったおかげでリンの実力がどんどん上昇していくのか判った。

「レスリー!

 ありがとう!

 何か奢るよ」

「コークで」

 炭酸好きなのは本当か。

 だんだんと暖かくなって行く。

 サリやナオとは月に一度くらいは集まって一緒に遊ぶ。

 ナオは秘書検定の一番難しい資格にあっさり受かったそうだ。

 予備校を辞めて今は通信大学の聴講生だとか。

「来年から本科に入学しようかと」

「結局は大学行く訳ね」

「大卒資格ってやっぱり強いよ。

 聴講生の単位も本科で認定してくれるみたいだし」

 ホステスは続けているけど、一生それでやっていくつもりはないということだった。

 サリはバイトを続けながら本格的に受験勉強しているらしい。

「やっぱり大学行くの?」

「ナオと同じだ。

 取れる資格は取っておいた方がいいから」

 それでだな、とみんなで集まった時にサリが言い出した。

「シンさんに会いたいんだが」

「私も」

 ナオも同調した。

「シンに?」

「ああ。

 是非」

「何で?」

「レイナには今言いたくない」

 さいですか。

 大人の事情か。

「判った。

 私抜きでということね?」

「出来れば」

 ということでシンに連絡したら快諾された。

「レイナの友達なら僕も会っておきたいかな。

 何となく理由も判る気がするし」

「そうなの?」

「レイナ絡みでしょ。

 だったら大体判る」

 ミルガンテの大聖殿にいたらシンって結構出世したんじゃないかな。

 頭が切れすぎる。

 腹黒さがないのが救いだ。

 もっとも表に出さないだけかも。

 その後、サリとナオは時間を合わせてシンとどこかで会ったようだった。

 次に会った時に聞いてみたけどサリもナオも「うーん」と言って曖昧に笑った。

「まだ言えないんだよね」

「レイナに不利になったり問題になるようなことじゃないから」

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