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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第六章 聖女、生活をエンジョイする
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81.需要は多そうね

「アニメ曲が多いところにして欲しい」

 レイナが注文した。

 隣でレスリーが熱心に頷いている。

 ヲタクだ。

 レイナの場合はアニソン以外の歌はほとんど知らないからで、そのアニソンもちゃんと歌えるかどうか怪しいのだが。

 早速リンがスマホで検索して近くのカラオケ店を予約した。

 みんなでわいわい話しながら移動。

 楽しい。

 これが幸せというものなんだろうか。

 今ミルガンテに戻れとか言われたら言った人を即粉砕しそうだ。

 しばらく歩いて雑居ビルの二階にあるカラオケ店に入った。

「『カラオケの○人』か」

 リンが張り切って受付の人に交渉して、通されたのは結構広い部屋だった。

 大きなテレビ画面の横に小さいけど舞台(ステージ)みたいな場所もある。

「パーティにも使える部屋だから」

 リモコンで全員の飲み物と適当な摘まみを注文すると、リンが早速予約した。

「ここ、全機種から選べるから。

 アニソンも充実しているし」

「需要は多そうね」

「悪いけどナオが好きそうなプログレとかはないと思う」

「私だって日本の歌を知らないわけじゃないから」

 喰いまくってかなり解放されたらしいナオは上機嫌だった。

 それよりあれだけ食べたのにその体形は何なの?

 まさか聖力で補正しているんじゃないでしょうね?

 リンも同じ事を思ったようで聞いていた。

「太らないの?」

「ホイップフローズンはカロリーが多いだけで実質的な栄養素はそれほどないから。

 カロリーは後で運動すれば消費できるし」

 ナオはスポーツジムの会員になっていて定期的に運動しているそうだ。

 さすがは接客の玄人(プロ)

「私もバイトが体力仕事だからな。

 普通に毎日運動しているようなものだ」

 そういえばサリも細身体型だ。

 もっともガリガリというわけではなく、ちゃんと胸はある。

 腹筋が割れていそうだ。

「レスリーは?」

「特に何もしてません。

 そもそも私、あまり食べないですし」

 そういえば小食だった。

 それにしては立派な(モノ)をお持ちだが。

「美容体操はやってますよ?

 あれは運動には入らないので」

 やっていた。

「あたしは駄目だ。

 何も出来ないしやってない。

 落ちこぼれだ」

「いや、リンみたいな体形の()が好きな男は多いと思うぞ」

「慰めになってない!」

「そういえばレイナは何かやってる?

 あれだけの運動能力があるんだから当然かもしれないけど」

「うん。

 夜中に走ったりしている」

「それでか!」

 いや違うと思う。

「なぜ夜中に?」

「レイナがスポーツウェアで日中走ったらどうなると思う?」

「あー。

 取り巻かれるよね。

 盗撮されてネットに上がることは確実」

 そうなのか。

 良かった昼間に運動しなくて。

 もっとも夜中に聖力の実験をやっていて出会った人に驚かれたり逃げられたりはしている。

 シンに言ったら「それはレイナが消えたりするからだろう」と教えられた。

 確かに目の前で突然人が消えたら怪談だ。

 シンに教えられてネットで「都市伝説」について検索してみたら、明らかにレイナの事だと思われる事例が多数挙がっていた。

「タイロン氏の組織もそれでレイナに気がついたらしいよ」

「拙かった?」

「いや、遅いか早いかの違いだけだと思う。

 レイナは好きな様にやっていいから」

 シンの放任も度を超しているような気がする。

 もっともレイナとしても聖力の実験は必要不可欠兼急務だ。

 自分の力を正確に把握しておかないと何かあった時に大惨事を招きかねない。

 例えば今。

 マイクを渡されて魔法少女アニメの主題歌を歌っているのだが、ついテンションが上がりそうになる。

 夜中の河原で実験した経験がなければシャウトしていたかもしれない。

 その場合、みんなを部屋ごと粉砕していたかも。

 激しかったりボルテージが上がる曲は止めよう。

 リンは自分で言った通りアイドル曲とアニメ曲しか歌わなかった。

 その半分は両方を兼ね備えていた。

「それって」

「○イドルマスター」

「なるほど」

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