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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第六章 聖女、生活をエンジョイする
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79.予約したのでは?

 解散してからレイナはシンに連絡した。

 いやスイーツバイキングの件もそうだけど、むしろレスリーから聞き出した情報を伝えておく必要がある。

 スマホで簡単に報告するとシンは唸った。

『まあ予想はしていたけど。

 これから面倒くさくなるかなあ』

「拙いの?」

『いや。

 概ね想定通りだけどね。

 何せ向こうの情報がまったくないからなあ。

 タイロン氏は何も漏らさなかったし』

「手強い?」

『大聖殿に比べればヌルゲー』

 そうか。

 レイナもそうだがシンの基準はミルガンテの大聖殿なのだろう。

 ひとつ間違ったら死ぬような状況に慣れているから大抵の事は笑って通せるみたい。

 そういえば私もそうか。

 別に心配していない。

 聖力持ちは無敵だから。

 いざとなったら敵を殲滅すればいいだけだ。

 シンの許可も出ているし。

『ま、レイナは考えなくていいよ。

 スイーツパーティ楽しんできて』

「判った」

 パーティじゃないんだけどな(笑)。

 数日後、昼前に目的地近くの駅前に集合。

 レイナはバイキングということでオシャレすることなく軽装だったけど、駅前で待っていたらやはり声をかけられた。

 スカウトの人たちってマメだ。

 3人目を断ったところでナオとサリが連れ立って到着した。

「リンはレスリーと一緒に先に行ったそうだ。

 いい席取って待ってるって」

「予約したのでは?」

「お昼だからな。

 早い者勝ちだ。

 レスリーを連れていけば店側も配慮してくれるだろうと」

 リンって勉強は出来ないけどそういう所は実に頭がよく回る。

 ギャル?

「それだったらレイナ連れて行った方が良くないか?」

「インパクトが強すぎて面倒なことになるのは嫌だと」

 そういう風に思われていたとは。

 まあいいけど。

 サリがスマホを見て言った。

「席が決まったと。

 じゃあ行くか」

 目的のお店は大きなビルの上の階にあった。

 ビル自体も新しくて高級感が漂う。

 3人が入店すると店内は満席だった。

 女性しかいない。

「この雰囲気では男は近寄れないだろうな」

「良かった」

 それでもレイナたちがウェイトレスに案内されて店内を進むと人声が絶える。

 レイナはもちろんナオも結構な美女だ。

 サリもエキゾチックな魅力満載で目立つ事この上もない。

「やっと来た!

 こっちこっち」

 リンが立ち上がって叫ぶと店内に喧噪が戻った。

 リンもそれなりの美少女と言えるが隣に居るレスリーのせいでモブ化している。

「さあ!

 90分しかないから」

 大きなテーブル席の椅子にそれぞれ荷物を置いて全員でスイーツバイキングのカウンターへ。

 レイナがアニメで観たシーンを思い出しながらスイーツを選んでいるとレスリーが寄ってきた。

「私は初めてなのですが何か作法はありますか」

 なぜ私に聞く?

「私もアニメで見ただけだからよく判らないけど」

 もっともレイナ達以外のお客さんがひっきりなしにスイーツを取っていくので見ていれば大体は判る。

 とりあえず適当に選んで一度席に戻り、トリンクバーから身体に悪そうな派手な色の炭酸ジュースを選ぶ。

 全員が席に着いたところでリンが言った。

「それでは!

 私達の前途を祝して!」

「「「「乾杯!」」」」

 こういうノリは嫌いじゃない。

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