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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第六章 聖女、生活をエンジョイする
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77.コーヒーとスイーツを頂きました

 そこまで考えて何かひっかかった。

 どこかおかしくない?

 もやもやしながら証明問題を解いてしまえるんだから私の実力も上がってきたなあ。

 実際、数学については既に中学校レベルはほぼクリアして高校レベルにも片足突っ込んでいると丹下先生に言われている。

 難しいのは時々問題文を読み違えるからだ。

 日本語は難しい。

 英語は日本語よりマシというか、かなり出来るようになってきているのだが、文法問題はいいとして英文和訳や和文英訳には手こずっている。

 何せ日本語が曖昧なので。

 あれは英語力よりむしろ現代国語の力が試される。

「ところで何かあったの?」

 リンが話しかけてきた。

「何って?」

「なんかレスリーの態度が変というか」

「別に何もない。

 昨日シンと会ったからかも」

 ついうっかり言ってしまった。

「レスリーにシンさんを会わせたの?

 何で?」

 食いつかれた。

「ちょっとシンの仕事のことで」

 苦し紛れに言い訳したが、リンは納得してくれなかった。

 レスリーが呼ばれて問いただされたが「私は伯父のお供で」と言って逃げた。

 間違ってはいない。

「つまりレスリーの伯父さんとシンさんの会合に二人がお供したと」

「そう」

 嘘は言ってない。

 それで納得しかけたリンだったがレスリーがうっかり言ってしまった。

「二人が話し合いしている間、レイナ……さんと私はお茶してました」

 何で自慢そうなんだよ。

「お茶?」

「コーヒーとスイーツを頂きました」

「どこで?」

 拙い、と思うまもなく言い放つレスリー。

「○○ホテルの展望ラウンジで」

「!」

 絶句するリン。

 あちゃー。

 参ったなあ。

「……これは緊急会議の必要があるわね」

「ないよ。

 ただコーヒー飲んで暇潰しただけだし」

「二人きりというのが問題なのよ!」

 スマホに向かうリンにため息をつきながらレスリーを観ると縮こまっていた。

「申し訳ありません」

「まあ、いいけど。

 でも覚悟しといて」

「はい」

 むしろ嬉しそうなのはなぜ?

「これはもう、やるしかないでしょう!」

 夜間中学修了後、夜中にファミレスに緊急集合させられたナオとサリにまくし立てるリン。

 レスリーは申し訳なさそうな表情でレイナを観るが、もはや手遅れだった。

「やるって何を?」

「みんなでスイーツバイキングよ!」

 リンの迫力に押されたサリが「あー」とか言いながら頭を掻いた。

「太るんだけど」

「後で運動すれば大丈夫だって!」

「一理あるわね」

 意外なことにナオが賛成に回った。

「いいの?」

「私もここらで発散したくなってきたところなので」

「学校大変なの?」

 思わず聞いたらげっそりした表情になった。

「授業とかはいいんだけど。

 同級生(クラスメイト)に敬遠というか遠巻きにされていて」

「そうだろうな」

 サリが頷く。

「秘書の学校だったっけ?

 そんなところに一流クラブの現役ホステスが割り込むんだから」

「駄目なの?」

 よく判らなくて聞いたらサリは肩を竦めた。

「お堅い職業の代表みたいな仕事だからな。

 ナオみたいなのが紛れ込んだら」

「でも秘書って漫画やドラマだと大抵社長の愛人じゃないの?」

 リンが何も判ってないことを証明する。

「そんなはずないだろう!

 秘書の資格って難しいんだぞ?

 私なんかとても無理だ」

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