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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第四章 聖女、友達が出来る
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66.女は度胸よ

 ここら辺になるとレイナの容量を超えそうだったので打ち切る。

 でも大体判った。

 レイナみたいな立場で進学したり就職したりしない場合、社会的にはうろんな目で見られるらしい。

 もちろんそういう人がいないわけではないし、結婚までの準備期間などでブラブラしている場合もあるが、堂々とやっていると顰蹙を買う。

「世知辛いのね」

「それはそうでしょ。

 自分が苦労しているのに何もしないでのんびりしている人を見たらムカつくよ」

 さいですか。

 レイナにはその辺りがまだよく判らないのだが、とりあえず大学に行くための努力をする必要があることは判った。

 実際に行くかどうかは別として。

「頑張るしかないなあ」

 それからレイナはコツコツと中学校の教科書を読み、ライトノベルや漫画を読み、テレビでアニメや映画を観る日々を送った。

 週に一度はリンやサリと待ち合わせてゲームセンターやカラオケで遊んだり、時にはレスリーやナオも交えて健康ランドとかに行ったりした。

 屋内プールで遊ぶためには水着がいるということでリンやサリに言われて買ったけど、人前で身体を晒す習慣がないミルガンテ産のレイナには敷居が高くて大人しめのワンピースにした。

 更衣室から出てみたらレイナ以外のメンバーは全員がビキニだった。

「当たり前でしょう。

 何、その学校指定のスクール水着みたいなのは」

「だって。

 恥ずかしいし」

「まあ人それぞれだから」

 そう取りなしてくれたナオこそ派手な原色のビキニで「大人の女」感がバリバリだった。

 着痩せするタイプらしくて普段の格好からは想像も付かないほどメリハリが効いた身体である。

 どこのグラビアアイドルかと思うくらいだ。

「ナオ、普段のイメージと違うんだけど」

「そう?

 プライベートだしこんなものでしょう」

 夜間中学の時は公的(オフィシャル)モードだったらしい。

 サリはナオに輪をかけて派手というか、もはや狙っているとしか思えない。

「その水着って紐じゃないの?」

「大丈夫。

 大事なところは隠れているから」

 そういった水着(ブツ)が存在することはレイナも知っていたが、あれはテレビや雑誌だけのことだと思っていた。

 まさか現実にそれを着て堂々と人前に出る人がいようとは。

 しかも似合っている。

「勇気あるなあ」

「女は度胸よ」

 そういうものでもないと思うが。

 ちなみにリンはビキニではあるものの、どちらかと言えば陸上選手の競技服に近い大人しめの物だった。

「ほら、私貧乳だから」

「だったら無理してビキニ着ることないのに」

「いや、ヘソ出しは基本でしょう」

 よく判らない論理を展開するリン。

 ついていけない。

 レスリーは布面積が少ないビキニではあるものの、不思議な事にやたらに上品に見える。

 本人があまりにも超然としているので色気とか肉感が極端に薄い。

 ついジロジロ見てしまったら聞かれた。

「あの、何か?」

「別に」

「おかしくないですか?

 このような水着は初めて着たのですが」

「そうなの?」

「はい。

 皆さんと一緒なら合わせるべきかと思いまして」

 レイナさんみたいなのにすれば良かったと呟くレスリー。

 どうもこの娘もかなりズレていうような。

 レイナに近い感性なのかもしれない。

 ナオがうろんな目で見ていたがレスリーは気にすることなく言った。

「レイナさんもお似合いですよ」

「そう?」

 さっきリンに馬鹿にされたから着替えようかと考えていたレイナは首をかしげる。

「言われて見れば合ってる」

「確かに。

 これでレイナがビキニ着たら絶対何かの撮影だと思われるわよね」

「人が集まりそうだな」

 サリが言うが、実際レイナたちのグループは周りの視線を集めていた。

 美女と美少女ばかりでうち2人は外国人だ。

 グラビアアイドル並の美女もいる。

 視線を集めない方がおかしい。

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