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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第四章 聖女、友達が出来る
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63.スカイツリーってあの棒みたいなの?

 そしてレイナは何もかも初めて観たり乗ったりするアトラクションを楽しんだ。

 小型の鉄道とかボートに乗るとかもあったが、コーヒーカップや回転木馬といった何が楽しいのか判らないものもあった。

 夕方になったので少し早いがみんなで夕食を摂る。

 混む前にということで、レイナはみんなの真似をしてパスタを食べた。

 味は微妙だったけど、仲間と一緒に食事するって楽しい。

「さて、丁度良い頃合いね。

 観覧車に乗りましょう」

 ナオがそう言った意味が判った。

 太陽が地平線近くにある状況での観覧車から観る景色は絶景だった。

 地平線が霞んで見える。

「この辺は平らだからな。

 南の方は○カイツリーまで見えるし、西には富士山」

 リンが教えてくれた通り聖力を使わなくてもかなり遠くまで見えた。

「ス○イツリーってあの棒みたいなの?」

「知らないの?

 塔だよ。

 結構新しいんだぜ」

 なぜか得意げなリンだった。

 一緒に乗っているナオが教えてくれたところによれば、凄く高い塔なのだそうだ。

「観に行けば」

「うん」

 どうせ暇はあるしお金もあるんだから行ってもいいかも。

 今回の事で電車を乗り継いでどこにでも行けることを覚えたし、そろそろ活動範囲を広げてもいいな。

 今までは何となく怖くて電車などの公共交通機関はあまり使えず、マンションの近所だけを彷徨いていたんだけど、そろそろ飽きて来たし。

 観覧車を降りるともう夕方よりは夜に近かった。

「どうする?

 一応夜までやってるみたいだけど」

「今日はもういいかな。

 帰ろう」

「そうだな。

 寒いし」

 反対意見が出なかったので退園する。

 荷物があるので全員で一度レスリーのマンションに戻り、一息ついた時は午後9時を回っていた。

 奇しくも夜間中学の退校時と同じだが、みんな疲れていたらしくてあっさり解散。

 レスリーが呼んでくれたタクシーで帰宅する。

 ちなみにタクシー代は自分持ちだった。

 サリですら文句は言わなかった。

 無事帰り着いて荷物を放り出し、とりあえずシャワーを浴びてからソファーでスマホを観る。

 みんなに習って撮りまくった写真が楽しい。

 うん、やっぱりいいな。

 この平和は絶対に守りたい。

 まあ、だからといって魔法少女や戦隊ピンクになろうとは思わないけど。

 それでも機会があれば正義の味方になろう。

 もちろんこっそりと。

 そこで冷静になって考えてみる。

 なぜレスリーはあんなことをしたんだろう。

 同級生(クラスメイト)へのサービスにしては大げさ過ぎない?

 レイナはこれでも魑魅魍魎の総本山とも言えるミルガンテの大聖殿で生き抜いてきた聖女候補だ。

 生存権を賭けた状況を読むことにかけてはプロと言っていい。

 出来なければ死ぬだけだったから、レイナはそうならざるを得なかった。

 色々考えてみたがまだデータ不足だった。

 シンに相談しても適当にいなされるだけだろう。

 当分は現状維持でいいか。

 何せ聖力が使えるレイナはほぼ無敵だ。

 どんなことになっても自分の身は守れる。

 休み明けには何事もなかったかのように日常が戻って来た。

 レスリーもあまり絡んでこない。

 向こうも様子見なのかもしれない。

 中学レベルの授業にも慣れてきて、今では数人の同類と一緒に授業を受けている。

 ちなみに道徳や体育の授業は同級生(クラスメイト)全員参加だ。

 冬の間は寒いので体育館でやっていたが、春になっても日が暮れるとやはり寒い。

 更に校庭でやると照明を点けなければならないために電気代がかかるということで、やはり体育館で運動している。

 バスケットではダンクシュートとかやってしまって妙に目立ったため、今年は遠慮しようとしたのだが何かをやらないといけないらしい。

 球技は論外。

 というよりは誰かと競うような競技は全部駄目だ。

 ちょっと気を緩めたら無意識に聖力を使ってしまう。

 それでなくてもレイナの身体は自動防衛機構が働いていて、いきなりボールが向かって来たりしたら自動的に反撃する。

 ボールを砕くだけならいいが、投げた人まで砕いてしまったら大変だ。

 ならば個人競技が良いのかというと、これも記録を競うようなものは駄目だ。

 何をやってもオリンピック記録が出てしまうだろう。

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