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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第四章 聖女、友達が出来る
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55.次の質問は?

 まだ聞きたそうなサリにリンが言った。

「はいはい、そこまで。

 次にサリね。

 趣味は?」

「趣味ねえ。

 色々やってるけど全部中途半端だしな。

 今ハマッてるのは陸上かな。

 これでも毎朝走っている」

 ええと、陸上?

 アニメで見た事があるような。

「陸上競技ってこと?

 種目は?」

「最終的にはマラソン。

 といっても遠い目標だけど。

 今は身体を作っている最中」

 サリが言うには色々とバイトを掛け持ちしているうちに体力の重要性に目覚めたそうだ。

 たまたま肉体労働を含むバイトをやったところ、バテて翌日は使い物にならなくなったことで覚醒したと。

「ジムとか行ってるの?」

「いんにゃ。

 そんなの高いじゃない。

 走るだけなら無料だし」

 世知辛い話になった。

「ここまでかな。

 次はレイナね」

 あっという間に回ってきてしまった。

 でも趣味って。

「散歩かな」

 簡単に言ってやると引かれた。

「何それ?

 後期高齢者?」

「意外」

「レイナって外見と中身が全然食い違っているよな」

 失礼な。

「散歩といいますと?」

 唯一、レスリーだけが真面目に聞いてきた。

「文字通り、あっちこっちを歩き回っている。

 私、まだこの辺りをよく知らないから面白い」

「そうですか」

 なぜか納得するレスリー。

 その他の面々は唖然としていた。

「レイナって、もっと何かこう、高尚な事をやっているような雰囲気があるのに」

「そうそう。

 美術館で絵画鑑賞とか」

「私は有名なスポーツ選手だと思っていたけど。

 今は休暇中で」

 リンが言うとレスリーが反応した。

「そうなのですか?」

「うん。

 体育の授業でバスケットやったんだけど、レイナが」

「そこまで!」

 割って入るナオ。

「次の質問は?」

 凄い迫力だった。

 助かった。

 やっぱりナオって何か気づいている臭い。

 まさかミルガンテのことじゃないよね?

 ていうかミルガンテって私の名前じゃない。

 何かボロが出そうになったらそれで押し通そう。

 それからみんな適当な質問をしては答えたり誤魔化したり茶化したり突っ込んだりしながら楽しく過ごした。

 ナオには妹がいるそうだ。

 今は某有名大学の学生で、将来は官僚だとか。

「やっぱ頭がいいんだ」

「勉強は出来るみたいね。

 でもナマケモノで」

 それ、役人はともかく官僚には向いてないのでは。

 アニメに出てくる高級官僚ってみんなメチャクチャ忙しく働いていたのに。

 サリは大家族で、兄も姉も弟も妹もいるらしい。

「もう大変よ。

 親はみんな自活しろとか言って放任だし」

「それでバイトしてるの?」

「そ。

 日本はいいわあ。

 店に入ったら強盗と鉢合わせるとか、酔っ払いが通りで拳銃を乱射したりしないし」

 どこの国の話をしているのか。

 ミルガンテですらそこまで酷くはなかったぞ。

 そんな経験があるのなら大抵の事は笑って流せるだろうな。

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