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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第二十八章 聖女、暇なので観光に走る

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331.ロンドン市内だけでも色々とありそうね

 レスリーに電話して部屋に来て貰う。

 コーヒーを煎れて待っていたらレスリーが来た。

 山のような資料というかパンフレットを抱えている。

「何それ」

「旅行ガイド的なものをかき集めてきました。

 スマホで検索するより早いので」

 なるほど。

 あまりにも大量なので、とりあえずリビングの絨毯の上にぶちまける。

 二人で座り込んで、とりあえずロンドン市内のものと近郊のもの、それ以外に分けた。

「遠い場所のものは後にする」

「そうですね。

 まずは日帰り限定でしょうか」

「多分、外泊は拙い」

 さすがにそこまで野放しにはしてくれないだろう。

 シンは自由にしていいようなことを言っていたけど、間違いなく護衛というか監視役がついてくる。

「ロンドン市内だけでも色々とありそうね」

「はい。

 歴史が長いですから」

 レスリーに寄れば「ロンドン」という都市が始まったのはおよそ二千年前だそうだ。

 当時ブリテン島を支配していたローマがロンディニウムという街を作ったのが最初で、それからずっと英国というかこの地の首都? だったらしい。

 もちろんローマが来る前からこの場所が無人だったわけではなくて、それこそ数千年前から集落があったとか。

「さすがに当時どんな状態だったのかという記録は残ってないんですが」

「それはそうでしょう」

「でも遺跡とかはまだ出てくるそうです」

 そんなものを観てもね。

「その、ロンディニウムとかいう都市のものって残っているの?」

「あんまりないみたいです。

 ロンドン以外だと前にも言いましたがローマ式公共浴場なんかがあるらしいですが」

 それはそれで凄い。

 でも夜間中学で習った世界史だとエジプトや中国には五千年くらい前のものが残っているとか。

「ピラミッドとかですね。

 私もまだ見た事無いです」

「じゃあ、いつか一緒に観に行こうか」

「いいですね」

 そんなやりとりをしてしまって後からフラグだったかと思ったけどまあいい。

 どうせ戯れ言だ。

 でも80日間じゃないけど世界旅行もいいな。

 お金の心配はいらないし時間はいくらでもある。

 シンたち大人は忙しそうだからレスリーやリンたちと一緒に。

 無理か。

「最初はこんなのでいかがでしょうか」

 レイナが妄想に耽っている間にも忠実な侍女であるレスリーが企画を立てていたらしい。

 床に何枚かのパンフレットを並べていた。

「これは?」

「ロンドン市内観光ツアーのパンフです。

 これからピックアップしてもよいかと」

 確かにプロが作った企画ならレイナ達が考えるよりはマシだろう。

 後はレイナの趣味に合うかどうかだけど。

「時計塔とかはないわよね」

「さすがに無理です。

 そもそも存在しません」

「なら」

 市内観光用バスのツアーもあるみたい。

「これなんかいいのでは」

「駄目です」

 バスツアー利用はレスリーに却下された。

「なんで?」

「他のお客さんと一緒ですよ?

 レイナ様が一緒のバスに乗っていたら、それだけで大騒ぎになります」

 さようで。

 まさかずっとフードを被り続けるわけにもいかないか。

「同じ理由で公共交通機関も駄目です。

 下手するとパニックです」

「ならどうすれば」

 レスリーは肩を竦めた。

組織(うち)から車を出して貰いましょう。

 ベンツかリムジンで」

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