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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第二十七章 聖女、伝統芸能に親しむ
338/351

325.では私は控えております

「それはもういい。

 とにかくそういうものだということね。

 つまり正義のヒーローと悪の組織の戦いがパターン化したと」

 判ったつもりで言ったら否定された。

「それがですね。

 21世紀になると、世の中そんなに単純じゃないとか、ヒーローにももっと人間関係があるはずだ、というような風潮が強くなりまして。

 しかも悪の組織側にも色々と事情があるんじゃないかとか、ヒーローと悪の組織の女幹部の間にロマンスが」

 また判らなくなってきた。

 一体どこに向かおうとしているのか。

「だから別に目的とか(こころざし)とかはないんですよ。

 ウケれば、というよりは売れればいいんです」

 身も蓋もなかった。

 まあ、それは判る。

 娯楽(エンタメ)は商売だから、視聴者にウケる方向に走るのは当然だ。

 いかに崇高な目標があっても売れなかったらポシャる。

「でもアメコミってワンパターンで超人ヒーローを量産しているよね」

「売れますからね。

 コンテンツ自体は古いんですが、最新技術でド派手な演出して」

 辛辣だなあ。

 そういえばレスリーっアニメヲタクだった。

 アメコミや実写はあまり好みではないのかも。

「まあいいや。

 ちょっと(精神的に)お腹いっぱいになったから休みたい」

「判りました」

 レスリーもやり過ぎた事に気づいたらしくて大人しく引き下がった。

 用を思い出したみたいでそそくさと去る。

 レイナはぐったりしてソファーに伸びた。

 結構ダメージをくらってしまった。

 こういうのは聖力でも直せないなあ。

 シャワーを浴びてからさて何をしようかと思っているとスマホが鳴った。

『レイナ。

 今大丈夫?』

 シンからの呼び出しだった。

 そういえばアルバートさんとの面会? 待ちだったっけ。

「待っていた。

 そろそろ?」

『うん。

 面会と言うよりは報告だけど、アルバートさんが僕の部屋に来るみたい。

 レイナも立ち会うようにって』

「わかった」

 シンの部屋は隣だ。

 誰かに案内して貰うまでもない。

 と思ったらノックの音がした。

「レイナ様」

「レスリー?

 今呼ばれたところ」

「はい。

 非公式なので服はそのままでいいそうです」

 いや、バスローブ姿なんだが。

 聖力で髪を乾かしてからそそくさと服を着る。

 正装ではなくて地味なワンピースにした。

 レスリーも着替えたらしくて簡素だがお嬢様っぽい服だった。

「お待たせ」

「では」

 というわけで隣のシンの部屋に。

 シンはソファーに座っていた。

「もうすぐ来るらしいから」

「では私は控えております」

 レスリーが礼をとって奥に引っ込む。

 レイナはシンの隣に座った。

「あれから何か言ってきた?」

「いや。

 ゴタついているみたいだね。

 正式に何かするには時間がかかりそうだからアルバートさんがとりあえず説明に来るみたいだよ」

「そうなの」

 だったら(レイナ)はいなくてもいいのでは。

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