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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第二十五章 聖女、深入りする
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306.もうそんな時間?

 とは言え欧州に関するレイナの知識はせいぜい中学校の歴史や地理の教科書止まりだ。

 アニメやラノベだと荒唐無稽な表現ばっかりで本当かどうか疑わしい。

 何せ歴史上の有名人が全部と言っていいほど女の子になってしまっている。

 そんなはずないでしょう!

 レイナが学んだところでは、地球(こっち)ではごく最近まで女性の地位が低かったらしい。

 民主主義ですら女性の参政権が認められてから百年もたってない。

 増して近世や中世だと女性が「人間」に入っているかどうかわからないくらいで。

 まあ、確かに歴史に名を残している女性はいないこともない。

 でもそれってもの凄く身分が高いとか、何かの理由で国を統治する羽目になったような人ばかり。

 ミルガンテより酷い。

 なぜかというとミルガンテでは聖力が全てなので、性別にかかわらず強力な聖力持ちなら尊ばれるから。

 聖人と聖女の立場には格差はない。

 同じように大聖殿に勤める人たちにも出身や性別がどうだろうが区別はなかった。

 貧民出身の者が貴族の御曹司より聖力が強かったらそっちの方が「偉い」。

 まあ、権力を持てるとかではなかったけど。

 というような事を考えながら歴史上の有名な女性を調べてみた。

 欧州にもいないことはなかったみたい。

 例えばアニメにも出てきたジャンヌという女性は村の娘なのに大活躍して戦争まで指揮して最後は火あぶりにされたとか。

 アニメに当たり前に出てくるからてっきり性転換(TS)したのかと思っていたら普通に女性だった。

 ナイチンゲールとかいう偉人も女性。

 アニメにはごったまぜで出てくるから元の性別が判りにくいのよね。

 まあいいけど。

 ジャンヌが活躍した土地とかは観光名所になっているらしかったけど、それほどには興味を引かれなかった。

 もっとインパクトがある英雄や偉人はいないものか。

 それで思いついたのが漫画で読んだ聖人。

 ミルガンテのじゃなくて地球の救世主だ。

 確か日本の下町のアパートにお仲間と棲んでいるんだったっけ。

 いやそれは漫画だけど。

 ちょっと調べたらすぐに出てきた。

 ていうかあまりにも有名過ぎて一般名詞にすらなっていた。

 世界を支配する宗教のひとつだもんね。

 そういえばアフタヌーンティーを食べた時にアルバートが食前の祈りをやっていたけど、あれってあの宗教のよね?

 検索したらぞろぞろ出てくる。

 もはや観光地とかのレベルではない。

 欧州全体に教会とか遺跡とかがあって、それぞれその地に土着の聖人の骨とかが祭ってあるとか。

 教会自体も昔からある建築と言う事で名所になっている。

 なるほど。

 ウィンザー城の礼拝堂も立派だったけど、あれより凄いんだろうな。

 地球は建築物でもミルガンテを凌駕しているから、大聖堂なんかよりもの凄い建物がたくさんありそう。

 困った。

 観光地が多すぎて選べない。

 面倒くさくなってスマホを投げ出す。

 何でこんな苦労をしなきゃならないのか。

 よく考えたら自分で選ぶ必要ってなくない?

 ヴェルサイユに行くことは決まっているみたいだから、後はレスリーに適当に選んで貰えば良い。

 気分転換のためにシャワーを浴びてからバスローブを着てテレビを観ているとレスリーが来た。

「レイナ様。

 起きてます?」

 失礼な。

 人が暇さえあれば寝ているような言い方をしないで欲しい。

 寝てるけど。

「起きてる」

 言いながら聖力でドアの鍵を開ける。

 レスリーが入って来てレイナのズボラな格好に絶句したけど、気を取り直して言った。

「そろそろお食事ですが、どうします?」

「もうそんな時間?」

 ぼやっとしているうちに結構時計の針が進んだみたい。

「食べる。

 食堂?」

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