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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第二十四章 聖女、歓迎される
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289.ルームサービスって頼める?

「戦争とかには関わらなかったの?」

「なるべく逃げたそうです。

 もっとも徴兵に応じるとか軍事協力は人並みにやっていて、だけど絶対に当事者にはならないようにと」

 なるほど。

 あくまでもその他大勢の立場を固守して、それでいて負け組にはつかないように立ち回っていたのか。

 ひとつの国に限定していたら落ちぶれることもあるかもしれないが、その頃には組織は国際ネットワークと化していた。

 つまり勝った側にも身内がいるわけで完全な没落はない。

 負けた側にいた方はどさくさに紛れてするっと逃げたりして。

 古典の授業で習った(ぬえ)みたいな組織だな。

 大体判った。

 強力で狡猾な集団だということか。

「大体飲み込めた」

「良かったです」

 どっちにしてもレイナにはあまり関係がない。

 シンの出方次第だ。

 レイナ個人としてはどうでもいいというか。

 今更ながらシンに依存しちゃってるなあ(笑)。

 何か眠くなってきたので休む事にする。

 気配りのレスリーが「それではごゆっくり」と言って去ったので、レイナはとりあえず寝ることにした。

 そういえばここは英国だった。

 今まで気にしてなかったんだけど、よく考えたら日本とは時差がある。

 時差ボケが今まで出なかった方が不思議だ。

 無意識に聖力で補正していたのかもしれない。

 その分、疲れが溜まっている。

 泳ぎは全身運動だから肉体的な消耗が激しいと聞いたことがある。

 ここで出てきたか。

 そう気づいた途端に身体が重くなった。

 病は気からか。

 この場合は疲労だけど。

 レイナはベッドを探し当てると倒れ込んで眠ってしまった。

 はっと目が覚めたら変な格好でベッドに転がっていた。

 毛布も掛けずに寝ていたらしい。

 空調が効いているから問題なかったようだけど、着の身着のままというのはちょっと。

 とりあえず浴室に行ってシャワーを浴びる。

 脱いだ服や下着はどういればいいんだろうか。

 まずは着替えだ。

 ナオか誰かがホテルから転送してくれた荷物から下着や適当な服を引っ張り出して着てみる。

 やはりジャージは楽だ。

 浴室を探してみたらやはり籠があったので、脱いだ服を全部入れておく。

 後でクリーニングを頼んでみよう。

 ソファーに座ってテレビをつけたところでお腹が空いていることに気がついた。

 内線電話はあったけど英語で何か頼む自信がなかったのでスマホでレスリーに掛けてみた。

『レイナ様!

 何かご用でしょうか』

 ワンコールで出た。

「あ、うん。

 ルームサービスって頼める?」

『大丈夫です。

 どれがいいですか?』

「どれって」

『ガッツリ系か軽食か。

 洋食というか英国風になりますけど』

「……ガッツリで」

『了解です!』

 電話が切れる。

 有能であることには間違いはないのだけれど。

 ちょっともやもやするレイナだった。

 レスリーに頼んでから十分くらいで食事が届いた。

 ウェイターらしい制服姿の人はワゴンを部屋に運び入れると無言で一礼して去った。

 ホテルみたいだ。

 実際にもそういう施設なのかもしれない。

 早速、ソファーのテーブルに並べてみる。

 アフタヌーンティーだった(泣)。

 ガッツリどころではない。

 数人分はありそう。

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