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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第二十三章 聖女、説明される
289/351

276.レイナ、起きてる?

 (ナイト)プールって、トレンディドラマとかでイケメンとヒロインがデートする場所よね。

 実際に見たことはないけど、そういうのがあるということはどっかで読んだ気がする。

 漫画だったっけ。

「そうする。

 あ、シンも一緒にどう?

 保護者として」

 思いついて言ってみた。

 言ってからそれってナイトプールデートなんじゃないかと思ったけどもう遅い。

『そうだね。

 随分泳いでないからこの機会に浸かってみてもいいかも』

 意外にもシンは乗り気だった。

 でも「泳ぐ」じゃなくて「浸かる」って。

 案内を見ると大丈夫のようだ。

「ジャグジーなんかもあるみたい」

『それはいいね。

 じゃあ』

「うん」

 電話を切る。

 お仕事中だったかな。

 邪魔して悪い事をした。

 さて寝るか。

 レイナは寝間着にしているトレーナーに着替えるとベッドに飛び込むのだった。

 パチッと目が覚めたが真っ暗だった。

 もう夜?

 分厚い遮光カーテンを開くとまだかろうじて明るかった。

 スマホを見ると2時間くらいしかたっていない。

 着信やメッセージが来ていないことをみとると、事態は進展していないらしい。

 バルコニーに出ようとして気がついた。

 ここはホテルじゃなくてタイロン氏の組織のお屋敷だった。

 道理で豪華だと思った。

 だってベッドに天蓋がついているし。

 キングサイズだし。

 寝心地自体はホテルのものと大差なかったんだけど、つまりそれってあのホテルのお部屋が豪華だったということだ。

 贅沢しているなあ私。

 もっともレイナはミルガンテでも聖女候補として常に最上級のものに囲まれていたから、贅沢に慣れていないわけではない。

 ミルガンテの最上級が地球(こっち)の二流にも及ばないだけで、周囲と比較すれば確かに一番ではあった。

 でも今ミルガンテに戻ったらやってられないだろうな。

 不味くて不便で不潔で。

 ちょっと寝汗を掻いていたのでシャワーを浴びる。

 湯船が猫足だった。

 こんなところにも伝統というか贅沢が出ている。

 でも伝統的な贅沢って必ずしも便利とか使いやすいを意味しないのよね。

 いっぱしの評論家なレイナだった。

 コーヒーを煎れて髪を乾かしながらソファーで寛いでいるとスマホが鳴った。

『レイナ、起きてる?』

 いや電話に出た時点でそれは確実でしょう。

「今起きたところ」

『あと1時間くらいで夕食会だって。

 略式だから晩餐じゃないみたい。

 その後に会議というか打ち合わせ』

「判った」

『じゃあよろしく』

 電話が切れる。

 シンはまだ忙しいみたい。

 何か手伝いたいけど何も出来ないからなあ。

 レイナに出来るのは聖力による威力誇示だけだ。

 どこかの山を吹き飛ばしておけばいいかも。

 レスリーはまだ寝ているかもしれないのでそっとしておく。

 そもそもレスリーって夕食会に参加するんだろうか。

 下っ端だと自分で言っていたし無理かも。

 実質的な役には立たないけど、いてくれたら気が楽になるんだよね。

 まあいい。

 それからレイナはテレビを観て時間を潰した。

 相変わらず会話はよく判らないが、テレビの音声をスマホに聞かせると不完全ながら翻訳してくれるので助かった。

 それでも文化の違いというか、意味不明なシーンが度々あったけど。

 何で電話ボックスが出入り口になっているんだろう。

 ていうか電話ボックスとか日本を含めて初めて見た。

 わざわざ地下に設備を作る意味も判らない。

 英国人って地下が好きなんだろうか。

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