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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第二十二章 聖女、色々観て回る
270/350

258.電源はどうするの?

「雑学ですよ。

 ていうかラノベ読んでいると自然に異世界の貴族制度に詳しくなって、それにつられて現実の制度も何となく勉強したというか」

 やはりヲタクだった(泣)。

 どうでもいい知識の宝庫だ。

 そんなのと友達になったのは幸運か悪運か。

 まあいいや。

「ええと、何の話だったっけ」

「英国の通貨はポンドなので敢えて現金持っている必要はないという話で」

「そうだった」

 そもそも現金ってもう滅多に見ない気がする。

 日本ですらあまり使った覚えがない。

 全部スマホになってしまったような。

「日本だとお祭りの屋台とかだとまだ現金オンリーなんですけれど」

 レスリーが教えてくれた。

「英国もそうですが、さっきみたいに屋台でもデジタル支払いが主流ですね。

 中国なんかだと物乞いすらデジタルだとか」

「ええと……物乞いって」

「道端に坐ってお金を恵んで貰う職業です。

 あと大道芸人も最近はスマホやタブレットで投げ銭貰っているという話で」

 それは凄い。

 物乞いならレイナも知っている。

 ミルガンテには当然いたし、街に見学に行った時に「聖女様も現実を知らないと」ということで貧民窟やスラム街で見せられた。

 ああいう人たちが地球(こっち)にもいるのは驚くけど、小銭をデジタル通貨で恵んで貰っているとは。

 ていうかそういう人たちもスマホ持ってるの?

「ホームレスって(ホーム)がないだけで住む所はもちろん有りますし、何なら結構文化的な生活しているらしいですよ」

 レスリーが異常なまでに詳しく教えてくれた。

 特に日本では本当の意味で浮浪者(ホームレス)な人はいないそうだ。

 大抵はネットカフェや高架道路の下とかに張ったテントに住んでいて、家電製品も一通り揃っていたりするという。

「電源はどうするの?」

「スマホはネットカフェに行けば充電出来ますし、テント住まいの人は小型の太陽光発電機を持っている場合もあって」

 何でもそういう番組を見たそうだ。

「そもそも『ホームレス』の人ってほとんどは働いているそうです。

 普通に職場に行くのでそこら辺の学生なんかより小綺麗な格好しているとか」

「そうなの!」

「まあ、私も実際に見たわけじゃ無いですけれどね。

 でも服とかはコインランドリーで洗濯出来ますし、本人もネットカフェやコインシャワーで身綺麗に」

 やっぱり地球ってミルガンテとは比べものにならないくらい進歩しているなあ。

 レイナが感心しているとレスリーが慌てて言った。

「ちなみに今の話はいわゆる先進国というか、比較的裕福な国の状況です。

 貧しい国はまた違うらしくて」

「そうなの?」

「私も詳しくは知りません」

 レスリーが逃げた。

 そうか。

 レスリーはアニヲタだから、そういう趣味が堂々と通用する場所の知識しかないわけね。

 国ごと貧しかったらアニヲタも存在出来ない。

 少なくとも一般庶民にまで広まるような趣味ではなさそう。

 だってあれ、結構お金がかかるのだ。

 いや、そんなことを言い出したら現代の趣味って本格的にやろうとしたら凄くお金が必要だ。

 レイナにはよく判らないけど、ネットの情報によれば生活費に困るほど「推し」にお金を投入してしまっている人たちも多いらしい。

 それどころか借金までして貢いだあげく、よく知らないけど高給なバイトとか非合法な稼ぎ方までやってしまっている人もいるらしい。

 まあレイナには関係ないけど。

 そもそも「推し」という概念がよく判らない。

 自分に関係のない他人に何でそこまで入れ込めるんだろうか。

 ていうか推されて喜ぶ人の気持ちも判らない。

 レイナはちらっとレスリーを見た。

 コイツ、私を推してきそうだな。

 そうか、推しってそういうことか。

 何となく理解するレイナだった。

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