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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第二十二章 聖女、色々観て回る

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256.少し持っておくべき?

「レイナ様には(レスリー)たちがいます!」

 鬱陶しいけどまあいい。

 レイナはナオ向けにスカーフとか、サリ向けにこの辺りの名産だというお酒(ウィスキー)の小瓶とか、リン向けに小さな騎士像とかを買った。

 なぜか騎士は女性だったが。

 支払いはスマホで大丈夫だった。

 お土産をそれぞれ包んで貰う。

 紙袋を下げて歩いているとレスリーに言われた。

「本当は現金の方が好まれるんですけれどね」

「そうなの?」

「電子媒体で払うと記録が残りますからね。

 ああいう屋台の売り上げって税金が馬鹿にならないので。

 それにカード払いだと経費がかかりますし」

 そういうことか。

 でもレイナは英国のお金なんか持っていない。

「少し持っておくべき?」

「どうでしょう。

 英国の通貨はポンドなので、英連邦以外では使い道がないですし。

 レイナ様のお立場だと自分で払うって滅多にないのでは。

 というよりはそもそも支払いの必要が」

 日本とは違うので、とレスリー。

 なるほど。

 レイナの今の立場はタイロン氏の組織の「お客様」だ。

 だとすれば自分で何か買ったり払ったりする機会ってほとんどないのかも。

 今みたいな状況はこれからもうなくなりそう。

 そういえば。

英国(こっち)のお金ってポンドっていうの?」

 欧州の通貨は確かユーロなのでは。

「英国および連邦国はポンドを使ってます。

 EUに加盟した時も通貨だけは残したんですよ。

 今は離脱してしまったので、もうユーロにはならないと思います」

「そうなんだ」

 よく判らなかったので、迎えに来たベンツに乗ってから詳しく教えて貰った。

 欧州は大昔から別々の国であっても戦争や政変の度ごとに国境線が移動したり国名が変わったりして曖昧だったそうだ。

 言葉はともかく通貨がそれぞれ違うのはやりにくいことこの上もない。

 なので、もうこうなったら統一国家を作ろうじゃないかという話が昔からあったんだけど、いきなりそれは難しいのでとりあえず連合体を作ろうということになった。

 それが欧州連合(EU)

 その際、まずは通貨を共通にして貿易をしやすくしようということでユーロという通貨になったらしい。

 でも英国はEUに加盟はしたけどなぜか通貨は変えなかった。

「なるほど」

「その後色々あって、結局は英国はEUから離れるんです。

 だからといって別に敵対しているわけではないんですが」

 地球(こっち)の国際政治は本当に判らないなあと思うレイナだった。

 大体、今のレイナは日本人だ。

 地球の反対側の国がどうだろうか関係ない。

「そうでしょうか?」

 不気味なレスリーの言葉は無視する。

 もっともレイナ自身、自分が日本人だという感覚はあまりない。

 ミルガンテからの来訪者、せいぜい移民というところか。

 夜間中学で学んでいるうちに判ってきたのだが、日本という国は世界の中でも「緩い」そうだ。

 民主主義というか個人の自由に最大の価値を置いていて、政府があれこれ言ってくることはない。

 それどころか個人が何か言ったらそれに従って政府が動くことすらある。

 他の国だと大統領の命令で戦争に行かされたり軍隊が市民を銃撃してきたりする場合もあって、そんなところに行ったらレイナなんか利用されまくりだろう。

 その件についてレスリーに聞いてみた。

「英国ってどうなの」

「そうですね。

 実は色々と矛盾しているんですよね」

 レスリーの話では、世界で最初に民主主義を育てた国と言われつつ、未だに封建主義なのだそうだ。

 つまり王様や貴族がいる。

「何それ」

「ですよね。

 ラノベじゃないんですから」

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