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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第二十章 聖女、自分の身体の秘密を知る
259/351

247.他に気をつけることってない?

「抑えられないの?」

「相手の数や居場所も不明だし、とてもそんなことに人手は割けないって。

 まあ、そうだろうな。

 タイロン氏の組織って言っても普通の企業グループみたいなもんだろうから。

 工作員(エージェント)がいるわけでもないし」

 そういえばそうか。

 ついラノベ脳になっていたけど、現実には非合法に動ける要員を揃えている企業なんかあるはずがない。

 営利に関係ない従業員を抱えられるほど私企業には余裕はないはずだ。

 そういうのは国家レベルでないと。

「国は関わってないの?」

 思いついて聞いてみた。

「ラノベでは情報局とか裏の秘密組織とかが出てくるけど」

「タイロン氏のところは普通の企業グループだよ。

 敢えて国家や貴族には必要以上には関わらないようにしてきたみたい。

 別に陰謀を企んでいるわけじゃないから国はきちんと税金納めていれば手を出してこないし」

「そうね」

 犯罪とか法律違反でもすれば別だけど、国は企業には手を出さない。

 なぜって国からみたら企業は飯の種というか税金を払ってくれるありがたい存在だから。

「騒ぎを起こせば別だけど」

「判った」

 潰す場合は証拠を残したりなるべく民間に被害が出たりしないようにすればいいと。

「レイナが何考えているか判るけど、ここはミルガンテじゃないからね。

 手加減しろとは言わないけど」

「もちろん」

 レイナももう2年以上、地球(こっち)で生活しているのだ。

 今のところ新聞沙汰になるような事件は起こしていないし。

 都市伝説をいくつか作ってしまったのはご愛敬だ。

 忘れよう。

「他に気をつけることってない?」

「特には。

 まあ好きにやればいいから」

 そう言っておけばレイナが自重すると思っているんだろうな。

 どっちみちシンの力ではレイナを抑えることは出来ない。

 コントロールも無理だ。

 だったら無手勝流でいくと。

「了解」

 それからレイナはコーヒーを飲みながらシンと雑談した。

 日本に帰ったら大学進学に備えて予備校とか塾とかに通った方がいいかどうか議論していたら電話が鳴った。

 部屋に備え付けの有線電話だ。

 シンが立ち上がって受話器を取る。

 ちょっと話してから受話器を置いて言った。

「来たって。

 案内が来るから部屋で待っててくれと」

「判った」

 いよいよか。

 待つことしばし。

 チャイムが鳴ったのでドアを開けたらレスリーがいた。

 案内ってお前かよ!

「レイナ様!

 酷いですよ。

 黙っていなくなるなんて」

「レスリーに話したら組織(そっち)に筒抜けだから」

「それはそうですけれど」

 工作員(スパイ)であることは否定しないのよね。

「それより案内は?」

「そうでした。

 こちらです」

 一瞬で案内人モードになるレスリー。

 この女もそれなりに有能(プロ)なのかも。

「それじゃ行こうか」

 シンが余裕を持ってレイナに続く。

 レスリーは静々と廊下を進んでエレベーターへ。

 向かった先はやはり上階だった。

 日本でもそうだけど、会議室とかは建物の上の方に作るみたい。

 エレベーターを降りると更に豪華な内装だった。

 偉い人とか貴族とかが泊まるんだろうな。

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