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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第十九章 聖女、悪目立ちする
247/350

235.じゃあ私の部屋に行こうか

 そういえばマンションを出てから運動していなかったな、と思い出す。

 モールに行ったときにちょっと走ったけどとても足りない。

 これはいい機会かも。

 もっとも別に運動しなければ聖力を使えないわけでもない。

 お風呂の水を湧かすとかに使ってもいいんだけど、あれって何か虚しいのよね。

 ミルガンテでは重宝されたけど地球(こっち)では無意味だし。

 レスリーがルームランナーを止めた。

 ぜいぜい喘ぎながらレイナを呆れたように見て言う。

「……レイナ様。

 ……人前であまり人外なことはしない方が良いかと」

「そうね」

 疲れも見せずにルームランナーを止めるレイナ。

 もっともさすがに汗は掻いた。

「もういい?」

「……堪能しました……」

 レスリーはぐったりしていた。

 汗まみれだ。

 妙に色っぽい。

 だが疲れ切っていてこれ以上の運動は無理そうだった。

 レイナと言えば多少汗を掻いているけど平然としている。

「シャワー浴びてから部屋に行く?」

「はい」

 私の侍女とかメイドとかになりたいとか言っていたけど、多分きついよ?

 もっともレスリーは妙に楽しそうだった。

 Mっ気があるのかもしれない。

 全裸になってシャワーを浴びてさて着替えようと思ったら下着が汗でびしょ濡れだった。

 聖力で乾かす。

 一瞬でパリパリになった上に汚れまで落ちた。

 私の聖力ってこんなに便利だったっけ?

 大聖殿にいた頃より出力や現実操作レベルが上がっているような。

 今の仕事? はレイナの感覚ではほとんど聖力を使っていない。

 ひょっとして私、更に成長しているのかも。

 全部着てから濡れたトレーナーを籠に入れて個室を出るとレスリーが待っていた。

 何か上気してない?

 まあいいか。

「じゃあ私の部屋に行こうか」

「あの……ちょっと私の部屋に寄ってきますので」

「そう」

 そそくさと去るレスリー。

 あ。

 さては下着つけてないな?

 うっかりしていた。

 レスリーにはもちろん聖力なんかないから汗びっしょりの下着をつける気になれなかったんだろう。

 すまん。

 自分の部屋に戻ってコーヒーを煎れてソファーに寝そべる。

 さっきの続きを考えてみた。

 私の聖力はミルガンテにいた頃より増しているのか。

 ひょっとして聖力って訓練で伸びるの?

 そういえば聞いた事がある。

 大聖殿に所属する神官はおしなべて強力な聖力使いだ。

 年齢が上がるほど強い。

 それを聞いて何となく強力な聖力の使い手だから出世したのかと思っていたけど逆なんじゃないか。

 毎日毎日大聖鏡に聖力を注ぎ込み続けることで聖力が成長したのかもしれない。

 大聖殿の支殿である地方の神殿に勤める神官たちは、それほど強力な聖力を持っていないと聞いている。

 それも力が弱いから地方に飛ばされたと言うよりは、地方の神殿で雑用が忙しくて毎日限界まで聖力を使えないが故に成長しなかったとか?

 いやいや、だったら大聖殿の幹部である大神官たちはどうなんだろう。

 それほど強力な聖力使いとも思えなかったけど。

 コーヒーを含んであ、と思いついた。

 あの人達は若い頃から大聖殿勤めで聖力を育てて強力になった。

 だけど出世したら大聖鏡に聖力を注ぐお仕事が免除されて運営の方に回る。

 つまり聖力を使わなくなる。

 高齢化と練習不足で聖力が衰えたのかも知れない。

 後でシンに聞いてみよう。

 まあとりあえず聖力は弱いよりは強い方がいいに決まっている。

 これからも練習を続けようと思うレイナだった。

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