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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第十七章 聖女、異国に立つ

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219.説明すれば判ってくれるよ

 取ってきた食材を全部食べて、ジュースも飲み干してからトレイを返し、最後にコーヒーを煎れて戻る。

 シンはいつの間にかタブレットを弄っていた。

 食べるのに夢中で気づかなかった。

「お仕事?」

「いや。

 ちょっと情報収集」

 バックアップとして日本に残したナオから色々と連絡が来ているのだそうだ。

 それによるとまだシンとレイナの不在はバレていないらしい。

「僕たちのマンションを見張っている人は動いていないそうだよ。

 でもさすがにそろそろ怪しまれそうということで」

「私もシンも全然外出しないって不自然だものね」

「うん。

 僕の方は仕事で何日か留守にすることがあったからいいんだけど、レイナは毎日外出していたでしょ」

 連日の夜間散歩がバレていたと。

 え?

 そんなところまで監視されていたの?

「気づかなかった」

「ナオさんが調べた所では、僕たちのマンションのエントランスが見える部屋を借りて常駐しているそうだよ。

 よくやるよね」

 タイロン氏の組織はそれだけ必死なのかも。

 こっそり逃げてきて良かった。

「それで、これからどうするの?」

 聞いてみた。

「様子を見てナオさんからタイロン氏に連絡を取って貰う。

 レイナからレスリーさんにも」

 そういえばレスリーを置き去りにしてきた。

 あんまり関係なさそうだから忘れていた。

「拙い。

 泣かれるかも」

「説明すれば判ってくれるよ」

 人の事だと思って。

 とりあえず満腹したので引き上げる。

 タクシーでホテルに戻るとまた眠くなってきた。

 ここはのんびりしよう。

 寝て起きたらかなり太陽が傾いていた。

 シンに連絡すると、向こうも起きたばかりらしい。

「こんなにゆっくり寝られたのは久しぶりだよ」

「休暇だと思えば」

「そうだね」

 シャワーを浴びて髪を乾かしてからエントランスでシンと待ち合わせる。

 コートのフードで頭を隠しているせいか誰も声を掛けてこなかった。

 ラウンジと違ってホテルには警備員がいるからかも。

「お待たせ」

 シンはフォーマル風カジュアルとでも言えそうな中途半端な格好だった。

 ドレスコードがある店にギリギリ許される程度?

 ちなみにレイナの場合、どんなに庶民的な格好をしていても公式(フォーマル)に見えるらしくて入場を断られたことは無い。

 不思議に思って聞いたら本物のセレブは舞踏会にジーパンにTシャツで出ても許されるとのことだった。

 私はセレブじゃないのに。

 シンがわざと崩した格好をするのにも理由がある。

 レイナと一緒にいる時にカチッとしたフォーマルスーツを着ていると執事に見えてしまうのだ。

 むしろカジュアルの方が同伴者と見なされたりして。

 つくづく面倒くさい女だった。

「じゃあ行こうか」

「どこ?」

「ちょっと観光してから食事」

 さいですか。

 シンに言われてスマホやパスポートは持参している。

 レイナは日本国籍なので、万一のために身分証明書(パスポート)は欠かせない。

 ちなみに日本以外の先進国は電子決済が広まっているからスマホがあればどこでもお金の支払いが出来るそうだ。

「観光とか出来るの?」

「ロンドンは観光名所の集合体だよ。

 実は行ってみたいところがあって」

 タクシーで移動しながら話してくれたところによれば、前にロンドンに来たときに時間の関係で見損ねた名所に行きたいそうだ。

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