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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第十五章 聖女、日本を離れる
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199.もうお仕事終わった?

 前から思っていたのだが、地球には聖力使いはいないはずだけど、ある程度の素質がある人は少ないけど存在するみたい。

 自分では聖力を使えないが、レイナみたいな強力すぎる聖力使いが近づいて来たり、あるいは近くで聖力が使われたりしたら感覚的に感じとってしまうこともありそうだ。

 今の女性は極端な例だが、そういえば前にレイナに話しかけてきて「オーラを感じる」とか言っていたスカウトがいたっけ。

 あの人も聖力使いの素質があるのかもしれない。

 とはいえ、地球では自在に使いこなせるほどの人はほとんどいなさそう。

 むしろ宗教に出てくる救世主とか聖人とかは不完全な聖力使いだったのかもしれない。

 前に絵本とかで読んだキリストなどがやったとされている奇跡って大抵、聖力があれば出来そうだものね。

 死んでから復活したとかのレベルどころかレイナなんか存在しない肉体をゼロから創造してしまった。

 あれは奇跡どころの話ではないだろう。

 まあいいけど。

 デザートを片付けてシンの様子を覗ってみたけどまだ忙しそうだ。

 トレイを返してからシンの所に行く。

「ちょっと見て回ってくる」

「判った」

 ラウンジには色々と面白そうな設備があるらしい。

 この機会に見学しよう。

 それからレイナはラウンジ内をぶらぶら歩き回った。

 奥の方に行くと仮眠室とかシャワー室とかのドアがあった。

 マッサージチェアがずらっと並んでいる部屋もある。

 残念な事に全部塞がっていた。

 ラウンジ内にも階段があって上の階に続いているみたいだったけど、どうやらレイナのチケットやクレジットカードでは入れないハイクラス専用らしい。

 別にいいけど。

 一通り歩き回ったレイナはドリンクバーでオレンジジュースをグラスに入れて窓際のカウンター席に落ち着いた。

 外はあいかわらず真っ暗で、その中に無数の光点が移動している。

 点滅しない光点は移動しないようだ。

 滑走路の灯りだろうか。

 観ていて飽きないのでまったりしていたら気配を感じた。

 隣にシンがどっかと座る。

「もうお仕事終わった?」

「終わらせた。

 ていうかナオさんに丸投げした」

 それは酷い。

 もっともシンも疲れているらしくて深く椅子に沈み込んでしまった。

「あ、それからリンさんとレスリーさんへの連絡もナオさんに頼んだから」

 シンが言い訳みたいに言った。

「ただし、僕たちの英国到着後にしてもらった。

 先回りされたくないからね」

 そういえばリンはともかくレスリーの事を忘れていた。

 置いて行かれたと気づいたら怒るか泣くか。

 いや多分自力で追ってきそう。

 シンはしばらくへたっていたが「ちょっとトイレに」と言って去った。

 荷物が椅子に置いてあるから戻ってくるつもりなんだろう。

 とすればレイナも動けない。

 暇なのでスマホで改めて今居るラウンジについて調べて見た。

 ホームページによれば、このラウンジはビジネスクラスの下のブレミニアムエコノミークラス以上の航空券を持っているか、あるいは航空会社の提携クレジットカードを持っていれば無料で使用できるらしい。

 もちろんカードはゴールドランク以上が必須。

 それ以外にも入場料を払えば使えるみたい。

 ただし、高い。

 ホテルに泊まった方が安いくらいだ。

 それもそうか。

 これだけの広さがあって飲み食い放題でマッサージチェアとか仮眠室まであったらなまじのホテルより上だ。

 しかもこのラウンジ、24時間運営らしい。

 夜中に到着した人や乗り継ぎで長期間待たなくてはならない人なんかは重宝するだろうな。

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