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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第十五章 聖女、日本を離れる
202/351

191.何か買ったの?

「つまり私も靴下だけ持っていけばいいのね?」

「いや、それは極端な例だから。

 最初の着替えとか下着くらいは用意しといた方がいいね。

 当時と違って今はどこでも何でも買えるけど、飛行機から降りてすぐにお店に行って服を選ぶとか面倒くさいでしょ。

 あ、そうそう」

 シンがスープを飲みながら言った。

「その映画、のんびり世界一周する話じゃなくて、色々と妨害が入ったり襲われたり乗り遅れたりするんだよ。

 その度に主人公はお金で何とかする」

「そうなの」

 袖の下とかだろうか。

「例えばインドでは繋がっているはずの鉄道の線路が途中で切れていたりする。

 工事が遅れていて」

「それってどうしようもなくない?」

「なので主人公は現地で象を買って」

「待って!

 象?」

「うん。

 その場所(ジャングル)で一番早い乗り物だから」

 メチャクチャだけど面白そう。

「その途中で生贄にされそうになっているお姫様を助けたりしてね。

 最後はアメリカから英国に渡る船に乗り遅れて、もう間に合わないというところで」

「何か買ったの?」

「船を雇った。

 だけど途中で燃料切れになって」

「駄目じゃない。

 どうしようもなさそう」

「でも当時の船は蒸気船だ。

 燃料は燃える物なら何でもいい。

 なので主人公はその船をその場で買って木製のものを片っ端から叩き切って炉にくべるんだよ。

 という風に、お金があれば何でも出来る」

 シンの長い寄り道話が終わった。

 面白い。

 早速観てみなくては。

「あ、リメイクも作られているから間違えないように。

 原作というか最初の映画は1956年制作だから。

 やっぱり最初が一番面白いよ」

「判った」

 その後は雑談で終わった。

 レイナは自分の部屋に戻るとシャワーも浴びずにリビングに行って有料配信チャンネルでその映画を探した。

 すぐに見つかる。

 2時間40分もある長編だった。

 なのでレイナはとりあえずポットでお湯を沸かしてコーヒーを作り、棚から買い置きのポップコーンの袋をいくつも持ってきてソファーに陣取った。

 映画はもの凄く面白かった。

 古い映画なので進行は悠長だが、それも味だ。

 ストーリーもそうだけど世界各国の状況が今と違っていて興味深い。

 調べて見たらこの作品の舞台は1870年代だそうで、つまり今から150年近く昔だ。

 なるほどまだ飛行機はないし、鉄道や船は蒸気動力で速度が遅い。

 日本も出てきたけどちょんまげに着物の人ばかりで今とは全然違う。

 考えてみたらレスリーの所で観た○ンダーウーマンよりもっと昔だった。

 それでもミルガンテより遙かに進歩しているって、生まれ故郷と比べて便利この上もない。

 レイナは大聖殿やその近くの街以外の場所を知らない。

 知識としてはミルガンテを含む世界の状況を教えられていたけど、あっちでは未だに移動手段は馬車だったものね。

 船があったかどうか判らないけど、少なくとも巨大な客船とかはないはずだ。

 だって動力機械(エンジン)がないから帆走とか?

 まあいいけど。

 映画ではシンが言ったように問題を全部お金で解決するというわけではなかった。

 アメリカの西部を列車で移動している時にはインディアンの襲撃を受けて召使いの人が攫われて、主人公は兵隊の人と一緒に助けに行く。

 何とか救出して戻ってみたら列車は既に出発していたりして。

 そこで主人公はそこら辺に捨ててあったトロッコに帆を張って帆走トロッコで列車を追いかけて、途中で追い抜いてしまったりして。

 昔の冒険映画ってなかなかだと思うレイナだった。

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