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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第十三章 聖女、歴史を学ぶ
185/350

174.何か全部間違っている。

 エントランス前で降ろして貰う。

 サリとナオはそのままリムジンを返却してから帰宅するそうだ。

 どこに住んでいるのか知らないけど、知る必要もない。

 そういうのはプライベートだとアニメで覚えた。

「それじゃ」

「うん」

 一緒にエレベーターに乗ってそれぞれの階で降りる。

 シンの部屋の方が上階なのでレイナが先に降りて帰宅。

 何か疲れた気がしてとりあえずバスルームに行ってシャワーを浴び、リビングでテレビを観ながらゴロゴロする。

 いい生活だ。

 まるで日常アニメのキャラみたいな?

 そういえばアニメの主人公たちって滅多に勉強しているシーンがない。

 学校ても休み時間にだべっていたりお昼ご飯を食べていたり、あるいは放課後のサークル活動とか。

 学校以外でも遊んでばかりなのだが、レイナはそれを地でいっている。

 いいのか。

 まあいいや。

 夕方までゴロゴロしてからレイナは夜間中学に出かけた。

「おそよう」

「おひさ」

 何か全部間違っている。

 リンはいつも通りで何も気づいてなさそうだった。

 レスリーの態度が少し後ろめたそうなのはやっぱりというかんじ?

 一時限目が終わって給食の時にレイナは不意に決心した。

 このままでは良くない。

「リン。

 話がある」

「何?」

 一緒にいたレスリーが無表情になった。

 カカワリアイになりたくなさそう。

「今日の放課後、ファミレスに行こう」

「いいけど」

 ぶっちゃけてやる。

 そして三人で学校の近くのファミレスに来ているのだが。

 夜間料金なので高い(泣)。

 どっちにしてもお腹は減っていないから全員ドリンクバーだ。

 レイナはコーヒー、レスリーはいつもの毒々しい色の炭酸、そしてリンはなぜか紅茶だった。

 ファミレスのドリンクバーで紅茶を飲むのか。

「で、話って?」

 リンが振ってきた。

「実は」

 ぶっちゃけた。

 ナオとサリがシンの会社に入社したこと。

 二人とも通信大学に行きながらサラリーマンとして働くこと。

 レイナもそうする予定だけど何をするのかは決まっていない。

 そして。

「夜間中学を卒業したら私は英国に行く予定。

 レスリーもついてくるのよね」

「はい」

 まったく迷いのない目で言い切るレスリー。

 まあ、レイナが日本を離れたら監視役であるレスリーが日本に滞在する必要もないからなのだが。

「そうか」

 リンは無表情で言って紅茶を啜った。

 やっぱりショックだった?

 いやそうじゃなさそう。

 リンが黙っているのでレイナは少し焦って続けた。

「もちろん私はいずれ戻ってくる予定だけど。

 でもいつになるのか判らない。

 なので」

「うん、判った。

 ていうより判ってた」

 リンが淡々と言った。

「そうなの?」

「ちょっと前にナオとサリに呼び出されて教えられた。

 だから二人がシンさんの会社に入ったことも知っていたし、これまでみたいに私と(つる)むのは無理だということも判っている」

 何だそうか。

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