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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第十章 聖女、料理を学ぶ
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138.本気出さないのね

 バイキングというとあれか。

 アニメに出てきた食い放題とか。

 食事会は楽しいけど作るのが面倒くさいというのが共通した感想のようだ。

「レイナはどうだった?」

「みんなで作るのは楽しいけど、自分一人では難しいと思う」

「そうね。

 技術以前にモチベーションが」

「誰かにご馳走するというのならともかく」

 言われて考えてみたけど相手がシンくらいしかいない。

 しかもシンの場合、舌が肥えているだろうからレイナの料理に満足してくれるとは思えない。

「料理はいいかな」

「そうね。

 では次はいかにして手間を掛けずに豪華そうに見える料理を作るかで行きましょうか」

 結局続くのか。

 まあいいけど。

 その後、みんなでカラオケに行った。

 レイナも修行と思って出来るだけ平均的な上手さを心がける。

 具体的には70点代。

「本気出さないのね」

「私は平凡(ノーマル)を目指す」

 仲間はみんなレイナがプロ級の歌手だと信じているので、どんなに失敗してもスルーしてくれるのが有り難い。

 3時間くらい歌ってから別れて各自帰宅。

 レイナはシャワーを浴びてからしばらくアニメを観ていたらお腹が減ってきたのでどこかに食べに行こうかと思ったが、ちょっと思いついてシンに電話してみた。

 幸いすぐに出てくれた。

『何かあった?』

「ご飯食べに行かない?」

『ご免。

 今遠出している』

 残念。

「判った」

『どこかに食べに行けば?

 そういえば今日ってお料理教室じゃなかった?』

「そうだけど」

『じゃあ、いつもとは違ったところに行ってみるとか。

 そうそう』

 シンが気がついたみたいに言った。

『こないだ漫画喫茶に行ったって言ってたよね』

「うん」

『そういうところでも食事出来るよ。

 試しに行って見るとか』

 なるほど。

 でも一人で行っていいものかどうか。

 かといってさっき別れたばかりの仲間達を誘うのはちょっと。

 レスリーなら飛んでくるとは思うけど。

「ああいう所って一人で行っていいの?」

『もちろん。

 レイナももう大人でしょ』

 そうだった。

 レイナは成人だった。

 書類上は。

「判った」

『それじゃ。

 楽しんできて』

 ということでいつもの夜間運動用の服装に着替えて出かける。

 まだ寒いからフード付きの上着を着ていても変には思われないだろう。

 この間行ったところはちょっと遠いのでスマホで検索してみたら、何とか歩いていける場所に同じチェーンのお店があった。

 ジョギングがてらに行けそうだ。

 運動にもなるし。

 軽く走って漫画喫茶、というよりは複合娯楽施設に着いたのはいいが、思ったより小さいお店だった。

 受付で店員に聞いてみる。

 前に行ったお店は郊外店なので独立したビルだったけど、都会にある店は雑居ビルの中にあることも多いそうだ。

「もちろん、コミックやカラオケ、PCゲームなどの基本設備は揃っております。

 シャワーなども。

 ただビリヤードやダーツは当店にはございません」

 そんなのはやらないからいい。

 一人用の個室もある、というよりはむしろそっちが主力(メイン)だそうで、早速禁煙の部屋にチェックイン。

 食事を頼もうとしたら、残念ながら既にラストオーダーが終わっていた。

「持ち込み自由ですので。

 数軒先にコンビニがございます」

「そう。

 ありがとう」

 有能な店員で良かった。

 出入り自由と言われたのでそのままコンビニに出かけてお弁当やお菓子を買い込む。

 お菓子は店内でも売っていたがついでだ。

 ちなみに飲み物は前回の経験で何でもあることが判っている。

 さすがに味噌汁はなかったけど、代わりにスープがあったはずだ。

 借りた部屋に戻ってからドリンクバーに行ったらちゃんとあった。

 ソフトクリームもある。

 これは全店共通とのことだった。

 さて。

 既に覚えた検索用PCでお目当てのコミックの場所を特定し、ごっそり持ってきた。

 とりあえず十巻まで。

 そしてレイナはお弁当を食べ、お菓子を摘まみながら徹夜でコミックを堪能するのだった。

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