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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第八章 聖女、大人になる

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111.核家族化って奴だな

「そうか。

 誰かの許可なしで結婚出来るようになるのか」

「結婚自体はこないだまでは女は16歳で出来たんだけどな。

 法律改正後は18歳にならないと出来なくなったはずだ」

「?

 引き上げられたの?

 というよりは今までは20歳が成人だったのよね?

 未成年なのに結婚は出来たと」

「親の承諾があればな」

 サリはなぜか詳しかった。

 本人はとっくに20歳を超えているはずだが。

 リンやレスリーも? な表情だったのでナオが説明した。

「昔の日本って結婚は本人同士より家同士の結びつきだったのよ。

 だから結婚したとしても、若い内は親の保護かにあるか、少なくとも世話をやくことが当たり前だったみたい。

 親子孫まで同居が普通だったしね。

 特に女性は基本、嫁に行くわけだから親が許可すれば16歳でも結婚出来た。

 本人が未熟でも親が保護するということで。

 でも今はもう、親がいつまでも子供の世話なんかやらなくなってるでしょう。

 子供が結婚しても親と同居ってあまりないし」

「なるほど」

「核家族化って奴だな」

「そう。

 だから責任とれる年齢が引き下げられたわけ。

 実際、高校出て18歳から働く人は結構いるし」

「それにしてはまだ煙草やお酒は20歳までは禁止だし、競馬や競輪みたいなギャンブルも20歳からね。

 パチンコだけ18歳から出来るみたいだけど」

 ナオがやたらに詳しい。

 聞いてみたら秘書検定でそういった知識もテストされるのだとか。

 秘書は上司の命令に従うだけではなく、むしろ助言したり行動を是正する役目もあるため法律知識も必要ということで。

 リンが「知らなかった」と言ってナオを尊敬の目で見ていた。

「パチンコってあれ、どう考えても賭事だよな。

 金かけてるんだし」

「遊戯という建前ね。

 宝くじと違ってワンクッション置くことでギャンブル性を回避している」

「まあ、あれって国の大事な財源だからな」

 サリがきな臭い方向に行きかけたので慌てて割り込む。

「つまり18歳から日本社会では一人前の大人と見なされると」

「そうね。

 選挙権もあるし、クレジットカードも自分名義で作れるようになった」

「あ、それはやりたいかも」

 レイナが今使っているカードは全部、名義はレイナでも契約はシンのものだ。

 なるほど、独立するとはそういうことか。

「レイナにはあまり関係ないんじゃないか?」

 サリが言ってきた。

「成人したからと言ってシンさんから離れるわけでもなさそうだし」

「それはそう。

 シンがいないと私はどうにもならない」

 経済的だけじゃなくて聖力関係でもシンの指導が必要だ。

 そもそもタイロン氏の組織に目を付けられている以上、レイナとシンは運命共同体といっていい。

「あんまり変わらないのね」

「まあ、そうだな。

 変わったのは民法だから、誰か殺したら刑務所に行くことは変わりない。

 14歳以上は」

 また新しい知識が出てきた。

 しかも人殺しの話。

 レイナには大いに関係がある話題だ。

 ちょっと間違って聖力で誰かを粉砕するってありそうだし。

「それって18歳とは関係ないの?」

「私も詳しくは知らないのだけれど」

 ナオが説明してくれた。

「刑法つまり犯罪を犯した時の量刑についてはなぜか14歳以上には責任能力があることになっているのよね。

 もっとも18歳未満の場合はテレビニュースに実名が出ないとか、色々縛りがある」

「ま、ざっくり言って13歳以下なら人を殺しても刑事罰は受けないことになっている。

 もちろんお咎めなしというわけじゃなくて、児童相談所や家庭裁判所送りになるけど」

「それって刑務所じゃなくて?」

「だから罪を犯してないというか、その責任能力がないんだよ。

 責任があるのは親や保護者」

「でも」

「刑罰じゃなくて保護や指導といった処置になる。

 実際には矯正らしいけど」

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