表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第七章 聖女、受験する
114/351

104.シンの家もその口?

「まあ、だからといってむやみに知り合いを増やしても仕方がないというか、むしろ危険だよね」

「それは判る。

 危ない人かもしれないし、逆にその人に危険が迫るかも」

「リンさんにはレスリーさんがついてくれてるんだっけ」

「そう言っていた。

 似たような趣味だから気が合ってるみたい」

 二人とも分野は違うがヲタクだ。

 その分野も微妙に重なり合っていて、レスリーがアニメ関係のヲタク活動を教えたりリンがゲームの指導したりしているらしい。

 レイナはまったくそっち方面に興味がないから仲間はずれだ。

 別にいいけど(泣)。

「そういえばナオやサリはいいの?」

 気になったので聞いてみた。

 カラオケ店まで入り込んでレイナにナンパという名の懐柔を仕掛けてくるような連中だ。

 ナオやサリの存在を知ったり手を回してくるかも。

「ん?

 ああ、あの二人は大丈夫だよ。

 多分」

 シンについては歯切れの悪い答えが返ってきた。

 つまり深入りするなと。

 大人の世界の話か。

 まあ、ナオもサリも成人しているはずだから、自分のことは自分で何とかするだろうし。

 そもそもレイナが何かするのはお門違いか。

 それからレイナはシンと近況報告や当たり障りのない話をした。

 珍しくシンがミルガンテのことに触れたので、前から気になっていたことを聞いてみた。

「シンのご家族ってどんな人たちだったの?」

 この場合はミルガンテでの家族の事だ。

「僕の?

 ああ、うん。

 一応は地方官の家系でね。

 父親は地方政府の役人だったよ。

 下っ端だったけど」

 そうなのか。

 まあ、大聖殿ですんなり神官見習いになったことからして農民とかじゃないことは判っていたけど。

「貴族だったの?」

「とんでもない。

 先祖はそうだったかもしれないけど、跡継ぎになれなくて平民になった口だったと思う。

 貴族の親戚だからということでコネで何とか役人になれて」

 そういうことか。

 日本(こっち)に来てから読んだラノベにも出ていたが、地球もミルガンテも貴族と平民がいて、その貴族は世襲制だ。

 貴族家に生まれても跡継ぎになれなければ野に下るしかない。

 もっとも教育を受けることが出来るから、最初からの平民より有利な立場で就職出来る。

 例えばとある貴族家の三男坊辺りが成人して平民になって、親の伝手で役所に採用される。

 そこで立派に勤め上げればそれ自体が実績というか信用になるから、その子供も採用されやすい。

 そうやって代々役人の家系が続いていく。

「シンの家もその口?」

「うん。

 家庭は裕福というわけじゃなかったけど、それなりに教育を受けられた」

「え?

 でもシンって日本(前世)の記憶があるんだから神童だったんじゃないの?」

「記憶が蘇ったのは大聖殿の徴発(スカウト)にひっかかってからだよ。

 それまでは単なる平民だった」

 そうだろうか。

 シンの頭の良さは多分、地だ。

 地球の記憶がなくても相当出来る人だったのだろう。

 だからこそ教育も受けさせて貰えた。

 そして聖力が使えることがバレて大聖殿に徴用されても上手くやって順調に神官見習いに任命されたと。

「そういえば私はよく知らないんだけど、神官見習いってみんななれるの?」

 聞いてみた。

「結構厳しいよ。

 学校じゃないから同級生(クラスメイト)とかいないし、定期的に試験があって不合格が続くと神官候補から外される」

「そうなの!」

 神官見習いなら誰にでもなれると思っていたのに。

 まあ、徴発(スカウト)された人は。

「でも神官候補として徴発(スカウト)されたんでしょ」

「それはそうだけど、あれはどっちかというと聖力持ちの隔離だから。

 社会に置いておくと何するか判らないし」

 聖力は無敵だ。

 現実を歪めることが出来る人がいたら、その周囲はたまったものではないだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ