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86.反転した性格

「データの反転ということは、性格も反転しているということですか」

「そうネ。ガナッシュ君、自己評価低いタイプだから、ラムネはちょっとナルシスト気味だヨ」

 なんかすげえ分析されてる。一日のデータでそこまで分かるものなのだろうか。

「ではラムネ。自分のことイケメンだと思いますか?」

「思う」

 堂々と即答しやがった。何という自信……!

 すると、ラムネはおもむろに席を立ち。俺の後ろに回って。

「パパ。も。イケメン。オレ好み」

 ぎゅ、とそのまま抱きしめられた。思ったより太い腕で力も強く、首元に付けているらしい甘い香水の匂いに思わずドキッとしてしまう。

 せ、セクシー枠かもしれん……。というかパパ扱いなのか。俺、データしか出してないんだけど。

「かわい」

 くすりと笑って俺の頬をつつき。反応を見て楽しんでいるようであった。どうしよう。こんなに色っぽいと何かいけないことをしてるみたいな気分になってくる。

「スキンシップにためらいが無いんじゃな」

「乙女ゲームのキャラみたいやねえ」

「兄弟モノ見てるみたいですね」

「おいやかましいぞ外野」

 当のラムネは全く気にしていない。マイペースの権化か。

「では、女の子の足と手ならどっちが好きですか?」

「手。指ぬき手袋大好き」

「なるほど。脚フェチが反転すると指フェチになるんですね」

「お前絶対面白がってやってるだろそれ!?」

 と、言い合っている間にラムネが俺の着けている指ぬき手袋に気づき。

「えっち」

「お前は俺の手袋でいいの!?判定ザルすぎない!?」

「オレの。パパ。だから。しょうがない」

 なんてことだ、ナルシスト要素が入っているだけに同じ姿の俺もストライクゾーンに入ってしまっているというのか。

「あ、そうそう。世界学習の一環で、ガナッシュ君の家に一ヶ月くらい居候してもらうカラ。そこらへんよろしくネ」

「待って!?この状況でそれ言う!?」

「本部の命令だからネ。拒否なら本部に言ってネ」

 完全に高みの見物で面白がっている。この人もいい性格してるなチクショウ。

「パパと。お泊り。嬉しい」

 にこ、と笑う様子は本当に無邪気で、子供っぽかった。

 ……そのとき隣の席から感じた強烈な冷気とテーブルの上に降りた霜に関しては無視しておくことにした。目が合ったらフローズンアイスにされる気がしたからである。

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